味覚と快楽の螺旋

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2013 [2013年06月29日 05時00分]
湯川学(帝都大学理工学部物理学科准教授)がインスタントコーヒーを好む理由は、‘味など無関係、レギュラーコーヒーを淹れる時間が無駄だから’と言われていたが…ブレまくってる。
 
  〈岸谷〉 インスタントコーヒーが好きだったんじゃなかったの?先生は。
  〈湯川〉 バドミントン大会で優勝したら、賞品がコーヒーメーカーだった。
        使ってみると、なかなか便利だ。
  〈栗林〉 1杯当たりの単価も安いしねぇ。最初っから、こっちでよかったのに。
  〈湯川〉 それはありませんね。    〈栗林〉 えっ?
  〈湯川〉 コーヒーメーカーには、大きな欠陥があります。    〈岸谷〉 欠陥?
  〈湯川〉 それは…インスタントコーヒーの味が出せないことだ。
  (ドラマ 『ガリレオ』 第2シーズン 最終章「聖女の救済」前編/2013年6月
   17日放送)
 
欠陥? 味が出せない? 誰が証明したんだ?2009年4月ネスレ日本は「ネスカフェ バリスタ」というインスタントコーヒー専用の家庭用コーヒーマシンを発売した。2012年9月には家庭外のオフィスにも「ネスカフェ バリスタ」を浸透させるために「アンバサダー」の募集を開始、既に応募者が8万人を超えた(2013年5月時点)。そして「ネスカフェ バリスタ」の累計販売台数は2012年10月に100万台を超えて、最近では140万台を突破している。「ネスカフェ バリスタ」(2012年11月「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」へ改称)は、インスタントコーヒーを使用するコーヒーメーカーとして、泡を浮かべようが牛乳と混ぜようが、当にインスタントコーヒーの味が出ている、いや、それしか出せない。…これが笑わずにいられるか。こんな単純な事実をアノ湯川学が見過ごしていたのかと思うとね。 実におもしろい…「味覚と快楽の螺旋」。
 
         味覚と快楽の螺旋0          味覚と快楽の螺旋
 
その『ガリレオ』の中で湯川学が《使ってみると、なかなか便利だ》と好評したコーヒーメーカーは、東芝製の「HCD-6MJ」であった。この機種は、蒸らし時間の有無で味わいを選択できる‘ダブルテイストドリッパー’、挽き豆の微粉を除去する‘フリフリセパレーター’、繰り返し使用できるナイロンメッシュの‘ペーパーレスフィルター’を特徴としている。ん? ペーパーレス?…
 
  〈岸谷〉 …さらに、シンクの横にあったコーヒーフィルター、そしてヤカンからも
       ヒ素が検出されました。検出されなかったのは、三角コーナーに捨て
       られていた紙フィルターと、ゴミ箱にあったミネラルウォーターのペット
       ボトルです。
 
岸谷美砂(貝塚北署刑事課強行犯係警部補)は湯川学の研究室で、殺人事件現場の状況を再現するかのように説明する。その際、コーヒーメーカー「HCD-6MJ」のスイングバスケットから全く躊躇無く‘ペーパー用フィルター’を取り出し、続いて三角コーナーに捨てられた使用済みの紙フィルターを示す。湯川学が「HCD-6MJ」でコーヒーを淹れた際に‘ペーパーレスフィルター’では無く、紙フィルターを使った理由はナゼか? 「HCD-6MJ」の新品に紙フィルターが5枚同梱してあるので、まずはそれから使ったのか? そもそも、オープン価格とはいえ、実勢で3千円程度に売られている「HCD-6MJ」を優勝賞品にしたバドミントン大会もセコい。東野圭吾は原作の推理小説『聖女の救済』(『オール讀物』連載、後に文藝春秋刊)を書く際、《キーワードは、論理的じゃない、合理的じゃないという言葉》、と考えたと言う(「ガリレオ創作秘話──閃きはすべてものにする」/Webサイト『倶楽部ガリレオ』)。なるほど、テレビドラマ『ガリレオ』でのコーヒーメーカーの扱い、こんなのはまったく論理的じゃない、合理的じゃない、やはり物理とは何の関係も無い。さっぱりわからない。実に興味深い…「味覚と快楽の螺旋」。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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