二つ隣のパンジェンシー

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2016 [2016年10月25日 01時00分]
映画を名古屋シネマテークで観た帰りに、在住市内の「勝川弘法市」を1年半ぶりに覘いた。ハロウィンフェスティバルを兼ねているからだろう、テントだけでなく来場者の服装も色とりどりだ。《手廻し焙煎》と《柔らかい深煎珈琲》の看板に惹かれて移動喫茶の「sunday coffee」に寄る。「帰山人さんですか?」の先制を加藤哲史氏から受け、淹れてもらったコロンビアを飲みながら暫しコーヒー談議。コーヒー映画にコーヒー屋に…新たな出会いの味わいはパンジェンシー(pungency)?
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そして、その翌日、在住地の二つ隣の市である尾張旭の「スカイワードあさひ」を会場として、コーヒーの二つ隣(?)の嗜好飲料である‘紅茶’を題材にした催事を訪ねた。一昨年の回には製茶を体験して「駄~ジリン」などと遊んだが、昨年の回はマラソン大会と重なって行けなかったので約2年ぶりに覘く。
 
2016年10月23日
「第5回 紅茶フェスティバル in 尾張旭」
 
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「紅茶宣隊ティーバトラー」のステージショウを観て、紅茶バザールで試飲しまくり。屋外と1階で日本の紅茶を、4階で世界の紅茶を飲む。ウ~ン、どれも不味くはない(国産の紅茶は概して以前よりは少しマシだ)が、どれも唸るほどに美味くもないナァ。
 
6階で紅茶シンポジウムを聴講する。今般のテーマは「国産紅茶の品質を向上させるために」、4人のパネリストが発表。(以下は、興味深く面白いところの私的メモ)
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後藤潤吏 (ごとう製茶)
国産紅茶グランプリ2015グランプリ受賞(べにふうき・とよかのブレンド)。 ウンカの食害はクセを抜いて奥にある花のような香りを残す。 他人の作った茶の味をとって工程を想像して再現してみる。 原料が全て、摘んだ芽で工程を決める、「紅茶を作る」というイメージが全くない。 豊橋から外に出したらうまく育たないと言われるようなオリジナル感がある品種を作りたい。
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野村茂広 (三重県農業革新支援専門員)
亀山べにほまれ紅茶復活プロジェクト(亀山Kisekiの会)。 亀山紅茶、全国茶品評会(1951)で国茶C8号8位、ロンドンで高評価(1952)、全国初のティーパーティーを開催(1957)、完全輸入自由化決定(1970)で激減消滅。 伊達式紅茶用強圧揉捻機はもうない(?)。 情報発信とブランディングとマーケティング。
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比嘉竜一 (金川製茶)
国産紅茶グランプリ2015準グランプリ受賞(べにふうき)。 片付けられる組立式の萎凋槽(ホームセンター材料で数万円)。 マーガレッツホープのFF手摘み手揉みが好き。 売り物はべにふうきだけ、実験で沖縄に合うものを選抜育種。 シンプルにおいしい紅茶を作る。 品評会用ではなくて、いつもある紅茶で10位以内を目指したい。
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川崎武志 (東京ティーマーケット)
国産紅茶は課題だらけ。 グレーディングなし、荒茶出荷。 ダージリンFFを2人に1人は美味しいと思っていない、だけど値段が高い。 国際価格が高騰、ダージリンの位置が狙い目。 ソムリエやバリスタのような専門職の形成と向上。 アロマホイールの整備、和紅茶など用語の統一。
 
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生産者(後藤・比嘉の両氏)の話は愚直でしたたか、マーケッター(野村・川崎の両氏)の話は軽妙で賢しい、いずれにしても紅茶界の人たちは逞しい。シンポジウム後、ステージの国産紅茶グランプリ2016結果発表と表彰を見て、会場を去った。
 
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堀田信幸氏が主導する「紅茶フェスティバル in 尾張旭」の国産紅茶グランプリは昨2015年から始まった。小泊重洋氏が主導する「世界和紅茶会議」も昨2015年から始まった。日小田知彦氏が主導する「九州和紅茶博覧会」も昨2015年から始まった。赤須治郎氏が主導する「全国地紅茶サミット」は2002年の地紅茶シンポジウムを端緒に先行して催され続けている。今、国産紅茶が熱いのか? いや、国産紅茶の‘催事’が熱いのである。シングルオリジンのダージリンを超越して愛好家の支持を受けること、隣の‘ご当地’紅茶よりも目立って土産物として売れること…国産紅茶・和紅茶・地紅茶という用語のブレ以上に、日本国産の紅茶の将来像にはまとまりがない。この先の紅茶界に、パンジェンシー(pungency)の味わいはあるのだろうか? いや、パンジェンシーの味わいを真に追究するべきは、今後のコーヒー界なのかもしれない。コーヒーの一つ二つ隣(?)の嗜好飲料にも目を向けなければ、コーヒー自体も解せぬ。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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