子ども珈琲電話相談

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2016 [2016年08月01日 01時00分]
「夏休み子ども珈琲電話相談」は、小中学生のみなさんの珈琲に対する疑問や興味にこたえる番組です。りっぱな(?)質問でなくてもかまいません。ふと、頭に浮かんだ謎、素朴な質問でも大丈夫です。ぜひ、夏休み中のお子さんとご一緒にお楽しみください。
 夏休み子ども珈琲電話相談
 
【難敵】
「お名前と学年を教えてください」 「里辺(りべ)利香(りか)です。小学4年生です」 「利香さんの質問はどういうことですか」 「えっと、なぜ大人は苦くて不味いコーヒーを飲むのですか?」 「はい。利香さんはコーヒー飲んだことありますか」 「あります」 「どんな味がしましたか」 「甘酸っぱいです」 「えっ? 甘酸っぱい…コーヒーに何か入れて飲んだのかな」 「えっと、何も入れないでそのままです。私はカップ・オブ・エクセレンスの豆を自分で毎日ポップコーンメーカーで煎って3日置いたコーヒーをエアロプレスで淹れて飲んでます」 「すごいですね。では、岩脇先生に訊きますね」 「岩脇です。利香さんは喫茶店でコーヒーを飲んだことありますか」 「一度飲んだけど、不味くて飲めませんでした」 「う~ん。これはね、難しい問題ですね。利香さんはどれくらいまで煎っているのかな」 「だいたいシティローストくらいです」 「うんと深煎りにしたことはありますか」 「あるけど、苦くて飲めませんでした」 「その苦いコーヒーを誰かに飲んでもらいましたか」 「おじいちゃん」 「おじいちゃんは何と言ってましたか」 「深煎りした方が苦くて美味しい、って言ってました。甘酸っぱいのはコーヒーじゃない、って…」 「そう。でも利香さんは甘酸っぱいフルーツジュースみたいな香りや味がする方が好きなんだよね」 「はい」 「つまり、人それぞれってことですね。あのね、利香さんが大人になっても苦いコーヒーを不味いと思うなら、それは大人がみんな苦くて不味いコーヒーを好きなわけじゃない、ってことになりますよね。逆に、利香さんのような小学生でも、深煎りの苦いコーヒーを好きな人もいるかもしれないしね。わかりますか」 「えっと、はい…」 「じゃ、さよなら~」 「さよなら…」
 
【瞬殺】
「お名前と学年を教えてください」 「粕柄(かすから)貴志流(きしる)です。小学2年生です」 「訊きたいことはどういうことかな」 「えっと、コーヒーを炭火で焙煎すると豆の芯から火が通るというのは本当ですか?」 「はい。貴志流くんは炭火で焼いたコーヒーが好きなのかな」 「嫌いです」 「えっ?」 「えっと、どうしても嫌いじゃないんだけれどぉ、炭火だからって特に美味しくありません」 「は、はい。では、田部先生に訊きますね」 「田部です。貴志流くんは炭火で焙煎すると豆の芯から火が通ると思いますか」 「わかりません」 「火は芯から通りません。ウソです。わかりましたか」 「えっと、はい…」 「じゃ、さよなら~」 「さよなら…」
 
【拒絶】
「お名前と学年を教えてください」 「牧(まき)根太(ねた)です。中学1年生です」 「質問はどういうことかな」 「えっと、人類にとってコーヒーとはなんですか?」 「はい。根太くんはどうしてこの疑問を思いついたのですか」 「コーヒーの科学の本を読んでいたら、『あなたにとってコーヒーとはなんですか』という質問がありました。それは人それぞれかもしれないけれど、人類全体にとってコーヒーとはなんだろうか、と疑問に思いました」 「なかなか難しそうな問題ですね。では、平瀬先生に訊きますね」 「えっ? 岩脇先生か田部先生で…」 「根太くんの質問は、自称コーヒー博士の平瀬先生がお答えします」 「我が輩がコーヒー博士の平瀬じゃ。根太くんはコーヒー好きかね」 「さよなら…」 「あっ、根太くん、根太く~ん」 (ツーッ、ツーッ…) 「え~と、切れましたね。さぁ、今日もたくさんの質問ありがとうございました」
 
