JCS漫歩記 後篇

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2014 [2014年12月10日 23時00分]
山谷の朝は寒いが清爽でもある。白い息を吐きながら、湯を沸かし、豆を挽き、ネル布で淹れる。宿「ほていや」の部屋でコーヒーを喫する。身支度して…シマッタ、髭剃り忘れた!
 
【JCS年次集会当日】 2014年12月7日
 
「café Bach」(カフェ・バッハ)
 JCS漫歩記 (10)
注文「おはよ~、バッハブレンドとバタートースト」…宿の隣の「カフェ・バッハ」の店内は朝から客で賑わう、その雰囲気も味わいだ。トレセンへ寄り、旦部幸博氏への土産を預ける。
 
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黄葉が舞い落ちる上野恩賜公園を散策。入場待ちの群集がモブキャラみたいな「進撃の巨人展」、‘悔天憎人’である私に合わない「西郷隆盛生誕祭」…横目に見ながら漫ろ歩き。
 JCS漫歩記 (13) JCS漫歩記 (14)
上野Breakステーションギャラリーにて、「Re:construction2 鉄道部品の再生」を観る。会場は上野駅正面玄関口のガレリア2階だが、私以外に誰もいない。鉄道車両の廃材を再構成したインテリアは面白いが、リコンストラクションするべきは、公共施設の人流れ…。
 
「Drip Mania」(ドリップマニア グランスタ店)
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注文「サンミゲル・ダークのSを」…ハンターズ3種に迷ったが、ココは(珈琲工房ひぐちで)飲みなれたグァテマラ産を選ぶ。ホセ(川島良彰氏)には悪いが、圧倒で「ひぐち」の勝ち。グランスタを出て、動輪の広場で喫煙の後、丸ビルに移ってクリスマスツリーを見下ろす。 
 
「CAFE LEXCEL」(カフェ レクセル 丸の内ビルディング店)
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注文「プロシュートとタルタルソースのサンドを全粒粉で、ん~、オホデアグアをドリップで」…初訪。サンドの味は悪くないが、所詮腹ふさぎ。ニカラグアのCoEコーヒーを飲んでみる…おぉ、意外と(?)美味い。「オホデアグアって、ロットとスコアは?」に、「え? ロットって何ですか」と応じられ…おぉ、やっぱり(?)拙い。惜しいのは、業態ではなくて運営かねぇ。
 
 
「日本コーヒー文化学会(JCS) 第21回年次集会」 (学士会館)
 
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対談 「ネルドリップ珈琲の秘密」 大坊勝次・森光宗男・星田宏司・青山知架夫
秘密?…大坊さん曰く、「低めの温度で、ゆっくりゆっくり、湯を落とす、それだけです」、と。…森光さん曰く、「コーヒーが自分で自分を漉してくれる、そこじゃないかな」、と。歴史を道具を音楽を色彩を絵画を使ってコーヒーを表したい森光さんは、‘言葉の力’でツッコむ。コーヒーをコーヒーとして表したい大坊さんは、‘沈黙の力’でボケる。桜井美佐子(ダフニ)・浅野嘉之(ジェントルビリーフ)・藤原隆夫(折り鶴)・江崎正憲(江崎珈琲)という豪華(?)な抽出スタッフのコーヒーが配られて、それを(あんまり旨くなかったけれど)味わいながら、壇上の漫才を聴く。話の半分は「熊谷守一」だった…ま、この顔ぶれなので、それもよし?
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その後、大坊・森光両氏による抽出の実演。私は抽出を見ないで、参加者がかぶりつきに殺到する姿を見届けて、勝手に喫煙休憩へ。それにしても、熱心なのか浅ましいのか?
 
座談会 「日本の喫茶店の歴史を語る」 狹間寛・堀口俊英・平湯正信・中根光敏
語る?…4人バラバラの放談で座談ではない。中根さんにあまり時間が与えられず残念。狹間さんが「サードウェイブは産業形態。(ブルーボトル上陸直前の今は)スタバ前夜と同じ雰囲気を感じる」と(役割上で)言ったのに対して、「サードウェイブを日本にあてはめるには無理がある。基本的にスペシャルティコーヒーのムーブメントと同じ。クオリティの追求が繰り返されて10年遅れできた。日本のはサードウィブでも何でもなくて、ただサードウェイブに影響を受けた人が‘トレンド’として注目されているだけ」と斬って捨てた堀口さん。おぉ、お見事、拍手!…コーヒーも人間もゆっくりゆっくりと進化するんだなぁ、と感慨。
 
