私は世界でコーヒーが変わることをしった。

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2016 [2016年10月09日 05時00分]
名古屋の独立行政法人国際協力機構中部国際センターで開かれるコーヒー催事へ向かう。いや、その前に開業45周年を迎えるエスカ地下街で営み続けている「喫茶 リッチ」で昼飯。催事では名古屋の喫茶文化も拾いあげられるようなので、ここは鉄板ナポリタンだ!
 私は世界でコーヒーが変わることをしった (1)
 《創業は一九七一(昭和四六)年。店の移り変わりが多いエスカ店舗の中
  で、開業から残る五店のうちの一つだ。他の四店は「きしめん亭」や「や
  ぶ福」といった麵系飲食店の中、喫茶店として気を吐く。(略)この店の
  人気メニューは「鉄板ナポリタン」(九八〇円)で…(中略)「…スパゲッティ
  はボルカノの二・二ミリのもの。ケチャップはデルモンテに限る。他のメー
  カーではこの味は出せない」と林さんは胸を張り、「年配のお客さんから
  『味よし、申し分なし』とハガキをいただいたこともあるわよ」と笑う。》
  (高井尚之 『カフェと日本人』 講談社:刊 2014年)
「リッチ」も登場する『カフェと日本人』の「第三章 なぜ名古屋人は喫茶好きなのか」を読み返しながら、鉄板ナポリタンを食べる。周囲の店では味噌カツやあんかけスパやきしめんを目当てにした客が長蛇の列、それを好い空き具合の「リッチ」の喫煙席から眺めながらタバコをゆっくり喫して…さぁ、行こう!
 
2016年10月8日
「コーヒーの変遷」 第48回コーヒーサロン in 名古屋 (JICA中部 なごや地球ひろば)
 主催: コーヒーサロン 日本サステイナブルコーヒー協会
 協力: JICA コーヒーアミーゴス中部
 
 私は世界でコーヒーが変わることをしった (2) 私は世界でコーヒーが変わることをしった (3)
早めに着いた会場でコーヒーを喫しながら、続々と集まる友人や顔見知りの参加者と歓談して待機。《時代の流れに何度も大きく変化してきた「コーヒー」、この移り変わりを各分野のエキスパートに語ってもらい、参加者みんなでコーヒーを考えましょう》…だが、予定されていた講演者3名のうち池本幸生氏(東京大学東洋文化研究所)が欠席となり、「ベトナムは世界第二位のコーヒー生産国になり産地はどの様に変わったか」を聴講できないのは残念。ホセ(川島良彰氏)の挨拶で4部構成の催事「コーヒーの変遷」が開会。(以下は、興味深く面白いところの私的メモ)
 
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1.中部地方の喫茶文化 (松下和義/聞き手:大西文明)
昔の松屋コーヒーと若かりし頃の松下さんの写真。 代用コーヒーは昭和35(1960)年くらいまであった。 名古屋の焙煎業者は値段勝負で売りっ放しの東京や大阪とは違って喫茶店と密なつきあい。
 
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2.ルワンダコーヒーの課題と日本の支援 (川島良彰)
キガリのブルボンコーヒーで一番売れるのはジュース。 水路の幅問題…ベルギー人/ケニア人に教えてもらった。 ポテト臭の課題…産物である除虫菊の殺虫剤でアンテスティア(Antestiopsis)を退治。 有名無実の品質規格を見直す(by石脇智広)。 国内需要の喚起…キガリにパイロットショップを。
 
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3.産地から見たコーヒーの変遷 (川島良彰)
生産コストの上昇…低地での大量生産か高地でのスペシャルティしか生き残れない? 情報と移動の高速化…収穫労働者不足が深刻(コロンビアで3割摘み残し)。 都市化や観光化で農地が宅地へ(コスタリカ・グァテマラ・パナマの例)。 品評会・オークション…韓国・中国・台湾・シンガポール・マレーシア等のアジアが買い漁り/品質低下(あの1位のコーヒーって俺らが最低にランクしたものなんだよね)。 サビ病耐性人工交配種の増加…高地でも植え替え。 早くいい加減なゲイシャブームが去ってくれないかな。 un-aerobic(アナエロビック)方式/除湿型乾燥機/ハウス4段アフリカンベッド/過熱しない脱殻。
 
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4.パネルディスカッション
参加者との質疑応答が主。私も質疑。生豆卸業者と結託して名古屋喫茶事業協同組合へ生豆を供給しない取り決めで中部日本コーヒー商工組合が独禁法違反の審決を公取から下された1978年の事件を例に、中部地方のコーヒー業界の特性を松下さんに問う(笑)。「ハニープロセスの段階で味の差を感じない」としたホセの発表に敢えて反論し、「ミュシレージの除去率を示して段階の差を商売にすることはナンセンス」という主旨を引き出す(笑)。ノーベル平和賞の受賞を前日に報じられたコロンビアのサントス大統領がFNC代理人としてICOに勤務した経歴を示したが、コロンビアに関する政治感の論争にホセとなりかけたので打ち切る(笑)。
 
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第48回コーヒーサロン「コーヒーの変遷」の閉会後、階下の「クロスロード」へ移って親睦会に参加する。松下和義・樋口精一・川島良彰・中川正志・長屋幸代の各氏と同じテーブルを囲んで、ビールやワインを飲みながら談論風発。散会後、隣の「ストリングスホテル名古屋」のラウンジへ十数人が流れて、スコッチウィスキーを飲みながら侃侃諤諤。さらに、川島良彰氏と樋口精一氏と岩山隆司氏との4人で錦の「YOYO」へ流れて、国産ウィスキーを飲みながら横説竪説。コーヒー論議で大いに盛り上がってから別れて、その余韻を味わいながら…さぁ、帰ろう!
 
今般の催事「コーヒーの変遷」において私が刮眼すべきと捉えた点は、オーストラリアのNPO団体‘The Climate Institute’の説を《熱帯でのコーヒー生産に影響が生じてくるのは2050年以降からとみており、2050年頃には生産量が現在の約半分に落ち込み、最終的には2080年頃までにコーヒーは完全に絶滅する可能性が強いとしている》とホセが取り上げたこと。この説は実際にはフェアトレード団体の依頼によるコーリー・ワッツの著述であり、2080年頃までに《完全に絶滅する可能性が強い》のは「野生のコーヒー」とされている。だが、団体の説の精度や恣意的背景はさておいても、コーヒーハンターホセ川島が取り上げるほどにコーヒーをとりまく自然環境は実際に変わってきているのだ。ホセは以前に『私はコーヒーで世界を変えることにした。』を著したが、今般の聴講と談議によって別のことも明らかになった──私は世界でコーヒーが変わることをしった。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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