毀誉す懐疑

ジャンル:映画 / テーマ:映画感想 / カテゴリ:観の記:映面 [2013年11月15日 01時30分]
日本史上初めて「会議の席上で歴史が動いた」と言われる「清須会議」…果たしてそうか?
鎌倉の評定、堺や伊勢の会合、博多の年寄などは、歴史を動かさなかったのか…懐疑…
 毀誉す懐疑 (1)
 
『清須会議』 観賞後記
 
【毀貶の懐疑】
 
 《コメディではなく喜劇、と三谷幸喜監督はのたまう。(略)三谷監督には、コメディと喜劇
  の違いにおける明確な見解がある。「僕の中でコメディという時は、ストーリーやセリフ
  がすべて笑わせるために存在していて、結果的に笑えない時もあるかもしれないけれ
  ど、すべてを笑いに持っていくためのものをそう呼んでいる。だから、今回はそういうも
  のではない。もうちょっと人間を描く方にシフトしているので、コメディではないんです」》
  (Webサイト「映画.com」インタビュー/文:鈴木元/2013年11月5日)
 
しかし、喜劇にすらなっていないのでは?‘笑い’の小ネタが散らばる風合は、繋がらない
コントの集積のよう。「一日目、二日目…」と描くのであれば、各日毎のシットコムを重ねた
笑劇に仕立てたほうが好かったのでは?三谷幸喜には「HR」というシットコム番組の実績
があるし…。笑えない‘Comedy’(コメディ)は原義に適うワケで、三谷幸喜はコメディと喜
劇と笑劇の違いをそもそも捉え違えていないか?その誤った見解が、映画『清須会議』を
「コメディでも喜劇でもない」作品にしてしまったのでは?悲劇である。また、いくら通俗の
‘時代劇’とはいえ、当時の清洲城に無かった天守を出すのはヤリ過ぎでは?さらに、い
くら通俗の‘オールスターキャスト’とはいえ、剛力彩芽の松姫はヤリ過ぎではないのか?
いずれも見苦しく、いずれも要らない。全体を通じて薄っぺらく充実感が無い作品である。
 毀誉す懐疑 (2)
 
【誉褒の懐疑】
 
 《…あのへんの大物ころがすのうまいよね。だって、あのへんの大物ってたぶん、アレな
  んだろうな、三谷さんの笑いが新しいなと思ってんだろうな。出てきたな、新しいイキの
  イイのが、って思ってんじゃない、あのへんのベテランは。もう古いんだけどさ、実際に。
  実際にはもっと新しい人いるでしょ、もっとイキのイイ人達はホントはいるでしょ。だけど、
  あのへんうまいよね。だから、秋元さんとかの商法と一緒だよね、秋元さんがセガと一
  緒に手を組んでガッチリやってた頃とかもさ、オヤジころがしうめえなあって思ったけど、
  三谷さんもオヤジころがしがうめえなあって。》
  (ラジオ番組「有吉弘行のSunday Night Dreamer」/2010年5月9日)
 
まあ、寧役の中谷美紀はころがしたナ、転がして燥がせて踊らせて…ナカナカ好かった?
あと、ころがさなくても小日向文世の丹羽長秀は、丹羽長秀が小日向文世役を演じたよう
に…ナカナカ好かった?あとは誰が誰でも構わない程度だったが、剛力彩芽以外はミス
キャストとまで言えない無難か?全体を通じて適当な群衆劇へ逃げた呑気な作品である。
 毀誉す懐疑 (3)
 
何が史実か判らない歴史の隙間を突いた、だが決して史実とも思えない「懐疑」だらけの、
ありきたりに悪辣な作品…『清須会議』は懐疑の毀誉(きよ)を拭えないコメディの凡作か?
 
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コメント

No title
しんろく URL [2013年11月15日 09時47分] [編集]

9月に原作の小説は読みましたが、読みやすく面白い本でした。原作読んでしまうと、映画館まで見に行こうという気にはなかなかなれず、DVD化(レンタルスタート)されるのを待っています

to:しんろくさん
帰山人 URL [2013年11月15日 19時51分]

小説も三谷ワールドではありますね、史実じゃないけど(笑)最近の研究では、清須会議は最初から三法師(秀信)継承の確認として宿老が評定した、勝家とお市の仲は秀吉が押した…史実は面白くないネェ(笑)

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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