なんとなく、クリスタル

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2015 [2015年01月13日 01時00分]
遅ればせながら、「KEY(キー) クリスタルドリッパー」を入手した。紙箱には、《フィルターと接するダイヤ形の頂点から抽出液が流れ出し、ダイヤ形の斜面に沿って、ジグザグとゆっくりと流れ落ちることで最適な抽出スピードとなり、おいしさを引き出します》と記されている。しかし、実物の底部を見れば…(コーノやハリオの円錐形ドリッパーにある)リブが貫かれずに真円形の穴が開いているだけ…これは機能を低めた設計ミスか?と疑う。底部から抽出液が落ちていく際に、リブによる隙間が無い分だけ、滴下する引きの力が弱く、抽出液が底部に貯留してしまうのでは?…‘なんとなく、クリスタル’はダメっぽいゾ。
 なんとなく、クリスタル (1)
 
ところが、実際に「クリスタルドリッパー」で淹れてみると、コーノの名門やハリオのV60よりも、抽出液の落ちが速いような気がした。何故?本当に?…では、ドイツの某ブランドの型を借りた(?)カリタ、円錐形ドリッパーの名門である(?)コーノ(珈琲サイフオン)、それを再びパクって世界に飛びたった(?)ハリオ(HARIO)、そして、‘なんとなく、クリスタル’なキーコーヒー、このペーパードリップ型の4つで、コーヒー抽出液の落とし競争だ!
 なんとなく、クリスタル (2)
 
◎使用した用具(いずれも手元にあるもの)…カリタのコーヒードリッパー102ロト
  (陶器)、コーノの名門フィルター4人用(PCT樹脂)、ハリオのV60透過ドリッ
  パー02セラミック(陶器)、キーのクリスタルドリッパー円すい形1~4人用(ポ
  リカーボネート)。他に、紙フィルター(普段は使っていない未晒しタイプ)、ドリッ
  プポット、ビーカー、タイマー。
 なんとなく、クリスタル (3)
◎1回戦:湯通し競争1…ドリッパーにペーパーだけをセットして、摂氏で約90度
  の湯を200グラム注ぎ入れて、湯が透過する時間を計測する。濡れていない
  紙フィルターに湯を一気に注ぎ入れてから、ドリッパー底部より落下する湯が
  連続した紐状から滴状に変わって20滴ほど落ちたところまで、この間をタイ
  マーで計測した。
  カリタは22秒13、コーノは16秒25、ハリオは15秒59、
  クリスタルは13秒56だった。
  なんとなく、クリスタル (4)
◎2回戦:湯通し競争2…1回戦を終えたままの状態のドリッパーに、摂氏で約
  80度の湯を200グラム注ぎ入れて、湯が透過する時間を計測する。濡れて
  いる紙フィルターに湯を一気に注ぎ入れてから、ドリッパー底部より落下する
  湯が連続した紐状から滴状に変わって20滴ほど落ちたところまで、この間を
  タイマーで計測した。
  カリタは26秒69、コーノは18秒18、ハリオは18秒90、
  クリスタルは16秒53だった。
 なんとなく、クリスタル (5)
◎3回戦:抽出競争…挽いて粉状にしたコーヒー(普段は飲んでいないバッハブ
  レンド)を摂氏約90度の湯で湿らせて、ペーパーをセットしたドリッパーに45
  グラム入れた後、摂氏で約85度の湯を200グラム掛け回して、湯が透過し
  て抽出する時間を計測する。ほぼ平らにならした粉の上面に湯を細く注ぎ始
  めてから、注湯を途切らせないで次第に増やし(注ぎきった時点では粉の上
  面に湯溜りができている状態)、ドリッパー底部より落下する抽出液が連続し
  た紐状から滴状に変わって20滴ほど落ちたところまで、この間をタイマーで
  計測した。
  カリタは67秒50、コーノは55秒50、ハリオは52秒53、
  クリスタルは51秒75だった。
 なんとなく、クリスタル (6) なんとなく、クリスタル (7)
 
実験の結果、‘真円形の穴では底部に抽出液が貯留する’という私の予断を見事に覆し、「クリスタルドリッパー」は円錐形ドリッパーの中でも、最も落ちる時間が早く、つまり抽出液の透過が速かった。底部の穴の大きさは、ハリオ、コーノ、キー(クリスタル)の順に小さくなって、紙フィルターが穴から突出する面積や体積も小さくなる。つまり、穴の形状や大きさでは、抽出液の透過速度は決しないのである。「クリスタルドリッパー」は、その内部斜辺のダイヤ型の形状によって、抽出液が《ゆっくりと流れ落ちる》どころか、‘素早く流れ落ちる’のだろう。この特徴は、再現性や普遍性という意味では、必ずしも《最適な抽出スピード》とは言えず、味がブレやすい器具と言えよう。だが他方では、名門やV60以上に注湯のコントロールで自在に味を変えられることを示す。「クリスタルドリッパー」は、ダメっぽいどころか、なかなか面白い。予断だけで‘なんとなく、暮らしてる’のはマズイと反省。コーヒーの抽出器具に、まだまだ改良や開発の余地があることを思い知らされた。
 なんとなく、クリスタル (8)
コーヒー世界を追究する実践、‘なんとなく、クラシテル’よりも、‘なんとなく、クリスタル’…
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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