喫茶店を想う

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2014 [2014年06月14日 01時00分]
休日の昼下がりに3杯目のコーヒーを喫しながら、買い置いてあった雑誌のページを捲る。『BRUTUS』(ブルータス)No.779(2014年6月15日号/マガジンハウス:刊)の特集は「喫茶店好き。」である。ん?2012年にも2013年にも《スペシャルティコーヒーはもはや“スペシャル”ではありません。》とか言い放っていた悪辣な雑誌だが、2014年は《あなたには、行きつけの喫茶店がありますか?》などと殊勝な意気を訴えてみせる…何かが変?
 喫茶店を想う (1)
 
『BRUTUS』(ブルータス)No.779の特集「喫茶店好き。」は、プロローグに「朝の喫茶店」として「センリ軒」、エピローグに「夜の喫茶店」として「ロッジ赤石」を配していて、恰好イイ。プロローグと本編の間には、岡本仁氏によるインタビュー記事「この人も、喫茶店好き」が…《この人》って、またジェームス・フリーマン氏だ!またも「茶亭羽當」と「カフェ・ド・ランブル」と「大坊珈琲店」の話だ!またまた‘Kissaten’偏愛の話だ!その視野を拡げず本質を捉えず見当外れの陳腐なトンデモ《日本の喫茶店文化》論には、辟易させられる。ハッキリ言おう…日本の喫茶店とその文化のためにも、フリーマン氏の口を封ずるべきである。
 喫茶店を想う (2)
 
『BRUTUS』(ブルータス)No.779は、特集本編とエピローグの間に岡本仁氏による対談記事「大坊さん、喫茶店って何なんでしょうか? 」が…え? 大坊勝次氏曰く、《僕は暗黒舞踏が好きでして》と、大野一雄・慶人親子と上杉満代の話をしている。コレはかなり面白い。ん? 大坊勝次氏曰く、《私も、喫茶店に定義はないと思っています》と、岡本氏の意見に同調している。また、大坊氏はその直前に、《私はコーヒー店をやってたせいか、どの街に行くときも、その街の喫茶店がまず頭に浮かびます》と、語っている。コレはかなり興味深い。そう、《喫茶店って何なんでしょうか? 》と問われても、大坊氏は自分の店を「コーヒー店」と称し、決して「喫茶店」と呼ばない。ハッキリ言おう…「大坊珈琲店」は「喫茶店」ではない。
 喫茶店を想う (3)
 
『BRUTUS』(ブルータス)No.779の特集本編は、34人に語らせた「好きな喫茶店の話」や、84店に協力させた「東京の喫茶店 名物メニュー図鑑84」や、《コーヒー世界のガラパゴス》と認めた「喫茶店のA to Z」など、微笑ましい記事も散見される。だが、本誌の特集が示す「喫茶店」の本質は見えてこない。それは、マガジンハウスや『ブルータス』が語る「喫茶店」が、彼らにとって単なる装置であり形式であり様相や情勢でしかない、ボンヤリとした虚像だからだ。ジェームス・フリーマン氏や岡本仁氏の目に侵されない、スペシャルティやバリスタやサードウェイブを目にしたこともなければ関心もない、そうした各地の無名の数多の「喫茶店」にこそ、その実像があり、《日本の喫茶店文化》の本質があるのだ。すなわち、『ブルータス』の特集が、《あなたには、行きつけの喫茶店がありますか?》などと安く煽りまくる対象、そこから外れ逃れたところに、正真の「喫茶店好き。」がいると想う。そんな世迷言をつぶやきながら悪辣な雑誌を閉じると、傍らのコーヒーもすっかり冷めて…
 
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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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