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焙煎・抽出委員会 「小型焙煎機・ディスカバリー ~開発・設計の考え方~」 福島達男
ディスカバリー開発過程が映写され、デザインvs能力vs機能の葛藤話は存外面白い。富士珈琲機械製作所と富士珈機との絡み話はゴニョゴニョしたが(当然か?:笑)、質疑で「私の手廻し釜(1kg容量)と同じものを作ってくれますか」と福島さんへ迫る大坊さんを全員で拍手(笑)。年明け2月予定でディスカバリー焙煎の実践を打ち合わせて、散会。
 
 
「Gentle Belief」(ジェントル・ビリーフ)
 JCS漫歩記 (28)
注文「何と2回も食べられるとは!」…浅野さん「先に着替えさせて!」(笑)。山内秀文氏と共に、浅野嘉之氏を自らの店へ強制連行して夕飯を作らせる…最後まで得手勝手か? 茸のクリームパスタを食す、旨い。食後はイタリアンブレンド、旨い。3人でコーヒー談議…これがイチバン旨い?(笑)…店を辞し、東京駅で山内さんとも別れ、新幹線で帰途に就く。
 
 
 JCS漫歩記 (29)
《…絵にも流行があって、その時の群衆心理で流行りに合ったものがよく見えるらしいですね。新しいものが出きるという点では認めるにしてもそのものの価値とはちがう。やっぱり自分を出すより手はないのです。何故なら自分は生まれかわれない限り自分の中に居るのだから》(熊谷守一『へたも絵のうち』)。…珈琲にも流行があって、その時の群衆心理で流行りに合ったものがよく見えるらしい。新しいものができるという点では認めるにしても、そのものの価値とは違う。やっぱり自分を出すより手はない。何故なら人間は生まれ変われないし、珈琲もまた生まれ変われないのだから。…結局、私みたいなものは、珈琲さえあれば、漫(そぞ)ろ歩きもする。JCS絡みで漫ろ歩いた翌日に、カフェ・バッハから届いたシュトレンを食べながら想う…私の人生が漫ろ歩きだ! 珈琲は、じつにいい。
 
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コメント

No title
浅野嘉之 URL [2014年12月11日 18時41分]

先日はありがとうございました
おかげさまで楽しいひと時過ごさせていただきました
そういえば浅煎りを一度試飲してほしかったのを
話に夢中で忘れていました
次回お会いできるとき
是非そのあたりの香味のバランスについて
お話したいものです
よろしくお願いします

毎日美味しく“タイ”と“ニカラグア”いただいてます

to:浅野嘉之さん
帰山人 URL [2014年12月11日 23時59分]

私も楽しい時間でした。ありがとうございました。
浅野さんの珈琲は、やっぱりウマいねぇ…また飲みに行きます。

No title
じょにぃ URL [2014年12月16日 11時10分] [編集]

帰山人さん。

帰山人24時動画見ました。

帰山人さんは公私共に充実した日々を過ごされているようで
うらやましい限りです。

結露の話
断熱ばかりで冷暖房に興味がない住宅屋
文化の話

家の話は共感する事ばかりでした。

灯りの話も
我が家は蛍光灯が洗面所の間接照明のみで
天井にソケットはありますがシーリングライトはありません。
スライド式のスポットライトと埋め込み式の電球タイプが数か所に設置してあります。
始めは『え~暗いよ』と思っていましたし
夜に部屋で写真を撮ろうとすると暗くてはっきり写りません。
でもやっぱり慣れるんですね。
いまでは蛍光灯にしなくて良かったと思います。

夜に外から我が家を見ると『おっしゃれ~』と思います(笑)

今までの床暖のシステムは壊れた時を考えると
なかなか決断出来ないのですが
ひなたごこちならメンテナンスも良さそうですね。
*ラミネートで薄くもできますがシリコンで包んでもよさそうですね

