十年一昔 其の2

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2013 [2013年07月27日 01時00分]
日本における‘スペシャルティコーヒー’の輓近10年、それは十年一昔か?あるいは、十年一日の如しか? はたまた、十年一剣を磨いたか? スペシャルティの得体は何か?
 
日本に‘スペシャルティコーヒー’を啓いた者、それはUCC上島珈琲である。もっとも、「全日本コーヒー協会」(1980年設立)の初代会長が上島忠雄氏であり、「日本家庭用レギュラーコーヒー工業会」(1990年設立)の初代会長が上島達司氏であり、「全日本コーヒー公正取引協議会」(1991年設立)の初代会長も上島達司氏であり…つまりは、日本にスペシャルティ‘以前の’コーヒーを啓いたのも、UCC上島珈琲である。そして「日本スペシャルティコーヒー協会」の先駆である「全日本グルメコーヒー協会」(1987年設立)はUCC上島珈琲内に事務局を置いていたのであり、 「世界スペシャリティーコーヒー会議」(1999年)を日本で催して、これを機に「全日本グルメコーヒー協会」を「日本スペシャリティーコーヒー協会」へ改称した主導もUCC上島珈琲である。したがい、2003年4月22日に「日本スペシャルティコーヒー協会」(SCAJ)が設立され、同年7月17日にSCAJ設立総会が開かれた際、UCC上島珈琲の上島達司氏が初代会長に就任していたことは必至でも当然でもあろう。‘スペシャルティコーヒー’を日本のコーヒー界に啓いた者はUCC上島珈琲である、好むと好まざるとに関わらず。
 
映画『コーヒー&シガレッツ』(Coffee and Cigarettes)がヴェネツィア国際映画祭で初公開された2003年、この年の6月にはコメダ珈琲店が横浜江田店を関東地方へ初出店し、同月に上島珈琲店が第1号店(神田神保町店)をオープンした。スターバックスコーヒーがシアトルズベストコーヒーの北米事業を買収した2003年、日本のスターバックスは国内計500店舗に達した(今2013年に1000店舗を超える予定)。当時はスターバックスを‘スペシャルティコーヒーストア’であるとスタバの自称通りに信じている愚か者がまだ大勢いたのである。また「全日本コーヒー商工組合連合会」が資格(現:コーヒーインストラクター・コーヒー鑑定士)の認定制度を立ち上げたのも2003年である(但し、「全日本コーヒー商工組合連合会」は‘我が国で初めて’などと虚偽を謳っているが、1999年には「日本スペシャリティーコーヒー協会」が「コーヒーマイスター養成講座」を既に開設していた)。2003年の日本のコーヒー界は、「日本スペシャルティコーヒー協会」が設立されたものの、市場実態の大方ではコモディティコーヒーの領域で従来通りの展開をみせていたのに過ぎなかった、十年一日の如く。
 
  十年一昔2
そして10年後の今2013年、‘スペシャルティコーヒー’に盲従する者が伏し拝む品評催事「カップ・オブ・エクセレンス」(CoE)に大きな変化が見られる。ブラジル(レイトハーベスト)・コロンビア・ホンジュラス・コスタリカ・エルサルバドル・グァテマラ・メキシコと、7月までに開催された7ヵ国のCoEオークション全てで、UCC上島珈琲が最高額落札者となったのである。1999年より「カップ・オブ・エクセレンス」が開かれて以来、丸山珈琲をはじめ日本のスペシャルティコーヒー店として名を売ってきた者どもが顔色真っ青の事態、大手企業UCC上島珈琲の急襲である。しかしながら、その意図はともあれ、UCC上島珈琲には「日本に‘スペシャルティコーヒー’を啓いた者」としての既得権があるから、十年一剣を磨いてその権利を行使に来た、とも思える。もっとも、行使した者も、それを妬み嫉み羨む者も、正真の‘スペシャルティコーヒー’から遠く離れた品評催事を良しとする限りは、品性下劣であることに変わりないが…
 
日本における‘スペシャルティコーヒー’の輓近10年、十年一昔でもあり、十年一日でもあり、十年一剣を磨いたのでもあり…好むと好まざるとに関わらず、スペシャルティの得体は知れない。さて、さらに10年後の日本に‘スペシャルティコーヒー’はあるか?
 
