蕎麦に居るね 24

ジャンル:グルメ / テーマ:蕎麦 / カテゴリ:食の記 [2016年05月05日 23時30分]
蕎麦を食した春の遊歴、その憶え。
 
啓蟄の末候に。
2016年3月15日、「つけ蕎麦 BONSAI」にて、「ごまだれ鶏つけ蕎麦」を食す。
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ラーメンから派生した「つけ麺」とかいうもの、これをリスペクトしたのか、これにインスパイアされたのか、要はパクった蕎麦版「つけ蕎麦」とやらが近来に勃興している。そもそも蕎麦切りは汁につけて食べるものだったのであり、今さら「つけ蕎麦」などと名付けられても、まるで「サードウェイブコーヒー」のように本末転倒にして軽佻浮薄の感は拭えない。 ともあれ、他用で三多摩へ出掛けたので、立川駅南口近くの「BONSAI」(ボンサイ)を初訪、「ごまだれ鶏つけ蕎麦」(並/冷/780円)を昼食に摂る。《たっぷりの白ごまと豆乳を使ったクリーミーなつゆにすりたての生姜を加えてすっきり仕上げています。クルミの食感が良いアクセントで、美容健康にとても良いです》という謳い。…ズルズル。《すっきり》というよりも「スパイシーでしょっぱくて強烈な味」のつけ汁に、思わずのけ反る。ええい、《ブラックペッパー、山椒、コリアンダー、パプリカなど9種類》を混ぜた特製スパイスをぶっこむ…「蕎麦の香料諸島や~」(意味不明:笑)。ソバ臭さが効いている硬めの麺は太打ち、いや‘中太ストレート麺’といった方がイイ? 「BONSAI」のつけ蕎麦、面白い味で意外と好かった…邪道のゲテモノとしてだが。
 
清明の末候に。
2016年4月19日、「駅そば 千成」にて、「若竹そば」を食す。
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名古屋駅のタワーズ通りにある立ち食い系の蕎麦屋は、「みたて」から「晨光庵」へ、そして2010年2月より「千成」へ二転三転、いや七転八起、もとい七転八倒している。 どの店の時も何度か食べているが、いずれもやりたいことが滑っているというか、材質を活かした仕立てが通じていない感じは拭えなかった。 ともあれ、他用で名古屋駅を通りかかったので、久しぶりに「千成」を訪ねて、「若竹そば」(冷/600円)を昼食に摂る。《シャキシャキとした食感の筍とワカメが出会った春を感じるおそばをどうぞ》という謳い。…ズルズル。筍もワカメも美味しくないなぁ。ええい、わさびを汁に溶いて…ありゃ、ますます粉っぽくなっちゃった。相変わらず惜しいなぁ。‘駅そば’や‘立ち食い蕎麦’としては、麺も汁もまずまずの水準にあるのだが、季節ものとかイロモノで滑る体質(?)は変わっていない。忘れた頃に気が向いたならば、また寄ってみよう…か、どうしようか迷うだろうなぁ(笑)。
 
穀雨の末候に。
2016年4月29日、「東京庵」(豊橋 本店)にて、「手打水車ざる」を食す。
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東三河の豊橋界隈で麺類といえば「うどん」であり、それも「にかけうどん」である。この‘にかけ’うどんの由来は、「(お)にかけ蕎麦」の由来とも異なるようだが、どちらも謎のまま。また、2010年4月以後の豊橋では、新ご当地グルメ(?)の「豊橋カレーうどん」が幅を利かせている。豊橋界隈の麺類店3大勢力(勢川/東京庵/信洲庵)の多くの店でも「豊橋カレーうどん」を売っている。だが、ここに《当店では豊橋カレーうどんは取り扱っておりません。なお、当店自慢のカレーうどんはご用意しております》と正しき反抗を敢然と掲げる店がある…豊橋唯一の蕎麦処(?)「東京庵」の本店である。 ともあれ、他用で豊橋へ出掛けたので、1884年創業の老舗「東京庵」本店を初訪、「手打水車ざる」(1000円)を昼食に摂る。…何じゃコリャ! うずらの卵がデフォルト(標準装備)であることは了解、だが、薬味が葱と練り山葵と生山葵と大根おろしともみじおろしと生大根で、かき揚げ天ぷらも添えられている。二段分が皿盛りの麺はいわゆる田舎蕎麦、かなり黒い。…ズルズル。麺は、香りが薄いのに味が濃い。これが、かなり甘い笊汁に合う。薬味を駆使して、蕎麦の味わい七変化、いや千変万化? 食事の蕎麦としてスバラシイ!
 
立夏の前日に。
2016年5月4日、自宅にて、「節分五色つけ蕎麦」と蕎麦菓子を食す。
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 《せつぶんそば 【節分蕎麦】 節分は季節の移り変わりの境目で立春、立夏、
  立秋、立冬の前日すべてが節分だが、一般的には立春の前日を指している。
  この日、清めのそばを食べて晴々しく立春を迎える。本来はこの節分そばを
  「年越しそば」といい、「大晦日そば」と区別される。》
  (新島繁 『蕎麦の事典』 柴田書店)
立夏前日に節分蕎麦を食べることは《一般的》ではない。それでも食べるとすれば特殊な蕎麦にしよう。作るしかないな。扁桃と白胡麻と仙台味噌と砂糖と味醂と白だしを擂り混ぜて、豆乳でのばしたクリーミーなつけ汁を作る。上巳の節句とは季が違うが、翌日は新暦で端午の節句でもあるので、節句つながりで「雛蕎麦」を真似て田靡製麺の乾麺「五色そば」を茹でる。油揚げとエノキ茸と茄子とパプリカを焼いて、サニーレタスと共に具とする。つまり、「扁桃胡麻味噌豆乳汁の節分五色つけ蕎麦」だ。…ズルズル。ウマい。食後のデザートは、湖北えぇもんづくり本舗の「蕎麦餅」(小豆/栗)と「蕎麦最中」だ。ウマい。春の蕎麦の遊歴を祝って締める。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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