もしかしてだけど…

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2013 [2013年08月03日 06時00分]
薄っぺらい独り善がりなコーヒーで社会が良くなると勘違いしているバカ者どもに捧げる。
 
もしかしてだけど(もしかしてだけど) もしかしてだけど(もしかしてだけど)
  コーヒーで世界を変えられると思っているんじゃないの ♪
 
 「228人が繋げたコーヒーの輪/次の人の支払いを前の人がする」
  カナダにあるコーヒーチェーン店『ティム・ホートンズ』で、コーヒー愛好家たち
  が3時間にわたり、次々と自分の次の客の注文の支払いをするという不思議
  な出来事が起こりました。まさにそれは映画『ペイフォワード(Pay it Forward)』
  のよう!その親切の輪は、なんと228人にも及んだというから驚きですね。こ
  の珍現象は、クリスマスのほんの数日前にカナダ・マニトバ州南部ウィニペグ
  で起こりました。(略)同社の広報担当者はウィニペグフリープレス誌に「一体
  誰がはじめた事なのか私たちには分かりませんが、おおらかで美しい行いだ
  と思います」「素晴らしい物事の始まりでした」と伝えています。
  (Pouch/2013年1月9日)
 
♪ ドライブスルーに並んでいたら 前のお客が支払済みで
  後ろのお客におごれと言うんだ
  もしかしてだけど(もしかしてだけど) もしかしてだけど(もしかしてだけど)
  割引きクーポン使うの止めたいんじゃないの ♪
 
 「カナダで数百人にコーヒーをおごる『事件』相次ぐ」
  カナダのドーナツチェーン「ティム・ホートンズ」で、客が自分の後に来店した
  500人以上にコーヒーをおごるという「事件」が今週、少なくとも6件起きてい
  たことが複数の報道で明らかになった。カナダのテレビ局CTVによると、最初
  に起きたのは22日、アルバータ州エドモントンで起きた。20代の男性がコー
  ヒーとドーナッツを買った後、店員に自分の後に注文されたLサイズのコーヒー
  500杯分の代金を自分のデビットカードから支払うよう頼んだという。(略)カ
  ナダ放送協会(CBC)によると、この後、カルガリーやオタワなど複数の都市で
  同様の出来事が5件発生したという。(略)この一連の出来事は、ティム・ホー
  トンズの売り上げに貢献しただけでなく、大きな宣伝にもなったが、同社は、こ
  れはあくまで偶然の出来事で、宣伝効果を狙った演出ではないとしている。
  (CNN/2013年7月27日)
 
♪ コーヒーショップで店長が 店の隅へと連れ込んで
  札束取り出し渡してくるんだ
  もしかしてだけど(もしかしてだけど) もしかしてだけど(もしかしてだけど)
  ノルマで自腹を切っているんじゃないの ♪
 
 「イタリア発… 英国のスタバも始めた『保留』ムーブメントとは?」
  ロンドンの中心部、カーナビー・ストリートに程近いスターバックスの店内に、
  「サスペンデッドコーヒー」と書かれた小さな看板が置いてある。(略)スター
  バックスUKの場合(フランチャイズ店は除く)は、客が保留コーヒー代2.15
  ポンド(約340円)を支払うと、1杯分のコーヒー豆とその代金の両方を慈善
  団体に寄付する独自の仕組みを導入しているが、本来はコーヒーが「保留」
  されていれば、「保留コーヒーをください」と注文すると誰でも1杯、コーヒーを
  飲めるわけだ。
  (日経ビジネスオンライン/2013年5月27日)
 
♪ スタバで保留のコーヒーを もらってみようと頼んだら
  かなり長い時間待たされたんだ
  もしかしてだけど(もしかしてだけど) もしかしてだけど(もしかしてだけど)
  保留の解釈を間違えてんじゃないの ♪
 
 《「ナポリにはね、カフェ・ソスペーゾと言って、誰か、ゆとりのある人がバールに
  入って、一杯のエスプレッソを飲んで、二人分のエスプレッソ代を払っていく。
  すると、その後から懐の淋しい人がやってきて、バールの主人に『カフェ・ソス
  ペーゾある?』と訪ねる。主人がこっくり頷けば、その人はただでエスプレッソ
  を飲めるってわけなの」何とも粋な文化じゃないか。(略)自分が暮らしている
  界隈の人を知っている世界でなければ、そんな風習はなりたたない。(略)
  「…今でもよく冗談で、店に顔を出すとき、『カフェ・パガート(支払い済みのエ
  スプレッソ)はあるかな?』って訊くんだよ。そうしたら、親父さんたちは、『ある
  けど、お前のためだけには、ないなあ』って笑いながら答えるんだ」》 
  (島村菜津『バール、コーヒー、イタリア人 グローバル化もなんのその』
   pp.131-133/光文社:刊/2007年)
 
「カッフェ・ソスペーゾ」(caffè sospeso)あるいは「カッフェ・パガート」(caffè pagato)を「サスペンデッド・コーヒー」(suspended coffee)と訳して世界各地へ拡めること自体は、必ずしも邪悪と言い切れないが、先述の例やそれを賞賛する風潮は明らかに邪悪である。コーヒー(≒エスプレッソ)を飲みたくても飲めない人のために自分の住む街(≒共同体)で顔見知りのバールマン(≒バリスタ)に‘保留’を託すことが本義で、だから‘粋’なのである。むやみに‘おごり’の連鎖を求め、やたらに‘おごり’の数量を誇り、みだりに寄付金へ充て…これら、実際には代価を支払える者同士でコーヒーを玩具として弄ぶ‘無粋’は、本来の「カッフェ・ソスペーゾ」とは全く異なる。‘保留’するべきは、軽薄で独善の風潮そのものか。こうした邪悪な運動や風潮を根絶しない限りは、コーヒーで世界を変えられる日など来ない。
 
♪ 一般的に コーヒー界って ‘保留’謳って 惹くけれど
  ある追究者の話では 偽善は白痴の6倍トロイ ♪
♪ もしかしてだけど(もしかしてだけど) もしかしてだけど(もしかしてだけど)
  コーヒーで世界を変えられると思っているんじゃないの ♪
♪ もしかしてだけど(もしかしてだけど) もしかしてだけど(もしかしてだけど)
  どいつもこいつも偽善バカなんじゃないの …そういうことだろ ♪
 
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コメント

No title
シマナカロウ URL [2013年08月05日 13時46分]

帰山人閣下
なんて美しいお話でしょ。人間バンザ~イ!
瞼がウルウルしてきました。ああ、感動をアリガトウ!

川島良彰さんだって『私はコーヒーで世界を変えることにした』などと大見得を切っているくらいなんだから、世界を変えることができるのは、コーヒーで決まりでしょう。それと
ミエミエの偽善者たち。

人間誰しも善行を積み、自己満足にひたりたいんだよね。だから閣下に偽善バカと言われようと、白痴より6倍トロいと蔑まれようと、いっさい気にしないこと。

だってこの世は偽善の市なんだもの。
一日一善。さあ、今日もがんばって陰徳を積みましょう。

to:シマナカロウさん
帰山人 URL [2013年08月05日 15時46分]

ロウ師、そうは言ってもコーヒーよりも先に滅びかけているのは、大東亜の古層文化(?)である陰徳陽報、あと私の陰茎陽物。まぁ「積善の余慶、積悪の余殃」という因果応報まで否定はしませんが、余計な偽善で酔おうってなインチキは許さない、これこそ善行ですヨ。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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