やっとかぶき

ジャンル:学問・文化・芸術 / テーマ:art・芸術・美術 / カテゴリ:観の記:美面 [2016年11月23日 23時30分]
2016年11月20日、遅い朝に2杯目のコーヒー(‘Ambigu’と名付けた雑多ブレンド)を喫しながら、同月5日12日に観た「やっとかめ文化祭」の「芸どころまちなか披露」を想い返す。そして、同月13日に「いびがわマラソン」で観た景色は「走どころかわぞい披露」であったし、翌14日に高橋徹・由紀夫妻宅のステイオーヴァーで長屋幸代氏が贈った「フレーバーホイールケーキ」は「珈琲どころいえなか披露」であったことも想い返した。
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文化祭もマラソン大会もパーティも演芸であり、狂言も歌舞伎もケーキもコーヒーも芸能である。今20日は「やっとかめ文化祭」の最終日…じゃ、ストリート歌舞伎を再び観に行こう!
 
昼過ぎに自宅を出て、寄り道しながら走り、名古屋の大須商店街ふれあい広場に到着。なごやうたと尾張万歳と箏曲は聴き逃し観外したが、仮設ステージの裏側(に常設されている喫煙場)で煙草を喫しながら出演者やスタッフが慌ただしく支度をしている様子を眺める…正に‘舞台裏’がまる見えで大変によろしい。
 
 《平針に木遣り音頭があるのは「名古屋城築城のさい、資材運搬にかり出
  された農民が景気づけに歌ったのが最初」という言い伝えがある。しかし、
  一般的には山林地方からの旅人によって伝えられ、当地の人がそれを
  覚えたことに始まったものであろう。それがたびたび氾濫した天白川の
  築堤工事の作業歌として歌われるようになり、さらに家屋の建築などの
  祝い事の席でも歌われるようになったのであろう。ルーツは名古屋城築
  城以前にさかのぼるであろう。》 (平成18年度 市民研究報告書 「飯田
  街道沿いの魅力資産再発見と活用アイディア」p.21/財団法人名古屋
  都市センター 2007年3月)
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まずは、平針木遣り音頭保存会による「平針木遣り音頭」。《名古屋城築城の際、木材や石を運ぶときに景気づけに唄った作業歌・労働歌が今に伝わります》という譎詭を「やっとかめ文化祭」が唱えることはよろしくないが、滅びゆく木遣り唄を街中で聴く機会はよろしい。
 
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そして、ストリート歌舞伎。《遠からん者は音にも聞け、近からん者は目にも見たまへ》…「悪七兵衛景清」を観る、8日ぶり2度目。《悪七兵衛といっても悪人ではなく、勇猛さを表した異名とされています》…それは違うな。伊藤景清の虚構は、中世‘悪党’の中でも偏執のダメ‘悪人’として描かれるから面白いのである。《源氏の不道理、許すまじ》と現れる伊藤景清、だが、このストリート歌舞伎では阿古屋の存在を捨てて名古屋に都合のよいところしか取り上げない…井沢元彦氏と西川千雅氏の不道理、許すまじ? 本作の那須与一vs伊藤景清よりも、他の景清物の阿古屋vs小野姫の女の戦いとか、宇治加賀掾・井原西鶴vs竹本義太夫・近松門左衛門のタッグチームマッチとかを追ってみたい、と観劇しながら思う…「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」。「悪七兵衛景清」がハネた後、名古屋ナモ締めは嫌いなので会場を離れ、松屋コーヒー本店でコーヒー(パナマ・エスメラルダ・ゲイシャ)を松下和義会長に淹れていただき談話。
 
 《東京や大阪など主要8都市との比較で名古屋市が「行きたくない街1位」
  となった調査について、約8割の市民が容認していることが分かった。市
  が21日、インターネットによるアンケート結果を発表した。(略)「残念だ
  が仕方がない」が60.4%、「当然」が21.1%だった。(略)魅力向上に
  は、まずは市民の意識改革から? (三上剛輝)》 (「毎日新聞」 2016年
  11月22日)
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名古屋市は、いわゆるシティプロモーションに係る戦略を根本から間違えている。他所と比べてどうのこうのと考えても、魅力のあるまちづくりはできない。魅力は向上させるものではなくて、見出すものなのだ。例えば、「やっとかめ文化祭」があるじゃないか。私は名古屋市民ではないが、今年の「芸どころまちなか披露」を3回観た。円頓寺商店街では苦情を大声で喚くクソジジイが邪魔だった。KITTE名古屋では居眠りし続けるクソオヤジが邪魔だった。大須商店街では前列でも座らないクソババアが邪魔だった。その不道理、許すまじ。だが、そうした悪人の跋扈も《行きたくない街1位》における演芸であり芸能である。「やっとかめ文化祭」という催事それ自体が狂言回しであり、その「芸どころまちなか披露」が傾奇(かぶき)者の集まりなのだから…さては「やっとかめ」じゃなくて「やっとかぶき」か?
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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