さらばスタバと言おう

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2014 [2014年10月02日 23時00分]
♪ さよならは誰に言う さよならはゲイシャに 豆を売る日を待って さらばスタバと言おう…
 さらばスタバと言おう (1)
 《個性豊かで希少なコーヒーを販売期間や数量を限定してお届けする「スター
  バックス リザーブ」からパナマ産“ゲイシャ種”のコーヒー『パナマ アウロマー
  ル ゲイシャ』が登場 (略)今回スターバックスがお届けする『パナマ アウロ
  マール ゲイシャ』は、パナマ国内で開催されているスペシャルティコーヒーの
  品評会で過去2度も「ベスト・オブ・パナマ」を受賞したロベルト ブレネス氏が
  経営する「ラ アウロラ農園(Finca La Aurora)」で栽培・収穫されたもので
  す。商品名の“アウロマール(Auromar)”は、この農園の名前“アウロラ”と、
  ロベルト ブレネス氏の妻の名前“マルタ(Marta)”を掛け合わせて命名され
  ました。》
  (スターバックスコーヒージャパン株式会社 プレスリリース/2014年9月2日)
 
2014年9月17日より日本国内で販売された‘スタバ史上最も高級なコーヒー’(?)は、クローバー抽出1杯で1,998円、豆売り250gで10,800円。ちなみに「アウロマール」がUSA市場に登場したのは、2013年4月、パナマスペシャルティコーヒー協会による「ベスト・オブ・パナマ」品評会で、ロベルト・ブレネス氏のラ・アウロラ農園が最高点(湿式ゲイシャ種部門)となった約1ヵ月前である。ロベルト・ブレネス氏の生豆は2014年5月の品評会でも10位入賞(乾式ゲイシャ種部門)したが、そもそも「アウロマール」は、《品評会で過去2度も「ベスト・オブ・パナマ」を受賞》する以前より、スターバックスに魅入られて創出された商品なのである。また、スターバックスの「アウロマール」が、品評会のロットとは全く無縁であることは、言うまでもない。これならば、2013年に9ヵ国の「カップ・オブ・エクセレンス(CoE)」最高点の品評豆を高額で落札しまくったUCC上島珈琲のやり口の方が、まだマシか?…「アウロマール」は、スタバ史上最も下品である。
 
 
♪ さよならは誰に言う さよならはサザビーに 株を売る日を待って さらばスタバと言おう…
 さらばスタバと言おう (2)
 《500店以降は?と、よくみんなに聞かれるんですけどね、この先どうなってい
  くかは自分では読めない。迷っているのではなくて、ブランドをどう成長させて
  いくのかは、今の時代、5年10年先のことに対応することができませんから。
  (略)昔だったら喫茶店は500円以上するコーヒーを頼んで、タバコを吸って
  ……それが、タバコは吸えない、オーダーも取りに来ない、さらに、なんだか
  名前のややこしいコーヒーが並んでいる。そんな状況の中で、これだけ多くの
  お客様に使っていただけるというのは、まさに時代の変化ですよ。そして、こ
  れからももっと変わっていくでしょう。ですから、お客様に我々の押しつけをす
  るのではなく、お客様がそれをコンフォタブルと感じ、そのほうがいい環境を
  作ることができるのであれば、スターバックスの仕組みすら変わっていく可能
  性はあるかもしれない。》
  (スターバックスコーヒージャパン株式会社 代表取締役社長(当時) 角田雄二
   /『スターバックス マニアックス』 小石原はるか:著/小学館:刊/2001年)
 
 《スターバックス・コーポレーション及びサザビーリーグは、度重なる協議を経て、
  平成26年7月下旬、当社の継続的な成長と革新を達成するには、スターバッ
  クス・コーポレーションの単独の傘下で当社を経営するという可能性を追求す
  ることが最善である、という考えで一致するに至ったとのことです。競争の厳し
  い日本のマーケットを勝ち抜き、事業を一層拡大するためには、お客様の多
  様なニーズに迅速に応え、お客様を魅了し続けていくことが重要な鍵となると
  のことです。この目標を達成するには、スターバックス・コーポレーションと当
  社が、個々に独立した公開企業であり続けるのではなく、完全に一体となって
  事業を展開することが非常に重要となるとのことです。》
  (スターバックスコーヒージャパン株式会社 IRニュース 「Solar Japan
   Holdings 合同会社による当社株券等に対する公開買付けに関する意見
   表明のお知らせ」/2014年9月24日)
 
