観てジャンゴォ~

ジャンル:映画 / テーマ:映画感想 / カテゴリ:観の記:映面 [2013年03月02日 23時30分]
マカロニ・ウェスタンについて、田中英一(「西部劇通信」主宰/1930-1981)は言った、
《マカロニ・ウェスタンという新造語は日本人がつくった。マカロニ=イタリアという発想は
イタリア料理への認識不足だが》(『グルメのためのシネガイド』 早川書房:刊 1984年)。
確かに‘マカロニ・ウェスタン’は日本(と韓国の一部)でしか通用しない語であるが、元は
‘Spaghetti Western’(スパゲッティ・ウェスタン)であり、淀川長治(1909-1998)が
スパゲッティをマカロニと改名したという説もある。『グルメのためのシネガイド』の共著者
である淀川長治は、あとがきで《今は亡き親友であった田中英一君と、(略)同じく一冊に
同居したことは、ますます楽しき私には記念となりました》と述べ、後輩に実に寛容である。
私がヨドチョーだったら、傑作“Django”『続・荒野の用心棒』(1966年)のフランコ・ネロ
よろしく、《認識不足》の田中英一を機関銃で蜂の巣にして棺桶にぶち込んで引きずり歩く。
 観て目覚める 観て目覚める (1)
そして先般に新たなUSA製マカロニ・ウェスタン(?)“Django Unchained”予告編を観る
…ん?新たなジャンゴ(ジェイミー・フォックス)へ「オマエの名前は?」と訊ねているのは…
古いジャンゴのフランコ・ネロ!…「‘D’は発音しない」でニガー笑い、タラちゃんやったな!
 
『ジャンゴ 繋がれざる者』(Django Unchained) 観賞後記
 
本作を‘disrespectful to my ancestors’(わたしの先祖に失礼)と評したスパイク・リー、
この極めて失礼なニガーは生死に関わらず映画界を即座に引退すべきであろう。さらにも
失礼であるは、昨2012年12月14日に予定されていた本作のプレミア上映を、同日朝に
起きた「サンディフック小学校銃乱射事件」に影響されて中止したことである。事件の後に、
タランティーノ原案の“Natural Born Killers”『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994年)を
名指しで「殺人を美化した下劣なポルノグラフィー」と非難した全米ライフル協会(NRA)の
ウェイン・ラピエール副会長こそ、ジャンゴによってライフルで撃ち殺されるべき人物である。
 観て目覚める (3)
例えば同じエキセントリックの臭いでも、デヴィッド・フィンチャーの狙いには偽善が芬芬と
臭うが、クエンティン・タランティーノの外連には愛嬌が香る。だから、タランティーノ作品に
「死」と「暴力」が深層から噴出して劇話の表層にこびりつく感じは、クリント・イーストウッド
作品と「繋がる者」であるし、観ていて心地好い。いや、本作『ジャンゴ 繋がれざる者』は、
“Unforgiven”『許されざる者』(1992年)に「許される者」として残っていた気恥ずかしさ
を見事に払拭した作品である。フィンチャーのような本当に「許されざる者」には到底作る
ことができない映画、「死」と「暴力」に素直な愛着を示してイーストウッドを超えた傑作だ。
 観て目覚める (2)
ニガーの賞金稼ぎジャンゴがニガーの奴隷頭スティーブンを撃ちいたぶって爆死させる、
この矛盾の痛快、そのスティーブンを演じたサミュエル・L・ジャクソンが一番巧い助演者、
この矛盾も痛快。“Inglourious Basterds”『イングロリアス・バスターズ』(2009年)は
観てビンゴォ~’、さらに目が覚める『ジャンゴ 繋がれざる者』は当に‘観てジャンゴォ~’。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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