JCS漂歩記 後篇

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2015 [2015年12月16日 01時00分]
コーヒー小説の傑作『可否道』を著した獅子文六は、1969年12月13日に死んだ。その46年後の2015年12月13日、鳥目散帰山人は、東京を漂い歩く…コーヒーの「可」とするところと「否」とするところ、コーヒーの可否を考えながら。
 
【JCS年次集会翌日】 2015年12月13日
 
 JCS漂歩記 (21)
「café Bach」(カフェ・バッハ)
宿「ほていや」の部屋でコーヒーを淹れて喫した後、宿を出て、徒歩3秒で入店。バタートーストにおまかせコーヒーはマンデリン(タノバタック)。深煎りでも苦味と共に酸味が出ていて、トーストとの相性も好い。但し、近年のカフェ・バッハでは良品の豆ほどやや焙煎が浅くなる傾向を感じるが、今般は顕著。タバコを喫しながら新聞を読んで、ふと顔を上げるとほぼ満席。予約していたシュトレンに昔風りんごのケーキが土産に加わって、ママ(田口文子氏)に見送られる。
 
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「TOKYO COFFEE FESTIVAL 2015 winter」 (国連大学前広場)
銀座の画廊で美術展を観た後に、青山で催されているTCF(TOKYO COFFEE FESTIVAL)へ。2015年9月の第1回に続く2回目の開催、私は初訪。雨が降りしきっても大盛況。少量カップで5店舗のコーヒーを飲み比べる5枚綴りのチケット(1000円)を買って、人混みに突入。「And Coffee Roasters」でケニア、「GLITCH COFFEE&ROASTARS」でケニア、「Single Origin Roasters」でホンジュラス、「REC COFFEE」でクリスマスブレンド、「Paul Bassett」でルワンダを飲む。いずれも煎りが浅いことは予想通りだが、ほとんどが生焼け。コレを美味い美味いと燥いでいる連中の気が知れない、いや、舌と鼻が知れない。私は巡っているうちにムカムカして胸やけが酷くなってきたが、コーヒーの「否」とするところでも、その実相を捉えるためには犠牲がつきものだ。JCS(日本コーヒー文化学会)がコーヒー界の老人クラブならば、TCFはコーヒー界の学童保育みたいなものだろうか?
 
 JCS漂歩記 (26)
「Gentle Belief」(ジェントル・ビリーフ)
TCFから撤退して、「ジェントル・ビリーフ」までフラフラと歩く。カウンターに突っ伏したまま、「うぅ気持ち悪いよ~、口直しに濃いイタリアンブレンドちょうだい」。浅野嘉之氏と焙煎論やら抽出論やら社会論やら、一昨日に続いてコーヒー談議を延延。「バセットのルワンダさえ浅煎りの生焼けで…」と愚痴る私に出された2杯目はルワンダ…や、コレなら好い。気分が回復して、さらに饒舌に(笑)。
 
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「A MUSIC ABOUT COFFEE」 (WIRED TOKYO 1999/QFRONT 7F)
日暮れた渋谷駅前のスクランブル交差点を見下ろして、向かいのQFRONTへ。前日より劇場公開され始めた映画「A FILM ABOUT COFFEE」とのタイアップ企画「A MUSIC ABOUT COFFEE」、その終盤の畠山美由紀氏と小池龍平氏によるライブを聴く。ま、コーヒー音楽CD「Coffee & Music -Drip for Smile-」のプロモ催事みたいなものだナ。セットリストの最後は堀内隆志氏(カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ)が作詞した「Drip for Smile」。大坊勝次氏のコーヒー豆(限定5袋)販売の抽選会で催事は終了。前日のJCS年次集会で右隣の浅野さんに問われて(左隣に大坊勝次氏本人を置いて)「大坊さんをカーネル・サンダースの置物みたいに消耗する最近の動向は気にいらないね」と私が答えたことを思い出して笑う。
 
 JCS漂歩記 (31) JCS漂歩記 (32)
「本家 しぶそば」の温かい「かき揚げそば」で腹ふさぎ…ん?搬入される麺箱から察するに‘あさひや製麺所’の麺か。かき揚げの乾いたところと浸ったところを交互に食べながら、今日のコーヒーの「可」とするところと「否」とするところを考える。さぁ、新幹線の中で崎陽軒のシウマイ弁当でも食べながら帰ろう。帰宅後、コーヒーを淹れて、早速にカフェ・バッハのりんごケーキとシュトレンを「ウマイウマイ」と味わいながら、東京でコーヒーを求めて漂い歩いた3日間を想う…人生も楽じゃないしコーヒーも楽じゃないが、雨が降ろうが風が吹こうがコーヒーの真実を追って、コーヒーの可否を考えることは楽しい。‘Café o Muerte!’
 
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コメント

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浅野嘉之 URL [2015年12月17日 19時48分]

先日はありがとうございました

しかしちょうど取材の真最中でのご来店
照れくさくて少々ご迷惑おかけしました
なんだか今頃「お店オープンしました」という企画のようです
3年ぐらいはその範疇だそうです
しかしいつも帰山人さんとのお話は刺激的です
横でこっそり聞いている泰くんは
非常に勉強になっていることでしょう

来年は少し変化がありそうです
そのあたりまた分科会のときにお話しいたします
これからもいろいろよろしくお願いします

to:浅野嘉之さん
帰山人 URL [2015年12月17日 20時14分]

《いつも帰山人さんとのお話は刺激的です》…恐悚にして汗顔の至り。思惟を話そうとしても恣意を喋ってしまうんです。泰圓澄氏には「聞いてもイイけど、さっさと淹れてくれ」とお伝えください(笑)

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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