哀しみの裏側

ジャンル:映画 / テーマ:映画感想 / カテゴリ:観の記:映面 [2014年02月10日 01時30分]
ご機嫌いかがですか、山下奉大です。さあ今日は皆さんお待ちかねのSF『スノーピアサー』、これをご覧いただくわけでございます。監督は『グエムル -漢江の怪物-』などのポン・ジュノ、1作ごとに衝撃と感動を与え続けてきたその彼が、偶然にも原作の漫画を立ち読みして列車の映画を作りたいと思いついた、それがこの『スノーピアサー』なんですね。そして、クライマックスはものすごい衝撃です。さあ、そのクライマックスまでごゆっくりとお楽しみください。
 哀しみの裏側 (1) 哀しみの裏側 (2)
 
『スノーピアサー』(Snowpiercer:설국열차:雪國列車) 観賞後記
 
 哀しみの裏側 (3) 哀しみの裏側 (4)
 《ある映画作品が伝統をふまえたうえで革新的であるがゆえに芸術的であると
  すれば、それはなんらかの理論によって解明されるべきものではなく、世界
  映画史の多様な上で具体的に究明されるべきものだからです。(略)個々の
  芸術映画は一般的、規範的、抽象的対象化作用から豊穣に逸脱するからこ
  そ芸術作品たりえます。そのうえ芸術映画の意義とは、個々の観客(視聴者)
  の連接的認識/解釈/受容等のとどまることのない自己刷新運動において
  しか把握されないものです。 (加藤幹郎 「あとがき」/『列車映画史特別講
  義 芸術の条件』/岩波書店:刊)
 哀しみの裏側 (5) 哀しみの裏側 (6)
『スノーピアサー』が列車映画である理由は、氷雪に覆われた世界で人類が生き残る場所としてより適切な地下コロニーを選んだ場合、『コロニー5』(The Colony)のパクリになるからだろう。『スノーピアサー』でティルダ・スウィントンが好演しているサブ悪役がメイソン、『コロニー5』でビル・パクストンが演ずるサブ悪役もメイソン、コレだけでもヤバイもんなぁ。もちろん、『スノーピアサー』における貧富の両陣は列車の車両によって隔てられるべきで、ココを宇宙空間で隔てると『エリジウム』が黙っていないからだろう。こうして横(左右)も縦(上下)も使えないから、列車の車両で前へ前へと‘一方通行’(アクセラレータ)しかない。『スノーピアサー』は「先頭車両行ったら世界が壊れたwww」という話であり、結果として『未来惑星ザルドス』(Zardoz)を踏襲する。監督ポン・ジュノは和解無きメロドラマを作り、キューブリックからもバーホーベンからもタランティーノからも暴走して、ブロムカンプからさえ脱線している…これはスゴイ! 偉大な偏倚的列車映画として、称賛されるべきだろう。哀しみの裏側に何があるの? この線路の向こうに何があるの?…さらばスノーピアサー。
 哀しみの裏側 (7)
 
さあ、いかがだったでしょうか。シロクマを出して全てを収束しようとするラストシーン、おそろしい結末でしたよねぇ。ま、それにしましても、この列車映画で大変有名なのはですね、マイク・ミズノという列車映画では第一人者と言われる監督がいるわけですが、この人が作った『シベリア超特急』シリーズ、「シベ超」と言われる映画ですね、これが大変有名なんですね。今日の映画『スノーピアサー』、シベリア氷原も含めて凍てついた世界を貫き通っていく作品、だから言うなれば「シベ超」の続編にあたるわけですね。今日の映画の監督ポン・ジュノという人は、「シベ超」をこよなく愛しているんでしょうねぇ。ですから、この伝統に則った上でパロディ映画を作ろうとしているわけですね。今日の映画の中でもセリフで出てまいりましたね、「しくじったな」…そんなことありゃあしませんよねぇ、皆さんもご覧になって思わず噴き出したんじゃないかと思うんですけど。それにしましても、ちょっと見方を変えて見ますと、車両で階級を隔てられた下層と上流の乗客同士が殺し合うあのバイオレンスシーン、あれは人間の歴史でよく見かける戦争や暴動、あれそっくりなんですねぇ。それから、地球温暖化の解消散布剤CW-7や物質ドラッグの一種クロノールが出てまいりました。ま、人間というのは、現代の人間は特に地球を化学汚染でどんどんどんどん汚してしまっているわけですね。人間というのはまさしくですね、死にそうな地球を蘇らせようとして反対のことをしているんじゃないか、死を招こうとしているんじゃないか、そういった警告にもとれるわけなんですが、さ、皆さんどのようにお感じになりましたでしょうか。では「山下奉大の映画がいっぱい」です。さて、お楽しみいただきました『スノーピアサー』に続きまして、またまた話題作が登場いたします。
 
 カルト映画「シベ超」続編がまさかの始動
 《“希代の迷監督”水野晴郎さん(享年76)が5年前に他界して以来、製作が途
  絶えていたカルト映画「シベリア超特急」シリーズの続編「シベリア超特急 エ
  ピソード1」(仮題)が、上方の人気歌舞伎役者・片岡愛之助(40)主演で“発
  車”する。(略)「シベ超」シリーズはカルト的人気を誇っただけに、水野監督亡
  き後もファンから続編を望む声が多数寄せられていた。そのため、イタコで水
  野監督を呼ぶ案、アニメ化やCG化、またテレビ東京「ワールドビジネスサテラ
  イト」に出演し、水野監督似で知られる経済学者・斎藤精一郎千葉商大名誉
  教授(72)を起用する影武者案などが大マジメに検討されていた。(略)既に
  製作委員会ができ、1年後のクランクインを予定している。》 (東スポWeb
  2013年1月16日)
 
いやぁ~、映画って本っ当に‘面白い’もんですね。それではまた、ご一緒に楽しみましょう。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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