マンガってやつは!

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2015 [2015年05月14日 01時00分]
「これだからマンガってやつは!」とでも言いたくなる?コーヒー本の漫画化が止まらない!
 
 《内田 単行本の場合はもちろん、雑誌連載の場合でも、連載マンガはページ数
  が決まっていますから、読んでいる時に残り何ページあるか、わかる。そういう
  全体の構成を大づかみにしてから読み始めるから、さあ、そろそろ盛り上がっ
  てくるぞ、さあ、そろそろ結末だぞ、ってわかるんです。でも、電子書籍をKindle
  で読んでいると、自分が本の全体のどこを読んでいるのかが感覚的にはわか
  らない。だから、読んではいるんですけれど、意味がわからないことがある。》
  (竹宮惠子・内田樹 『竹と樹のマンガ文化論』/小学館:刊 2014年)
 
 マンガってやつは! (1) マンガってやつは! (2)
珈琲店タレーランの事件簿』(岡崎琢磨:著)が、『牝肉の淫臭』や『秘密の腿園』で知られる峠比呂によって漫画版になった。《累計150万部突破の大人気ミステリー、コミカライズスタート!》(宝島社「このマンガがすごい!WEB」)、2015年2月19日より公開されている。コミカライズという通りに、滑稽な原作がさらに‘comicalize’(滑稽化)されている…「その謎、たいへんよく挽けました」。では、峠比呂による漫画版『珈琲店タレーランの事件簿』が《読んではいるんですけれど、意味がわからない》のは、Webで連載されているからなのか?…「全然ちがうと思います」。《脚本がしっかりしていないと、物語を制御できなくなるのです》(竹宮:『竹と樹のマンガ文化論』)という通りに、元が言痛し本だから。
 
「これだからマンガってやつは!」とでも言いたくなる?コーヒー本の漫画化が止まらない!
 
 《竹宮 私はずっと「実用マンガ」っていう言葉を止めたいと考えていました。(略)
  だから、私は「機能マンガ」と呼ぶことで、新しい定義を作ろう、と。つまり、マン
  ガって、すごく取っつきやすいでしょう。だから、マンガの機能を使いこなして、
  企業や社会に役立つ作品を作ることができますよ、と。そして、「機能マンガ」は、
  学生たちが卒業後、プロとして仕事を続けるための手段でもあります。(略)社
  会に出て、ビジネスとして正当な対価を得ながらマンガ制作を続けるための環
  境が必要だと考えたのです。》
  (竹宮惠子・内田樹 『竹と樹のマンガ文化論』/小学館:刊 2014年)
 
 《デジタル表現研究室では、これまで紙のメディアで発展してきたマンガをデジタ
  ルメディア上で再構築し、そこから新たな表現を模索することをコンセプトに指
  導を行っている。学生はコンピュータを用いて「紙の本をもとにした表現」と「紙
  の本から離れる表現」の2つのアプローチから制作を行い、メディアとアートを
  融合した作品を制作している。》 (木寺良一「デジタルコンテンツを目指したマ
  ンガ教育」/東京工芸大学芸術学部紀要『芸術世界』第18号 2012年)
 
 マンガってやつは! (3) マンガってやつは! (4)
『珈琲一杯の薬理学』(岡希太郎:著)が、東京工芸大学のAlto(作画)と木寺良一(作画指導)によって漫画版になった。技術移転機関の企業タマティーエルオーと東京工芸大学芸術学部マンガ学科デジタル表現木寺研究室との産学共同研究で、ペンタブレットを使ってネームからコンピュータで制作された機能マンガ(?)『珈琲一杯の元気』は、医薬経済社より2015年3月20日に刊行された。では、『珈琲一杯の元気』は《「紙の本をもとにした表現」と「紙の本から離れる表現」》のいずれが体現されているのであろうか?…フルデジタル制作した漫画を印刷した紙の本でのみ出版したので、すごく取っつきにくい。但し、原作の《薬理学》を漫画版では《元気》にしたことが、《すごく取っつきやすい》ので好い。恫喝本『がんになりたくなければ、ボケたくなければ、毎日コーヒーを飲みなさい。』(岡希太郎:著)ほどに書名も中身も押しつけがましくないので好い。『珈琲一杯の元気』、それが「学習マンガ」なのか「実用マンガ」なのか「機能マンガ」なのか、何と呼ぶべきか、関知しない。だが、岡希太郎(漫画の中では「岡本先生」)は、自身をコミカライズ、つまり滑稽化した方がウケるのではないだろうか。何よりも、初版ではジャケットを外した本体の背文字が…「岡」が抜けて「希太郎」だ!《次のステップでは、飲んで満足できる美味しいコーヒーに出逢って下さい》(「あとがき」)という通りに、今後もコミカライズが望ましい。
 
コーヒー本の漫画化が止まらない!…「これだからコーヒーってやつは!」と言いたくなる。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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