低劣なり1日3杯

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2014 [2014年05月29日 01時00分]
移り変わりのある健康法やダイエット法と同じように、コーヒーにもトレンドがある。今の日本におけるコーヒートレンドは誰が何と言おうと…「1日3杯」だ!流行に敏感な人にとっては「スペシャルティ」や「サードウェイブ」よりも、「1日3杯」のコーヒーなのである。…ホントか? 
 
『1日3杯が効く コーヒーダイエット』
(小田原雅人:監修/主婦の友社:刊/2014年4月11日発売)
 低劣なり1日3杯 (1)
この手のムック類に欠かせないのが体験談、『1日3杯が効く コーヒーダイエット』の目玉は女芸人「まぁこ」の登場だ。写真付きで《Before 2012年2月 97kg ⇒ After 現在49kg 48kg減っ!!》と示され…ん? 現在の写真が49kgには見えない…本書プロフィールでも紹介されている本人ブログ『まぁこのよろしく豚足ピース』で、2013年2月ダイエット終了時の写真と比べると…違和感あるある。ん? 2014年4月23日付の同ブログ記事「リバウンド?!★」には、《一年間で48kgダイエットして、早くも、一年半経とうとしてます!!(略)私は、一年半で約12kg程戻りました!スタートからだと、-37kgかな。。》と記されている。
 低劣なり1日3杯 (2)
つまり本当は‘現在61kg’ってコトだ、どうりで…。ま、この手のムック類に欠かせないのが‘捏造’だとは承知しているが、『1日3杯が効く コーヒーダイエット』の信憑を、どう捉えているのか? 監修者の小田原雅人や主婦の友社は、自ら糺すべきであろう。笑止千万。だが、まぁこは責められるべきではない。同女は自著『-48kgやせた女芸人まぁこのダイエットあるある』(主婦の友社:刊)で正論を吐いた…《どんなダイエット本も言っていることは一緒(「食事」「筋トレ」「有酸素」でしか人はヤセない)》。そう、コーヒーではヤセない。 
 
『1日3杯のコーヒーが人を健康にする!』
(安中千絵:著/PHP研究所:刊/2014年5月20日発売)
 低劣なり1日3杯 (3)
《「健康に良いからコーヒーを飲もう」という声は、「からだに良いから野菜を食べよう」という声ほどには聞こえてこないように思います。》(「はじめに」p.3)…??? 当たり前である。嗜好飲料を野菜と同じ位置付けの理由で摂取させようとは、管理栄養士として不適格だ。《なるべくコーヒーに関してネガティブな情報を探す努力もしたのですが、結局のところ、コーヒーの健康効果は、圧倒的に〈良い〉が優勢だったことに、私自身、改めて驚かされました。》(「おわりに」p.187)…??? 優勢? 科学の真偽は多数決や勢いではない! これで他書よりも中立性や客観性を喧伝しているのだから、始末が悪いこと、改めて驚かされる。また、本書の著者が記している『安中千絵の食ブログ』にも注目したい。《浅煎り豆を中挽きで、ペーパードリップで淹れたコーヒーが、ダイエットにはおすすめです。》(p.32)と言う他方で、2010年7月31日付のブログ記事では、《東京に来たら必ず行く場所、紀ノ国屋内のキャラバンコーヒー。ここのフレンチローストが好きで、必ず買って帰ります。》らしい。「第5章 コーヒーでやせるために知っておきたいこと」(p.153~)を著す他方で、本書発売直後2014年5月24日付のブログ記事では、《この本をこもりきりで書くストレスで、チョコレートを毎日バリッバリッ(硬い板チョコをボリボリ噛むのが快感♡)食べてたら、立派な体格になってしまいました。ダイエットせねば。と、言い続けて早何ヶ月だろ~。》なのである。〔引用した文言は後日に削除されていた/2016年3月7日追記〕
 低劣なり1日3杯 (4)
そもそも『1日3杯のコーヒーが人を健康にする!』は、前著『やせたい人は、今夜もビールを飲みなさい』(PHP研究所:刊)がウケたので、二匹目のドジョウを狙っただけのもの。それは、本書の仮称が『やせたい人は1日2杯のコーヒーを飲みなさい』だったことからも明白である。まぁ、『1日3杯が効く コーヒーダイエット』に先行されたら、「1日2杯」のままでは分が悪いから…つまり、安中千絵にとっては、1日当たりのコーヒー摂取量が2杯だろうが3杯だろうが大した違いがないワケだろうし、‘やせたい人を責付く’コトと‘健康法を煽り立てる’コトとは同じ範疇なワケ。だが、『1日3杯のコーヒーが人を健康にする!』の信憑を、どう捉えているのか?著者やPHP研究所は、自ら糺すべきであろう。笑止千万。
 
移り変わりのある健康法やダイエット法と同じように、コーヒーにも胡散臭いトレンドがある。今の日本におけるコーヒー本の怪しいトレンドは誰が何と言おうと…「1日3杯」だ。そう言えば、昨秋にも『がんになりたくなければ、ボケたくなければ、毎日コーヒーを飲みなさい。』などという類書が先行していた。正真にコーヒーを愛好する者にとっては、「スペシャルティ」や「サードウェイブ」が意味不明であるのと同様に、「毎日」や「1日3杯」は大きなお世話だ。コーヒーに関する健康問題は、その効力の功罪論に一喜一憂することではなくて、《「健康に良いからコーヒーを飲もう」という声》(或いは、「健康に悪いからコーヒーを飲むな」の声)にイカガワシイ臭いを嗅ぎとって捨て去る、その判断力による。例えば、上記の「1日3杯」2冊を無思慮に紹介して「ワーイ出た出た、読んで、そしてコーヒー飲んで」とはしゃぐようなコーヒー屋や愛好家に対しては、低劣=‘バカ’だと切り捨てる。ま、バカばっかりだけど…。ダイエット? 健康?…ハッキリしていることは、「1日3杯」のコーヒー本が人類を低劣にする。
 
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コメント

No title
y_tambe URL [2014年05月29日 10時22分] [編集]

ありゃ、これは困った。僕も2006年の検定教本書いた頃からずっと「一日3-4杯」を一つの目安に掲げてて、やっと世界が追いついてきたので、これから「一日3杯」推しでいこうかと思ってたのにw

to:y_tambeさん
帰山人 URL [2014年05月29日 14時10分]

「一日3-4杯」…2杯でじゅうぶんですよ。「いや、2杯2杯で4杯だ」…2杯でじゅうぶんですよ。わかってくださいよ…

No title
ナカガワ URL [2014年05月31日 08時34分]

すいません。こちらは1日1.5リットルで高齢期の脱水を乗り切ろうキャンペーン中でした。300ccのサーモ5本くらいの目安。実行するとコンドロ某やグルコサ某なんかよりも---。

to:ナカガワさん
帰山人 URL [2014年05月31日 11時24分]

あぁ、人間プアオーバーですね。摂取と排出に‘あとさき’はありませんから、じゃんじゃん注ぎ入れて抽出すればイイんだと思います。静置して通すのか、時々かき混ぜるのか、そこはお好みで…

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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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