コメント (10) /  トラックバック (0)

コメント

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ナカガワ URL [2013年07月27日 12時15分]

今年80周年ですから、80回1位を落札する企画なのかもしれません。適切な価格で売ってほしいです。

to:ナカガワさん
帰山人 URL [2013年07月27日 18時00分]

いやいや、いくらで売ろうが「UCCのCoE」っていうだけで何だか権威(?)を穢されたように感じて反発するスペシャルティ盲従CoE信奉者も多いでしょうから、ルワンダ・ブルンジ・ブラジル(アーリー)も制覇してもらって、10種類セットで80万円とか出して欲しいナ、私は。CoEを陳腐化させる早道にもなるし…そういう底意地の悪い軋轢の後にでしか、‘適切’は生じないものです。

No title
じょにぃ URL [2013年07月29日 17時32分] [編集]

帰山人さん。
何年かかるかわかりませんが
最終的には缶コーヒーやコンビニで
スペシャルティが発売されて
100円で買えるようになって終了ですかね。
そしてそのうちどなたかが
スペシャルティの次を考えて
それに我先にと群がると。
世の中の話題作りの一つにすぎないのかもしれませんね。
結局は品種のブームがありながら
深煎りと浅煎りブームが交互にやってくる。
一般的な世の中としては
ただこれの繰り返しなだけのような気がします。
貪欲な人間の終わることのない欲求解消の一つにすぎない
そんな感じがします。

to:じょにぃさん
帰山人 URL [2013年07月29日 19時17分]

‘群がる’者は何にでも群がります。‘繰り返し’と言っても、コーヒー飲用自体には繰り返すほどの歴史があるワケじゃ無い。人間の錯誤は繰り返しますがね。人為か自然かの原因は問いませんし何年かかるかわかりませんが 、コーヒーは「消える」と思いますよ。

No title
teaR URL [2013年08月04日 22時40分] [編集]

全然しりませんでした。COEってそんなことになっているんですね。超高額で下手くそな焙煎の美味しくないコーヒーが販売されたら笑うなー(といっても高額なら飲まないから味はわからないけど)。

もしかしてだけど~もすっごく面白い!

to:teaRさん
帰山人 URL [2013年08月04日 23時09分]

ええ、そんなことになっているんですよ(笑)ここまで徹底されると今後の動向も気になる…もはやワイドショーですナ。それはそうと、下手くそな焙煎の美味しくないコーヒーが誰かから届いたら笑ってネ。

No title
teaR URL [2013年08月07日 00時55分] [編集]

帰山人さん、豆とどきましたー、ありがとうございます。さっそくブレンドはいただきましたが、美味くて驚きました!どうやって焙煎しているのか気になります!定期的に購入したいかも(笑)
リベリカは今までの経験上、美味しいイメージがないのですが、楽しみにしています。
もうひとつのいびつなお豆たちはなんでしょ?

あいまいな記憶ですが、帰山人さんのパナマ ゲイシャの深煎りが美味しかったと聞いた気がします。(あと他にも聞いたのですが忘れてしまいました)ホントにもっと色々飲んでみたい!

to2:teaRさん
帰山人 URL [2013年08月07日 12時14分]

あ、小袋に入れてあるのはリベリカの生豆なので淹れて飲まないようにネ(笑)ブレンドに使用したグァテマラとタンザニアはJose川島‘ハンターズ’の豆です。「だから美味しい」では無くて「スペシャルティをこう使ってもウマい」というのが‘狙い’の真面目なキワモノ(笑)

No title
teaR URL [2013年08月11日 21時06分] [編集]

あの豆、ハンターズなんですね。同じ農園だけど、違うとこでも扱っているのかなぁなんて思ってました。ハンターズのキレマチャーチ好きなんですよ。通常買えないですよね?(よく知りませんが)

ミカフェートの豆を違う人が焙煎したの飲みたい!ってずっと思っていたから、すんごくうれしいっす!まだまだいろんな顔がありそうなお豆たちですね(スペシャルティをこう使っても…というか、川島さんの豆をこう使ってもウマいという感じですね)

生豆はリベリカなんですね。そうかと思いましたが、小さいのもあるし歪なのもあるし何だろ?って思ってました。味は…もう何度か飲んでみてから判断します…(前に飲んだことあるリベリカエレファントよりずっと美味しいですが)

このネタってブログで使っても大丈夫ですか?

to3:teaRさん
帰山人 URL [2013年08月12日 01時57分]

ま、いずれもキワどい話題ではありますナ、キワモノだけに(笑)
ま、飲めりゃイイんですよ、ウマけりゃ尚イイ、私としては(笑)

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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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