1992年12月に日本へ初進出したスタバは、僅か9ヶ月間弱で一旦は撤退したものの、《日本にもし出店したいなら、一回話をしないか?》という角田雄二氏の誘いに乗り、サザビーを提携先に選んで、懲りずに1996年に再上陸を果たした。その後に角田雄二氏が、《この先どうなっていくかは自分では読めない》、《これからももっと変わっていく》、《仕組みすら変わっていく可能性はある》と語っていた通りに、2014年にUSAのスタバ本体は、サザビーリーグとの提携による運営を見限り、スターバックスコーヒージャパンの完全子会社化を発表した。角田雄二氏は、自らも取締役から退任するという‘変化’まで予見していたのだろうか? 本来ならば、「お客様の多様なニーズに迅速に応え、お客様を魅了し続けていくためには、競争の厳しい日本のマーケットを勝ち抜き、事業を一層拡大することが重要な鍵」と語るべきところを、真逆にしか表現できない程に、雄心を忘れたスタバには未来が無い。2014年のスタバは、日本市場で最も下品である。
 
 
♪ さよならは誰に言う さよならを楽しみに ラテを売る日を待って さらばスタバと言おう…
 さらばスタバと言おう (3)
 《日本上陸18年目にして初めてスターバックス ラテを全面的にリニューアル
  ~より風味豊かに生まれ変わった新しいエスプレッソドリンクを10月1日よ
  り販売~》
  (スターバックスコーヒージャパン株式会社 プレスリリース/2014年9月
   17日)
 
スタバは、《ラテを全面的にリニューアル》の《大きな変更点はミルクです》などと言っているが、再上陸の当初に使っていた成分無調整の‘牛乳’を、とうの昔に廉価な‘加工乳’に変えていたのであって、《18年目にして初めて》などと騙ること、片腹痛い。今般の変更は、‘加工乳’の乳脂肪分を高く、無脂乳固形分を低くしたとか。リニューアル記念の冊子「New Latte!」を読みながら、リニューアル後のラテ(ショート)を飲んでみる…。《エスプレッソがミルクに包まれたミルキーなテイスト》(今谷忠弘:談/冊子)、《輪郭にエスプレッソがあって、なかのミルクが包まれている》(山本宇一:談/冊子)…どっち? 私の感想は、「とにかく味が薄っぺら。味も香りも、エスプレッソ感も薄まり、ミルク感も薄まり、フォームのベトっとした口当りの感触だけが残って、以前よりも気持ちが悪い。以前のは‘コーヒー牛乳’の亜流だと思っていたが、今般のは‘乳飲料’にすらなっていない」。日本再上陸から18年目にして、スタバは全面的に凋落した。さらばスタバと言おう。
 
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コメント

No title
ナカガワ URL [2014年10月03日 07時06分]

飲みました。ハートを描いてくれました。世界中の人が安心して飲める公約数飲料。新ミルクの話をする店員さんたちの声が心なしか自信なさげでした。高い、印象が残りました。

to:ナカガワさん
帰山人 URL [2014年10月03日 23時13分]

ナルホド、公約数飲料ですか。新ラテを飲みながら、「例えれば、森永mow(モウ)からロッテ爽へ。アイスミルクからラクトアイスへ。どんどんアイスクリームから離れていくナ」と思いました。‘味わい’が、香味(アロマ/フレーバー/テイスト)の特性から、口中の触感(食感:テクスチャ)へ、すり替えられた作為。イマドキの‘味わい’ってのは、味覚音痴グルメリポーターのテクスチャ表現が‘公約数’なんですかね?私は、‘素数’でケッコウ。

No title
ナカガワ URL [2014年10月04日 00時29分]

ラテに憑いてきたカードには、「より鮮度にこだわったコーヒー豆といっそう風味豊かになったミルク」スタバラテのさらなる進化----とのたまわれてます。

to2:ナカガワさん
帰山人 URL [2014年10月06日 17時11分]

豆の鮮度…どうやって工場から店までの流通期間を半分にしたんだろう?まぁ、日本国内での委託焙煎へ切り替えてる最中なので、(アノ中途半端な薄~い味わいも)その布石でもあるんでしょうがネ。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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