瀬戸際の展観

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2013 [2013年08月05日 23時00分]
コーヒーカップ(実際は紙コップ)を並べて作る巨大なコーヒーモザイク画、2010年7月の
The Rocks Aroma Festival’において約5200杯で描かれたのはマリリン・モンロー。
そのマリリン・モンローの死から51年後の2013年8月4日、‘コーヒーカップ展’を観に…
 瀬戸際の展観 (1)
  
「世界のコーヒーカップ展」(陶祖800年祭記念 愛知県・瀬戸市共同企画展)
 
 《あいち産業科学技術総合センター瀬戸窯業技術センターと瀬戸市美術館は、世界各
  国の食卓を飾ったコーヒーカップ製品を一堂に集めて展示公開する「世界のコーヒー
  カップ展」を8月3日(土)から9月29日(日)の約2ヶ月間、瀬戸市美術館で開催しま
  す。当センターでは旧愛知県デザインセンター所蔵の海外参考品の中から食器やノ
  ベルティなどの陶磁器製品を引継ぎ、所蔵しています。このたび、瀬戸市の陶祖800
  年祭を記念し、瀬戸市美術館において当センター所蔵製品を展示する運びとなりまし
  た。この展示では、1980年代に国や県の海外貿易振興拠点などを通じて世界の51
  都市から収集され、現在まで保存されてきたコーヒーカップ製品約100点を展示しま
  す。ぜひこの機会に、世界の陶磁器製品と世界の陶都・瀬戸による産業と陶磁文化
  のコラボレーションをお楽しみください。》 (愛知県:記者発表/2013年7月1日)
 
 瀬戸際の展観 (2) 瀬戸際の展観 (3)
瀬戸市美術館の2階企画展示室を覘いて観ると、展示されたコーヒーカップのほとんどが
普及品クラスであった。これは、「カップの収集基準・収集方法及び収集地」(愛知県商工
部:発行『海外のコーヒーカップとその習慣』/1983年)によると、JETRO(日本貿易振
興機構)在外施設の現地人スタッフが家庭で日常に使用している程度のもの(換算3000
円以内)や、それらの国でよく売られているもの(換算5000円以内)を主としているため。
 
 瀬戸際の展観 (4) 瀬戸際の展観 (5) 瀬戸際の展観 (6)
それにしても、いやはや、酷い展示である。美術や芸術としての価値が低い故ではない。
区分も説明も何も無く、ただただ漫然とガラスケースに並べてあるだけ、展示方法に工夫
どころか気力すら些かも感じられぬ。愛知県デザインセンター所蔵の旧時(2005年1月
17日~2月28日)に「コーヒーカップ博覧会」と称して産業貿易館で展示した際のやっつ
け仕事、あれさえ立派に思えるほどの今般の手抜き、‘杯中の’ならぬ‘コーヒーカップ中
の蛇影’か?こんな箸にも棒にもかからない企画展を「陶祖800年祭記念」と冠して瀬戸
で催す価値があるのか、甚だ以て疑わしい。‘瀬戸’の由来は、‘狭門’(せと)とも‘陶処’
(すえと)とも言われるが、広く世界から集めても狭き荊門に押し込めて観せる展示では、
陶磁器の公開処刑でしかない。《世界の陶磁器製品と世界の陶都・瀬戸による産業と陶
磁文化のコラボレーション》どころか、所蔵する機関の死活、展示した機関の存亡、これ
らを問うべき「瀬戸際」の展観ではないか、そう思える「世界のコーヒーカップ展」であった。
 
コメント (6) /  トラックバック (0)

コメント

No title
ちんきー URL [2013年08月06日 22時35分]

>それにしても、いやはや、酷い展示である。・・・
写真見てビックリしました!
自分の予想では地域(国)、年代、製法、様式等々で分類、説明があると思っていたので・・・
これこそ「見に行きません!」ですね。

to2:ちんきーさん
帰山人 URL [2013年08月06日 23時15分]

コーヒーカップは観てナンボなんですよ、だから観なけりゃダメです…あっ、「明楽時運」(あらじん)の棚で観た方が種類も豊富でキレイだ!コーヒー飲めるしタバコも吸えるし(笑)…やっぱ企画展は行かなくてイイです^^;

No title
ミズノ URL [2013年08月10日 10時17分]

土岐市在住ということもあり、怖いもの見たさで覗いてしまいました。ですが、こんなものだろうというのが正直な感想です。所蔵費用や学芸員の資質もあるのですが、瀬戸焼同様、美濃焼も歴史ある陶器には重きを置き、磁器は軽く見られる傾向ですから。地元の人は陶器はB品をタダでもらうものっていう感覚が染みついてますし、陶芸作家と言われる人も石を投げると当たるほどいますので、コーヒーカップに対する思い入れは少ないと感じています。
陶祖800年の歴史の内、洋食器の歴史はほんの僅かな期間ですから。

to:ミズノさん
帰山人 URL [2013年08月10日 12時07分]

磊磊落落とした感想ですなぁ(笑)。杜漏な展示でも仕方がない、とまで私は寛容になれない。まぁ瀬戸でも美濃でも磁器を軽く見る傾向があるのは否めませんが、それが手を抜く理由と思えるならば展観自体を実施するべきでは無い。某Wをはじめ海外有名ブランドの食器を(秘かに?)受託生産して儲けている地元でもあるわけですから、あまり洋食器をぞんざいに扱ってほしくないワケで…

No title
ミズノ URL [2013年08月10日 17時51分]

悲しい現実は、身の回りにあります。子供のころには、九谷焼のシールを地元の器に貼る内職がありましたし、京都メーカーの器を隣の家で作り、中国輸入の器を国内某メーカーの箱へ入れ替える倉庫があり、国内陶磁器卸商社が中国に工場を持っているなど、秘かではない現実が日常となていると感覚が鈍っているのかもしれません。自虐的な意味で、こんなものだろうって訳ですが、笑える話ではないですね。

to2:ミズノさん
帰山人 URL [2013年08月10日 18時16分]

あぁそれらの公公然たる密やかな現実という矛盾には「こんなものだろう」ですねぇ。へたすりゃ隣町で焼いた海外ブランドのコーヒーカップで、そうとは知らずに「コーヒーにもトレーサビリティがだね」とか言って喫する方方…まぁここらへんは笑っておきましょうかネ。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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