3年前に知っていたら
我が家の暖房はひなたごこちになっていたことでしょう。
非常に残念です。

ひなたごこちを
家を立てて頂いた方に話をしてみたいと思います。
雪国は家とひなたごこち標準でも良いと思います。

雪国でもしっかり断熱して40度出たら十分だと思います。

始めはFFストーブを使用していましたが
・点火に時間がかかる。
・内階段で熱がすべて二階に行ってしまうので一階がうすら寒い。
・灯油代がすごい(月2回給油して一回数万)
非常に効率が悪いです。

ペレットストーブも結局はFFストーブと言うのも驚きでした。

現在はエアコンで暖房をしています。
それでも電気代は月2万超です。

大雑把な考え方ですが
10畳で1400Wと言う事は
ヘアドライヤーとあまり変わらないエネルギーで
部屋を暖めることができる

そう考えるとすごいですね。

薪ストーブも考えましたが
コストと薪の供給を考えやめました。

同僚が薪ストーブを使用しているのですが
震災の時に周りの家は寒さに凍えている時に
部屋が熱いから窓を開けてたそうです(笑)

珈琲にもいろいろ可能性がありそうで
わくわくしますね。

No title
浅野嘉之 URL [2014年12月16日 17時39分]

こんばんは
岐阜県関市の自家焙煎店アダチの小森様より
ご注文いただきました
紹介していただいたようで
ありがとうございます

しかし褒めすぎです
気恥ずかしいかぎりで・・・・

to:じょにぃさん
帰山人 URL [2014年12月17日 01時05分]

まぁ、珈琲の世界でも住宅の世界でも、生半可と誤認識がまかり通っていますからね。‘輻射’という伝熱手段ですら、正しく説ける人は意外と少ないナ、と思っています。
ただ、その辺を語るコト自体も、私にとっては「娯楽」ですから、周りで楽しんでいただけりゃ、それはそれで尚のこと幸甚に存じます。

to2:浅野嘉之さん
帰山人 URL [2014年12月17日 01時13分]

それはどうも。しかし、褒め過ぎてはいません。好いものは好い、ダメなものはダメ…それだけですよ。

No title
浅野嘉之 URL [2014年12月21日 21時48分]

こんばんは
ご紹介いただいた
コクウ珈琲 篠田様より
珈琲のご注文をいただきました
ほんとありがとうござます
マンデリンを思いっきり深くという注文が一点ありまして
久しぶりにそこまでというくらいにマンデリンをやきこみました
おかげさまでなんだかちょっと刺激的です

to3:浅野嘉之さん
帰山人 URL [2014年12月22日 01時37分]

わはは。礼を言われても、注文しているのは同業者ばっかりですがね。まぁ、買って飲んだコーヒー屋にもイイ刺激になるからイイんだけど…わはは。

No title
じゃまめ URL [2015年03月29日 19時52分]

こんばんは、森光氏と大坊氏の抽出に殺到した1人です。
サードウェーブやブルーボトルは田舎でも話題になる程です。ブームにならないと興味を示さない日本人の特質なのでしょうね。
しかし、どんな形であれコーヒーに親しむ若者が増えるのは喜ばしいことでもありますね。この中の100人に1人でもコーヒーにこだわる人が出てくることを、コーヒーに関わる者として期待しております。

to:じゃまめさん
帰山人 URL [2015年03月29日 21時00分]

ようこそ。じゃまめさんに限らずコーヒーに関わる方方は、その《期待》を口にされます。でも、私は《どんな形であれ》とは言いません。森光さんも大坊さんも、《期待》されたからの存在ではありませんよね。畏敬すべき先達に倣い挑み競い越えて変えようとすれば、私には他人に《期待》をする余裕などないのです。

帰山人様
じゃまめ URL [2015年03月30日 00時10分]

私もブームでコーヒーを始めたわけではなく、コーヒーが飲みたくてはまってしまい、生業となったしだいです。競技会には関心がありませんが、若者がそういうものにのめり込み技術の向上を目指しているのを見るとうれしくなりますね。
という私もまだまだで、試行錯誤の毎日です。それでも、自分のコーヒーを飲む時が至福の時間です。
今後ともよろしくお願いいたします。

to2:じゃまめさん
帰山人 URL [2015年03月30日 00時46分]

そうかなぁ…カネがかかることを伏せて憧憬の的に見せてヒトをヒトとして扱わない業界のシステム、《若者がそういうものにのめり込み技術の向上を目指しているのを見ると》私は身の毛がよだちます。そこらへんの評価は、人それぞれなんでしょう。また、よろしく。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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