蕎麦に居るね 27

ジャンル:グルメ / テーマ:うどん・そば / カテゴリ:食の記 [2016年10月18日 23時30分]
2016年10月16日、郡上八幡へアート催事を観に行ったついでに町を散策、その途中で昼飯を摂る。郡上八幡といえば麺類はうどんか天ぷら中華そばだろうが、そんな本来は抛っておいて蕎麦を三食。
 
「蕎麦正まつい」にて、「ざるそば」を食す。
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一食目。ホテルの支配人だった松井和至氏が「蕎麦正」(高山市荘川町)の三島正氏に師事して2009年9月に開業した「蕎麦正まつい」を初訪。11時開店を待つ客の3組目として並ぶ。蕎麦切りは冷たい蕎麦だけ、ざるとおろしの2種。席に通されて「ざるそば」(1000円)を注文。蕎麦が運ばれてきて、まず美しく輝く麺だけズルズル…ウマい! 馥郁たるソバの香り、芳醇なソバの味。この圧倒される甘さは荘川産ソバを天日干ししているからなのか? 鼻でも口でも喉でも胃でも美味い蕎麦に感涙、コリャ、ウマい! 辛汁は尖ったところのない落ち着いた仕立てで好い。薬味の葱も山葵もスバラシイ芳香だが強すぎるので控えて、麵を食べ終わってから蕎麦湯に浸して味わう。「蕎麦正まつい」、コリャ、2015年7月に開業した犬山店にも行ってみなければ!
 
「俄」にて、「郡上清流あまごそば」を食す。
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二食目。郡上八幡で約270年続く酒蔵に生まれた原保元氏が地元で居酒屋を開いた後に2014年4月に開業した「俄」(にわか)を初訪。黒を基調にしたオサレ居酒屋風の店内に客はちらほら。カウンターに座って「郡上清流あまごそば」(1380円)を注文。冷たいぶっかけの仕立てで美しく盛られた蕎麦が運ばれてきて、郡上産蕎麦粉100%使用の二八を謳う麺をズルズル…う~ん。予想以上に黒っぽい麺はホシが多い蕎麦に特有の味はあるがソバの香りがほとんど捉えられない。あまごはフツーの味で、レモンやハジカミも甘露煮には合うが、蕎麦には合わない。私には苟且の意味でニワカにしか感じられない、それはメニューだけなのか、店そのものか?
 
「泉屋」にて、「天ぷらそば」を食す。
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三食目。町家の造りの古体な店で1930年に開業して3代目が営む「泉屋」を初訪。入口近くのテーブル席に座ると、想像通りに灰皿が積んである(訪店中に煙草は吸わなかったが)。店奥の座敷席には家族客、その頭上ではテレビが「NHKのど自慢」、イイねぇ。「芋かけそば」には早すぎる時季、「天ぷらそば」(850円)を注文。運ばれてきた蕎麦の丼から添えられた散蓮華で取り鉢に天ぷらだけ除けて、まず色の薄い甘汁をズルズル…ウマい! 出汁がしっかりしている。テレビから流れるカンコンという鐘の音を聞きながら麵をズルズル…ソバの香りは薄いが味はしっかり出されて汁に合う。ん? 頭上のサークラインが突然消え、店主が出てきて紐を引っ張り「スイマセン」(笑)。衣フヤフヤの海老天を食べながら思う…「泉屋」は正しい麺類食堂だ、好い!
 
郡上界隈が必ずしもソバ栽培の好適地であると私は思わない。実際にソバが振興作物の一つとされているのは、収益性の薄い米作りからの転作勧奨によるものだからだ。
 《そばの作付けについては、大豆を作付けしたほ場で、翌年に栽培する
  ことで連作障害対策として有効な作物であり、加えて雑草に強いことか
  ら荒廃農地の再生作物として作付けされています。収穫されたそばの
  実については地元加工グループで利用されるなど、比較的地元で利用
  されています。しかし、他の品種同様、鳥獣害被害が深刻であり、さらに、
  電気柵などの資材を設置するほど収益性がないため、獣害を受けるが
  ままといった状況となっています。今後、安価で行える獣害を減少させ
  る施策の研究を行うなど、郡上市内で消費されるそばのすべてが地元
  産を使用し、また安定した供給量が確保できるように栽培を推進します。》
  (「郡上市農業振興ビジョン」 第5章 品目別の振興方向/2010年2月)
郡上市はソバ栽培を、2007年実績に比して栽培面積で2倍弱の34ヘクタール、生産量で3倍弱の17トンを2018年の目標としているが、年々に温暖化も進んでいる中で、果たしてソバの質はどうなのか? Tシャツ1枚になって町を散策した秋日和、「まつい」や「泉屋」のように再訪したくなる蕎麦屋を見つけられて好かったが、郡上八幡を‘蕎麦どころ’と呼ぶに今は難しい。では、将来は? その課題は重い。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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