アウォード2016発表!

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:日本珈琲狂会 [2016年12月27日 05時00分]
日本珈琲狂会と日本コモディティコーヒー協会が、アウォード2016を発表する。
 
 
“CLCJ Award 2016”(日本珈琲狂会アウォード2016)発表!
 
 「ヴェルジ賞」(Verde Award)
  缶コーヒー「ダイドーブレンド うまみブレンド」 & 缶コーヒー「キリン ファイア」 :
  ダイドードリンコ株式会社 & キリンビバレッジ株式会社
 
 【授賞理由】 ダイドードリンコ株式会社は、米国のFutureCeuticals社が
  特許を有しているコーヒーノキの実の果肉部分より得た抽出物を混入し
  た缶コーヒーを2016年2月29日より発売した。キリンビバレッジ株式
  会社は、炭化する寸前まで深く焙煎した豆を10%~35%で使用した缶
  コーヒーを2016年11月4日より発売した。この2社に限らず缶コーヒー
  業界では、ナントカ製法とかダレソレ監修とかを謳って弥縫策で取り繕う
  欺瞞の喧伝が常套である。その低劣の中で、ダイドードリンコは‘うまみ’
  の語を軽易に付した「うまみブレンド」を、キリンビバレッジは‘焦がし’の
  語を安直に使って「ファイア」リニューアル群を、いずれも誤認すれすれ
  の強弁で売り出した。これらは生理学や焙煎技術の観点からも、悪しき
  謳いの製品であり、その汚穢なる姿勢に焦心せざるを得ず、ヴェルジに
  値する。
 
 【選評】 コーヒー製品の市場に缶コーヒーが登場して約半世紀、その存在
  自体は集合としてある種の‘文化’を形成していると日本珈琲狂会は認
  めるものである。しかしながら、近来における缶コーヒー市場は、その低
  迷に焦ってか、稚拙な発想を下卑た煽動で誤魔化す商品ばかりが登場
  して、その当座凌ぎに出まかせ紛いを謳う姿勢には‘文化’の香味を微
  塵も感じられない。また、‘リニューアル’と称して原価を抑えて商品を改
  悪する手法は、缶コーヒー以外のRTDコーヒー飲料やコンビニコーヒー
  にも伝染している。今般の2社の缶コーヒー「ダイドーブレンド うまみブレ
  ンド」と「キリン ファイア」は、これら悪しき実態を甚だしく代表するものと
  判じられて、見事に「ヴェルジ賞」を獲得するに至った。日本珈琲狂会は、
  この授賞を機に、軽挙妄動を続ける缶コーヒー業界とその放恣を問責す
  ることのない無能なる日本のコーヒー業界関係者に対しても痛罵する。
 
 
“CCAJ Award 2016”(日本コモディティコーヒー協会アウォード2016)発表!
 
 「CCAJ賞」(CCAJ Award)
  『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』(講談社:刊) :
  旦部幸博
 
 【授賞理由】 2016年2月に刊行された『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこ
  で生まれるのか』は、その書名に厳たる‘科学’を付して全く恥ずるところ
  がない。理系や自然科学系の学究者が一般向けのコーヒー本を著した
  場合に、自らの愛好に気が緩みその述懐に有理や整合を失うことが大
  方である。だが、旦部幸博氏はその罠に嵌ることなく、科学の目で怜悧
  かつ温和にコーヒーの世界を語っている。本書は、分野や立場を問わず
  コーヒーの世界を探究する者に不可欠なものであり、裨益するところは
  広くまた深くて計り知れない。その内容の重宝も好ましく、称讃に値する。
 
 【選評】 今期のCCAJ賞の候補は3つの出版物に絞られた。刀根里衣氏
  が描いた『モカと幸せのコーヒー』(NHK出版:刊)は、その主題と表現が
  見事に調和した絵本であり、老若男女を問わず心を癒されるであろう温
  かみに満ちた作品である。臼井隆一郎氏が著した『アウシュヴィッツの
  コーヒー コーヒーが映す総力戦の世界』 (石風社:刊)は、コーヒーを軸
  としてドイツから世界の歴史を眺め直した人文書であり、差別や戦争か
  ら目を逸らさないでその苦みを味わうべき傑作である。『コーヒーの科学
  「おいしさ」はどこで生まれるのか』と『モカと幸せのコーヒー』と『アウシュ
  ヴィッツのコーヒー コーヒーが映す総力戦の世界』、これら3冊に対して
  最後まで選考に悩んだところは、分野も様式も全く異なるからではない。
  3つの作品は共通に、「コーヒーとはなんだろう」という問いを人類社会
  に対して訴えている。業界の商売っ気などとは無縁に素直な訴えをみせ
  る著者らの姿勢も3冊に共通である。この意義と姿勢では、3冊に優劣
  の差はない。最後はコーヒーそのものを味わう際の具現の有用性をもっ
  て、『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』に授賞を決した。
 
 
上記2つのアウォードは、日本珈琲狂会(CLCJ)と日本コモディティコーヒー協会(CCAJ)により、2016年(選考対象期間:2015年12月1日~2016年11月30日)のコーヒーに関連する事象を選出して、その可能性や成果を認めたものを選り分けて授賞とした。この2つのアウォードに関しては、過去6年(2010年2011年2012年2013年2014年2015年)の授賞と同様にして、CLCJ主宰及びCCAJ創設者である鳥目散帰山人の独断にて発表したものである。したがい、選考から授賞まで、授賞理由や選評を含めて鳥目散帰山人の責である。ここに、「ヴェルジ賞」の受賞者には哀哭の罵声を、「CCAJ賞」の受賞者には賞賛の拍手を贈らせていただく。
 
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コメント

No title
y_tambe URL [2016年12月27日 13時13分] [編集]

権威ある……とはとても言いがたく、むしろその対極にありそうでいて、でもそのうち何か本当に権威になりそうな感じがしないでもない……CCAJ賞をいただけましたこと、たいへん光栄に思います。これもこの本を一緒に作り上げた講談社の方々、そして私がこれまで出会ってきた大勢の「コーヒー人」の方々のおかげです。
今後も、これまで以上に一層精進を重ねるつもりです……とりあえず『コーヒーの科学』で泣く泣く削った部分を何とか別のかたちで世にだすところから…。

to:y_tambeさん
帰山人 URL [2016年12月27日 18時26分]

刀根・臼井両氏の追撃を振り切って、7回のうちで通算3度目の受賞、おめでとうございます。当協会は賞の授受に栄誉を求めますが、権威なんて恥辱は金輪際求めません。歴史そのものが栄誉なのです。また新たに歴史を刻む事象を愉しみに、お待ちしております。

旦部博士おめでとう!
嶋中労 URL [2016年12月29日 08時42分]

CCAJ賞は少なくともノーベル平和賞とか文学賞よりは高尚、と聞いております。『コーヒーの科学』は凡夫匹夫にとっては高尚すぎる代物で、脳漿を絞りつくしてもサッパリわからん、というところがありますが、わからないところに価値があるので、わが家では床の間に飾り、毎朝拝んでおります。ふだん頭を使っていない人は、ぜひこの晦渋な珍本に挑戦してみてください。

to:嶋中労さん
帰山人 URL [2016年12月30日 00時34分]

労師、著者に代わって祝辞に御礼申し上げます。が、チョット理系語が混ざると《わからん》連発は堪りませんよ。そこは「質朴な好著」くらいに紹介してくださいよぉ(笑)

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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