燃ゆる陶工

ジャンル:学問・文化・芸術 / テーマ:art・芸術・美術 / カテゴリ:観の記:美面 [2013年05月19日 05時30分]
ちょうど1年ぶりに「八兵衛」を訪れて、ちょうど1年ぶりに「せいろ」のおかわりを「田舎」で。
まずは麺だけ、次に新潟の玉藻塩で、さらに甘過ぎず濃過ぎない汁で、おろし大根を添え、
葱を添え、山葵を付け、七味唐辛子をかけ…味わい広い変化を2周楽しみ、「ご馳走様」。
 燃ゆる陶工 (1) 燃ゆる陶工 (2) 燃ゆる陶工 (3)
コーヒーの苑」に寄って、「和馬の企画展を観てきます」と。中野和馬と同じ高校に学んだ
私であるが、和馬は3回生下の後輩、彼と初めて直に会った場は、「コーヒーの苑」だった。
高校の恩師に知らされた別の喫茶店で私は「苑」の存在を知り、今度は私が「苑」を恩師
に紹介し、恩師も「苑」の常連となって教え子に紹介した…その教え子が中野和馬だった。
 
「夭折の陶芸家 中野和馬という男」 (駿府博物館:企画展)
 
 燃ゆる陶工 (4) 燃ゆる陶工 (5)
中野和馬(1966年7月24日-2009年9月18日)のを知って約3年半、今般と同様
の旨による企画展は既に3度ほど各所で催されていたが、私が足を運ぶのは今回初めて。
挨拶文や年譜、引き伸ばされた和馬の写真が壁面に掲げられ、作品がガラスケースの中
に並んでいる…美術展としては至極当然のことであるが、どうにも私は違和感が拭えない。
工房では焼きものが完成前後を問わず隙間無く雑然と並んでいる、ギャラリーでも個展の
開催に遅れて着いた作品が新聞紙でくるまれてダンボール箱にゴロゴロと転がっている…
それが‘陶工’であった和馬の焼きものを‘見る’尋常であったハズが…‘夭折の陶芸家’…
‘ゲージュツカ’として扱われる‘テンランカイ’で‘ビジュツヒン’を観ている…つまりオマエ、
死んじまったんだなぁ、和馬よ。杯にしろ壺にしろ皿にしろ、比較的整った陶芸作品が並ん
でいる、それを悪くも思えないが、もっと大胆にイッてしまった焼きものがあったハズ、そう
思っているうちに観終えてしまった。美術展などに行っても鑑賞嫌いで観賞好きな私である
が、この「夭折の陶芸家 中野和馬という男」では感傷が干渉して、作品を観照し難く、感賞
もできない。作品よりも昔日を観て回った感、湿った気分にはならないが、奇妙な心持ちだ。
 
 燃ゆる陶工 (6) 燃ゆる陶工 (7)
階下の呈茶コーナーで和馬の実家「カネツ中野園」の茶と柚子が香る菓子をいただけば、
和馬のご母堂から挨拶を受け、暫し談話。生前の和馬が、焼きものだけでなくコーヒーも
一時焼いていたこと、そのキッカケが私と恩師・杉本修美氏と「コーヒーの苑」にあったこと
などを話す。私にとって‘中野和馬という男’は、工房に居て焼きものとコーヒーを焼き続け、
茶畑だらけの台地の道を軽トラで走り回る、そういう男だった。‘夭折の陶芸家’…と言うよ
り‘燃ゆる陶工’とでも称したい…帰宅後、和馬が遺した杯で茶を喫しながら、そう想った。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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