驕って悩んで

ジャンル:映画 / テーマ:映画感想 / カテゴリ:観の記:映面 [2015年11月24日 01時30分]
「アンクルから来た男」を映画としてリブートしたらしいが、ナポレオン・ソロといえばやっぱりロバート・ヴォーンだ…などと言うつもりもない。私にとってのロバート・ヴォーンは、コロンボに鼻歌混じりで「ダンジガーさ~ん」と追い詰められたり(「刑事コロンボ/歌声の消えた海」)、再び犯人役で登場したかと思えば途中で殺されたり(「刑事コロンボ/さらば提督」)する人である。
 
 《NHKがカット版で放送している「権力と陰謀~大統領の密室」のおかげで、日曜
  の夜が動けない。原作の「ザ・カンパニー」については、雑誌「野生時代」にアー
  リックマンとノーマン・メイラーの対談がのっていて、これがとても愉快なのだが、
  「ザ・カンパニー」そのものは、テレビ向きではない。そこで、現実のウォーター
  ゲート事件を大胆にとり入れて、内容をふくらませ、ジェースン・ロバーズ(R・モ
  ンクトン大統領)が熱演している。部下のフラハティに扮するロバート・ボーンも
  珍しく好演。「ナポレオン・ソロ」より、この方が、ずっと、柄に合っている。》
  (小林信彦 『地獄の観光船 コラム101』/集英社:刊 1981年)
 驕って悩んで (1)
小林信彦の言う通り! 1978年にNHKで放映された「権力と陰謀~大統領の密室」は面白かった。「0011ナポレオン・ソロ」(The Man from U.N.C.L.E./全105話)のテーマ曲は思い出せないが、「権力と陰謀~大統領の密室」(Washington: Behind Closed Doors/全6話)の曲は今でもハッキリと覚えている。そして、ロバート・ヴォーンが《珍しく好演。「ナポレオン・ソロ」より、この方が、ずっと、柄に合っている》ことも今でもハッキリと覚えている。で、リブート作品のナポレオン・ソロがトム・クルーズじゃあなぁ…え? 変わった? じゃ、観よう!
 
『コードネーム U.N.C.L.E.』(The Man from U.N.C.L.E.) 観賞後記
 
 驕って悩んで (2) 驕って悩んで (3)
 《…監督は、『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー(マドンナの元ダン
  ナ!)。だから、まさに『シャーロック・ホームズ』のスパイ版といった趣きで、ド派
  手なアクションあり、謎解きあり、どんでん返しあり、60年代を時代劇のように
  作り込んで再現した一種のコスチュームプレイでもあり、そして何よりバディムー
  ビーである。 スパイ映画としては、007の役割を2人で分担しているため、軽妙
  さもスリルも倍増。果たして信用できる相棒なのかという関係性が生む緊張感
  が、背骨のようにストーリーを貫いていて最後まで目が離せない。主要人物たち
  もノーブルで美しく、シリーズの序章のような話なので、早く続編が見たくなる。
  が、全米での興行成績が芳しくなかったそうだから、何とか日本で盛り上げてほ
  しいところ。》(外山真也/「共同通信」 2015年11月10日)
 
 驕って悩んで (4) 驕って悩んで (5) 驕って悩んで (6)
演者は、『マン・オブ・スティール』(2013年)のクラーク・ケント役で調子づくヘンリー・カヴィルがナポレオン・ソロ、ブルース・ウェイン役を演じる『ジャスティスリーグ モータル』が頓挫して気を病むアーミー・ハマーがイリヤ・クリヤキン。ヘンリー・カヴィルは『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年公開予定)でもスーパーマンを演じて調子づくが、同映画とその続編として作り直す『ジャスティスリーグ』のバットマンはベン・アフレックに奪われてアーミー・ハマーは気を病む。だから、『コードネーム U.N.C.L.E.』は、まさに「驕ったスーパーマン 対 悩めるバットマン」のスパイ版といった趣で、60年代をアメコミのように過剰な装飾で再現したコスチュームプレイそのものであり、そして何よりバカ映画である。スパイ映画としては、007の役割を2人で分担しているため、軽妙さもスリルも助演の女性たちの方が上回っている。ギャビー・テラー役のアリシア・ヴィキャンデルとヴィクトリア・ヴィンチグエラ役のエリザベス・デビッキ、いずれがノーブルで美しい女なのかという関係性が生む緊張感が、背骨のようにストーリーを貫いていて最後まで目が離せない。全米での興行成績が芳しくなかったそうだが、私が観た時も100席の劇場に私1人だった。
 
 驕って悩んで (7) 驕って悩んで (8) 驕って悩んで (9)
ガイ・リッチーは「シャーロック・ホームズ」シリーズに続いて『コードネーム U.N.C.L.E.』でもアメコミ映画俳優を無駄遣いする監督にほぼ決まり、といったところ。それでも、私は独りで盛り上がった。スパイ映画は、男が驕っていようが悩んでいようが、イイ女がいれば秀作なのである。
 
コメント (0) /  トラックバック (0)

コメント

この記事にコメントする

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://kisanjin.blog73.fc2.com/tb.php/861-16bcd433
編集

kisanjin

Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
Powered by / © Copyright 帰山人の珈琲漫考 all rights reserved. / Template by IkemenHaizin