精霊の守り人

ジャンル:学問・文化・芸術 / テーマ:art・芸術・美術 / カテゴリ:観の記:美面 [2016年10月17日 01時30分]
郡上八幡でアーティスト・イン・レジデンスの作品が公開される3日間の最終日、2016年10月16日、秋の日和に「きそがわ日和」のアート催事を観に行こう!
 精霊の守り人 (1) 精霊の守り人 (2) 精霊の守り人 (3)
城山公園に駐車して、郡上八幡城へ登る。日本最古である木造で再建された模擬天守、ここから見る城下町の眺めは好いが、《山内一豊の妻「千代」は郡上の生まれだった》などと見性院の出自を僻見した説明は悪い。退城。
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岸劒神社や安養寺や惣門坂や願蓮寺や慈恩禅寺や最勝寺や日吉神社など、城下の社寺を巡りながら町を散策。途中、乙姫川の橋のたもとや蕎麦屋の店内やカフェの角などで、アート催事の案内を目にする。鰻屋の店頭では「特定非営利活動法人きそがわ日和」理事長の篠田康雄氏(「コクウ珈琲」店主)にも出くわす、「じゃ観てくるよ」。
 
「郡上アーティスト・イン・レジデンス -郡上に棲む精霊たち-」
(主催:一般社団法人 郡上青年会議所/企画:きそがわ日和実行委員会)
 
 《小澤さんは壊れたり、役目を終えたりして、意味を失った物を集積させた作
  品を手掛ける。(略)…小澤さんは今回、滞在する町家の1階に花のカーテ
  ンのような大型作品を作り上げた。花は全て造花。地元住民や地元の花
  店の厚意で多くの花が寄せられた。小澤さんは「こんなに集まるとは思わ
  なかった。つながりや縁を感じる作品展」と話す。》 (「町家をアート空間に」
  佐名妙予/『岐阜新聞』 2016年10月2日)
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昔に大坂から来て銅山業を営んだ吉松惣兵衛が開いた大坂町で、元は駄菓子屋を営んでいたという小椋邸を会場にした小澤香織氏の作品を観る。日々の生活の匂いが残されたままのような空間、そのあちらこちらで違和なく造花が咲いている。
 
 《伊藤さんはラテックスというゴムと自然物を合わせて、時間や空気、記憶な
  ど見えない物の具現化をテーマに創作する。(略)…丸太にラテックスを塗
  り付け、乾燥してからはがし、木の表皮の風合いが再現された膜をいくつ
  も作る。この素材と蔵に運び込まれた5メートル超のアイダモの木を使って
  斬新な空間表現が行われるという。》 (前掲 『岐阜新聞』記事)
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新町で明治期から金物屋を営んで近来は約1年前まで骨董や服飾の土産物を扱っていた高橋家、その越前屋を会場にした伊藤千帆氏の作品を観る。旧家の奥の間に陽光が射しこんで作品を浮き立たせている。越前屋の表側の土間では渡辺泰幸氏が《郡上の町の人から集めた布を紐状にし、素焼きした白い陶の鈴につけて空間をつくるワークショップ》、「精霊の音をきこう」も公開されていた。
 
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古くから漢方医を営んだ稲葉家が所有していた新町の建物は町家玄麟として活用されている、その奥にある離れで「渡辺泰幸×きそがわ日和 講演会 まちをアートで楽しむ」を聴く。画像やトークで「きそがわ日和」のプロジェクトや「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の実績が紹介され、アーティストや企画者が何を思い何に悩み何を楽しみにしているのかを含めて、町(街・まち)とアートとの関係性を考えさせられた。切子灯籠に精霊が降りてくる「郡上おどり」、その精霊の守り人は誰だろう? そして、「郡上に棲む精霊たち」の守り人は誰だろう? 住民? アーティスト? 旅人? …想いを巡らせながら、会場を離れて帰途についた。
 
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コメント

コクウ珈琲 URL [2016年10月20日 00時05分]

郡上みたいに守るべき精霊がはっきりしている地域のほうが、現代美術は受け入れてもらい易いのではないかと感じました。

to:コクウ珈琲さん
帰山人 URL [2016年10月20日 11時27分]

まぁ、郡上が現代アートの舞台に真に相応しいかどうかは短兵急に結論できないけれども、受容のフトコロには有形無形の文化財の身近さが関係するかも。例えば郡上対美濃加茂を指定文化財の数で計ると、前者は八幡エリアだけ後者は市域全体でも、国指定27対3、県指定33対7、市指定129対36の差。郡上市全体の指定文化財の数は美濃加茂市の約20倍ある。ありゃイイってもんじゃないし、越後妻有みたいに‘ないフリ’で成功する場合もあるんだけどね。つまり、精霊の問題じゃなくて守り人次第ってコトだな。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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