ボケモンナーレ 其の陸

ジャンル:学問・文化・芸術 / テーマ:art・芸術・美術 / カテゴリ:観の記:美面 [2016年10月14日 23時30分]
過日、名古屋の愛知芸術文化センター名古屋市美術館・長者町会場名古屋駅会場・栄会場、豊橋のPLAT会場・水上ビル会場・豊橋駅前大通会場、岡崎の康生会場・六供会場・東岡崎駅会場、これら3地区の11会場を巡って「あいちトリエンナーレ2016」を観終えた。いや、まだ岡崎地区に期間限定で展示されている作品を観ていない。「呆け者なぁれ」(ボケモンナーレ)じゃないのか…よし、呆け者(ボケモン)GOだ!
 ボケモンナーレ其の陸 (1) ボケモンナーレ其の陸 (2)
 
2016年10月12日
「あいちトリエンナーレ2016」 (康生会場 岡崎公園多目的広場)
 
 《ふわふわと幻想世界に迷い込んだようだ。赤や青、緑の優しい光に満たさ
  れ、壁や天井との距離感もあいまいになる。(略)空気で膨らませた高さ約
  10メートルのビニール製ドームが五つ連なる。ドームは金平糖のような形。
  色とりどりの生地を太陽光が透過すると、光は内部で複雑に混じり合う。イ
  スラム美術に着想を得た作品の一部は、モスクのアラベスク模様を思わせ
  る。静かに流れるのはアイルランドの音楽。アランさんは「太陽の光を感じ
  て音楽に耳を傾け、心を休めるのも、寝転ぶのもいい。同じ空間をみなで
  共有してほしい」と呼びかける。(太田敦子)》 (「幻想の世界? 優しい光に
  包まれ…愛知」/『毎日新聞』 2016年10月5日)
 
 ボケモンナーレ其の陸 (3) ボケモンナーレ其の陸 (4) ボケモンナーレ其の陸 (5)
車で展示会場の岡崎公園多目的広場へ行く。〈ペンタルム・ルミナリウム〉は、アラン・パーキンソンが設立したアーキテクツ・オブ・エアーの作品。拠点であるノッティンガムを皮切りにジュネーヴ、アントウェルペン、アヌシー、リュムバン、ミルトンキーンズ、サンホセ、キルケニー、ボストン、オースティン…とあちらこちらで展示されて、そして日本へ初めてやってきた。要は、ドサ回りの見世物小屋である。日ごとに空気で膨らませる脆弱な見世物小屋なので、台風接近で展示中止になったり強風で打ち切りになったりもしたらしい。訪ねた時は整理券にも入場にも列はなかったので、芝生から生えたパビリオンみたいな外観を眺めてからスグ、作品の中へ入る。太陽光の透過が効いていて、幻想っぽいけれど神秘っぽくはない、そこが面白い美しさだ。美術展全体のテーマ「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」は毒にも薬にもならない散漫なものだが、この〈ペンタルム・ルミナリウム〉こそがテーマに最も沿った展示。
 ボケモンナーレ其の陸 (6) ボケモンナーレ其の陸 (7) ボケモンナーレ其の陸 (8)
 
 《現代アートの祭典、あいちトリエンナーレが、名古屋など愛知県の三都市
  で開かれている。三回目を迎え、その最大の魅力としている“街なかミュー
  ジアム”が広範に根づくか。正念場にもなる。(略) 都市型では横浜トリエ
  ンナーレ(〇一年から)が先輩格だが、今秋から、さいたまトリエンナーレ
  (テーマ「未来の発見!」、十二月十一日まで)、茨城県北芸術祭(「海か、
  山か、芸術か?」、十一月二十日まで)なども開かれ、芸術祭は地域振興
  型も含めてそれぞれの真価が問われる。国内最大級の規模と目される、
  「あいち」の最大の個性は、街中を、丸ごと美術館や博物館に見立てた市
  民参加型の取り組みだ。それを一過性に終わらせぬためには十月二十
  三日までの会期中、市民側の盛り上がりも試される。「創造」のキャラヴァ
  ン(隊商)の乗組員は、街なかでアートを楽しむ人々でもあるのだから。》
  (「トリエンナーレ 創造の旅に加わろう」/『中日新聞』 社説 2016年9月
  29日)
 
クダラナイ社説だ。《正念場にもなる》とか《真価が問われる》とかで主催側を諌めているのか、《創造の旅に加わろう》とか《盛り上がりも試される》とかで市民側を煽っているのか、どっちを向いて物申しているのかわからない半端で蒙昧な社説に貸すべき耳などない。《アートを楽しむ人々》に対して《広範に根づく》とか《一過性に終わらせぬ》とかいう課題を被けるような低劣な言辞は、芸術祭や美術展の真価を遠ざけるだけ。地元の呆けた新聞社から惚けた社説を吐かれる「あいちトリエンナーレ2016」、やっぱり「ボケモンナーレ」じゃないのか?
 
 ボケモンナーレ其の陸 (9) ボケモンナーレ其の陸 (10)
いずれにしても、私の国際展普通チケットは会場ごとの押印欄が全て埋まった。開催に反対して謗ったままスタンプラリー感覚で観てみた私の「あいちトリエンナーレ2016」巡りは、コレで終結。想い返して一番好かった展示作品は、ラウラ・リマの〈Fuga〉。その〈Fuga〉は《約百羽の小鳥のうち二十五羽ほどが死んだり、屋外に逃げ出したりした》(『中日新聞』 2016年10月14日)らしい…やっぱり、‘全くダークで暗い未来’の「ボケモンナーレ」だった。
 
コメント (0) /  トラックバック (0)

コメント

この記事にコメントする

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://kisanjin.blog73.fc2.com/tb.php/964-6b8c7d6d
編集

kisanjin

Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
Powered by / © Copyright 帰山人の珈琲漫考 all rights reserved. / Template by IkemenHaizin