お楽しみいただけましたか? 《子供達が毎日を楽しく生きているかどうか。それが平和かどうかということです》(『新・無名人語録 死ぬまでボケない智恵』 飛鳥新社:刊)と永六輔氏は記し遺しました。でも、毎日を珈琲に生きているかどうか、そこに子どもか大人かは関係ありませんし、平和かどうかも関係ありません。夏休みも珈琲に生きるだけです。
 
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コメント

kokumarou URL [2016年08月03日 19時55分]

帰山人さん、子供じゃないのですが僕も電話相談をお願いしたいです・・

質問は、焙煎するときの天候についてなのですが、梅雨から夏の終りくらいまでの時期で、雨が降っている時と、晴れて暑い日とでは、出来上がりのコーヒーにずい分差があるような気がします。
雨の日は焙煎直後で豆から甘い焼いたような香りがします。焙煎中の煙は少なめで、髪や服にも焙煎臭があまりつきません。
暑い日だと、豆からの香りはほとんどなく、煙は多く、服や部屋に焦げた匂いが強く残ります。
コーヒーの味は雨の日のものは濃厚で苦味寄りで軽さがあって、暑い日のものは濃さが出にくく、味は酸味寄りで、少し重たくもあります。
焙煎時間や焼き加減や投入量とか火力や排気は、目に見える範囲では雨も晴れもだいたい同じになっているのですが、暑い日に焼いたものがあんまり好みではないので、どうにか対処できないか考えています。
あと、できればぼくも、田部先生か、岩脇さんでお願いしたいのですが・・

to:kokumarouさん
帰山人 URL [2016年08月04日 00時44分]

私の経験と推論でお答えします。示された時季に限らず、焙煎時の晴雨や寒暑によって、焙煎中の匂いや煙(の出方や量や色)に差があること、また、焙煎したコーヒー豆の質感や匂い(の経時変化の緩急)や抽出したコーヒー液の香味にも違いがあること、それは私も捉えています。雨の日に焼いたものは(私は軽いとは思いませんが)香味が強く濃く出る感じがしますが、4~5日以上の経時変化は(良くも悪くも)激しく感じます。しかしそれは、焙煎する直前(投入時)と直後(冷却時)の豆の状態と(観念的な意味ではなくて科学的な意味での)雰囲気が、晴雨や寒暑によって異なるからだろう、と捉えています。釜であれ網であれ、焙煎中の豆の雰囲気条件が決定的に影響するものとは考えていません。したがって、《どうにか対処できないか》については、晴雨や寒暑によって全く影響を受けない空間で、「事前から生豆を保存し、焙煎機を作動させ、予熱も焙煎も冷却も行い、焙煎豆を保管して、それを抽出して喫飲する」ことの全てを実施するしかありません。つまり、厳密に対処することはほぼ不可能である、と諦めています。色気が無い回答で恐縮ですが、差は認めるが、その因子がどうして質感や香味の差になるのか機序が不明だけれども、そこに物理的かつ化学的な原因以外は認めない、と捉えています。

kokumarou URL [2016年08月05日 00時46分]

帰山人さん
ありがとうございました。
お水やお湯で洗ってから焙煎した時も
抽出液が濃く感じますが、経時変化も激しく、雨の日の珈琲と似ているような気もします。釜に投入する前にだいたいのことは決まっていそうですが、自分の環境下ではどうしたらどうなりやすいのか、もう少し考えていろいろ試してみます。
いつも勉強になります。ありがとうございました。

to2:kokumarouさん
帰山人 URL [2016年08月05日 21時58分]

以前とは異なる現象を捉えた時、その捉えた差が何に由来するものかを考察すること、その差を極力小さくするためには何を変化させるべきなのかを検証すること…コーヒーの焙煎は倦まず弛まずですね(笑)

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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