蕎麦に居るね 26

ジャンル:グルメ / テーマ:うどん・そば / カテゴリ:食の記 [2016年10月04日 23時30分]
斑尾高原でのトレラン大会に参加、その前後に蕎麦を食すること、今秋は四演。
 
2016年10月1日
 
「そば処 うえだ」で蕎麦を食す。
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「ざるそば」(850円)
約1年ぶりの訪店。聞けば、朝まで雨が降り晴天になったのは半時間前、どうりで空いているわけだ。今般も望んでテラス席。注文した蕎麦がきた…ん? 箸が無い(というよりも、雨天で箸箱を出してなかった:笑)。箸を取って美しく細打ちされた麺を啜ると、今般は甘みが薄いが香りが引き立って旨い。辛汁は角張った口当たりが減じ、甘味が僅かに強い感じ。一口二口と啜りこむと蕎麦と汁が一体に成れ、次第に箸が止まらなくなる。相変わらず臭みのない蕎麦湯も旨い。黒姫高原から見る野尻湖や斑尾山の明媚のように、やはり「うえだ」の蕎麦は‘野趣’よりも‘洗練’の調和へ研いでいる趣が好い。「ごちそうさま」と店を出る頃、ほぼ満席になっていた。
 
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高原を車で下る途中に「まつき」でブルーベリーソフトクリームをソース付きで食べてから、妙高高原駅の前の蕎麦屋へと向かうもフラれた。ならば、と関川の関所へ車を走らせて「道の歴史館」の駐車場に停め、関川の沿道に下りて約5年前にトレラン大会で走ったことを想い返しながら散策。
 
「そば処 せきがわ」で蕎麦を食す。
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「天ざるそば」(1200円)
関川の関所「道の歴史館」の隣にある蕎麦屋を初訪。ガランとした座敷に客は私1人。「天ざるそば」を注文して待つと、まず瑞々しいキュウリのサービス。次にざるそばと天ぷらが運ばれてきた。麺は二八のようだが香りも味もマズマズ、麺の上の海苔はジャマ、辛汁は市販の麺つゆのような感じ。野菜と茸の天ぷら盛り合わせは好い味。天ぷらのかけらを蕎麦猪口に放り込んで蕎麦湯を加えて飲めば、臭みなくフツー旨い。店の立地や構えから、てっきり背伸びして上品ぶったモノが出てくることを勘繰ったが、好い意味で懼れは外れた。つまり、この一帯に多い食事蕎麦の一つとして、平凡だが合格の味。
 
2016年10月2日
 
「上信越自動車道 小布施パーキングエリア 上り線 スナックコーナー」で蕎麦を食す。
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「二八そば(冷)」(650円)
トレラン大会後の帰途に「道の駅 ふるさと豊田」を覘くも、蕎麦の売り切れでフラれること前年に同様。では、と小布施PAのスナックコーナーに寄って蕎麦を遅い昼飯にすること前年に同様。…ん? 何か変わった? 前年に食べた温かい「たぬき山菜そば」がとても好い味だったので、謳いの‘二八’をさらに味わおうと冷たいざるそばにしたが、やや感動が薄い。いや、他所のSA・PAで食べた蕎麦よりもズッと良いことは前年に同様。だが、蕎麦の麺の風味がやや薄く感じて、駄蕎麦の中で上等といったところか。それでもイイのだが…。
 
「長野自動車道 みどり湖パーキングエリア 上り線 白樺亭」で蕎麦を食す。
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「すんきそば」(600円)
高速道路を進むうちに日暮れて、みどり湖PAのスナックコーナー「白樺亭」に寄って蕎麦を晩飯にすること前年に同様。…ん? 《木曽名物すんき漬と舞茸の天ぷらをトッピング》とは妙な組み合わせだな。ズルズル。舞茸の天ぷらは良いが、どうも無塩乳酸発酵の‘すんき’を穏やかにしようと野沢菜醤油漬けと混ぜているらしい。いや、駄蕎麦の中では上等の味。だが、木曽開田一帯で食べられる正真のすんきそばは厳寒期のモノであり、この蕎麦をキッパリ「すんきそば」と言われるとなぁ。名付けはともかく、また食べてもイイのだが…。
 
【余聞ごと】
 蕎麦に居るね26 (11)
えちごトキめき鉄道に移管された妙高高原駅の前へ約2年ぶりに行ったところ、隣り合う2軒の蕎麦屋、向かって右の「きくや高原そば」は建物が無くなって更地になり、左隣りの「加藤そば屋」は看板が無くなって閉店していた。「加藤」の店前には《満七十三歳 葬儀告別式九月二十九日》の‘忌中札’…故人は店主だろうか。「加藤」について、写真家の北島敬三氏はこう記す。
 
 《私と「加藤」とのつきあいは古い。私が小学生だった頃、妙高高原駅がま
  だ田口駅と呼ばれていた頃からで、四十年近くにもなる。驚くべきことに、
  その頃からメニューも店構えもほとんど変わっていない。入り口がアルミ
  サッシになり、木製の壁掛けメニューの値段のところが上書きされている
  くらいである。壁に掛けられた霊峰妙高の写真や絵は、四十年前から同
  じままである。メニューも、「もりそば、かけそば、天ぷらそば、かけうどん、
  天ぷらうどん、日本酒、ビール、丼もの少々」だけでこれも変わらない。
  (略)「もりそば」は、文字どおりどんぶりに山盛りにされてくる。地粉を使
  った太目の麺で、歯ごたえ、香り、喉ごしともに申し分ない。(略)昼時に
  は、地元の蕎麦好きたちが、仕事の合間にぬる燗一本ともり一杯をうま
  そうにすすっている。私も、「加藤」に行ったらそうする。たぶん、蕎麦通
  に受けないが、蕎麦好きは満足するだろう。いつ頃からだったか、「加藤」
  のすぐ隣に「高原蕎麦」という本格的な店ができた。そちらは混んでいる
  がしかし、くれぐれも間違わないように。》 (北島敬三 「どんぶりもりとぬ
  る燗」/『蕎麦処 山下庵』 山下洋輔:編著 小学館:刊 2009年)
 
「きくや」は昨2015年8月末に、「加藤」は本2016年7月末に、閉業していたことを帰宅後に知った。《くれぐれも間違わないように》と言われても、もう2軒共に店も蕎麦も失われた。たぶん、蕎麦通に響かないが、蕎麦好きは悲しむだろう。残念だ。
 
新ソバの時季にはやや早かったが、爽やかな秋の香りを感じた蕎麦巡り四演。好い蕎麦屋は、蕎麦好きの傍(かたわ)らに存在する。「信州信濃の新ソバよりも あたしゃあなたの傍(そば)がよい」
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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