アウォード2012発表!

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:日本珈琲狂会 [2012年12月26日 05時00分]
「CLCJ Award 2012」 並びに 「CCAJ Award 2012」 を発表する。
 
 
“CLCJ Award 2012”(日本珈琲狂会アウォード2012)発表!
 
 「ヴェルジ賞」(Verde Award)
  『エスプレッソーダ』:(サントリー食品インターナショナル株式会社)
 
 【授賞理由】 サントリー食品インターナショナル株式会社(以下、サントリーと略す)は、
  「エスプレッソのようなコク・苦味と炭酸の刺激を両立した働く大人向けの炭酸飲料」
  と称して、2012年7月31日より日本国内の全域で「エスプレッソーダ」を発売した。
  サントリーは同様のコーヒー入り炭酸飲料「カフェアナ」(瓶入り)を1984年に発売し
  て失敗したにもかかわらず、58億円を投下した炭酸充填の自社設備の償却を目的
  とし、2009年に買収した柑橘系炭酸飲料「オランジーナ」の改変日本版(2012年
  3月27日発売)が出だし好調であったことにも慢心して、後続のコーヒー入り炭酸飲
  料「エスプレッソーダ」を投入した。安易な発想で発売した本商品は、「コーヒー由来
  のクセになるおいしさと爽快な後口」と掲げた特長に反して、「罰ゲーム飲料」や「二
  度と飲まない」など飲用者の不評通りに香味が低俗劣悪であり、発売当初から廉売
  処分品として流通市場で扱われ、「コーヒー入り炭酸飲料」の文字通りに泡と消えた。
  その独自性・革新性・企画力・市場性のいずれも低く評価されて、ヴェルジに値する。
 
 【選評】 「ネスカフェ 香味焙煎」(2010年ヴェルジ賞)より2年ぶりに受賞する勢いで
  「ネスカフェ 珈琲の恵み 生豆茶」を発売(2012年9月1日)したネスレ日本株式会
  社であったが、その拙劣な商品が北海道(及びインターネット通販)では2011年に
  先行発売されていたこと、コーヒー生豆由来の成分が配合されたとはいえ、コーヒー
  飲料ではなくて茶類飲料であること、などを理由として惜しくも最終選考で落選した。
  また、「ワールドスペシャルティコーヒーカンファレンス アンド エキシビション 2011」
  (2011年ヴェルジ賞)に続いて連続受賞する勢いで「ジャパン ハンドドリップ チャン
  ピオンシップ 2012」(JHDC2012)を初開催した一般社団法人日本スペシャルティ
  コーヒー協会(SCAJ)であったが、その拙劣な競技の運営には取り沙汰する価値
  すら無いこと、などをもって惜しくも最終選考から漏れ落ちた。対して、愛好するべき
  コーヒーの語に非難や不満の意が込められる「癖に」を付して「珈琲のクセに炭酸」
  と謳い、大手企業の癖にコーヒー飲料にも炭酸飲料にも列したくない飲料を再度に
  発売したサントリーが、その拙策の積み重ねも手伝って最終選考まで残り、今般は
  見事に「ヴェルジ賞」を獲得するに至った。そもそも自ら「働く大人向け」と謳っておき
  ながらCFでは「大人のクセにはじけてる」と低劣なテーマを掲げて実のない煽りばか
  りで売り出したこと、コーヒーに加えて人類の品格を貶める企画であり、日本珈琲狂
  会は「ヴェルジ賞」授賞を機にサントリーに対して商品開発の良識自体を問いたい。
 
 
“CCAJ Award 2012”(日本コモディティコーヒー協会アウォード2012)発表!
 
 「CCAJ賞」(CCAJ Award)
  『モカに始まり』(手の間:刊):(森光宗男)
 
 【授賞理由】 今やいわゆる「モカコーヒー」の探究者として著名な森光宗男氏が著した
  『モカに始まり』は、2012年11月より発売された。5回のイエメン視察と6回のエチ
  オピア視察の体験談を中心として写真やエッセイなどが加えられた本書は、以前に
  雑誌等へ寄せた文言を改めて編み直した書籍であり、「モカをテーマに珈琲の真実
  を求め」て思慕と気風を綴る試みは、森光氏自らの半生記としても結実させている。
  廃港モカの空と海の色を移したかに見える直青(ひたあお)なる装丁が示すように、
  世界に波及していったモカの記憶を自意識の回顧や延長でとらえようとした筆致は、
  エチオピアやイエメンなどのコーヒー事情を表す単なる資料的価値を超えて、散文
  詩の態を輝かせている。「珈琲の僕として」嗜好に偏執した人間の情念を語る著述
  として他の追随を許さない、その矜持に満ちた姿も高く評価されて、称讃に値する。
 
 【選評】 過去2年のCCAJ賞(2010年:『コーヒー栽培の基本 アラビカ編』:川島良彰
  /2011年:『田口護のスペシャルティコーヒー大全』及びその「関連事象」:田口護
  ほか)に続き匹敵する価値を認める事象の選出自体に、今期は難渋した。しかし、
  期末近くに発刊された『モカに始まり』が登場して、迷い無く最終選考を突破し、今般
  見事に「CCAJ賞」を獲得した。前2年のCCAJ賞が客観と論理に優れたいわば外向
  きの啓蒙装置としての機能性を讃したことに比して、今般のCCAJ賞は主観と独断
  に秀でたいわば内向きの述懐作品としての物語性を賞したものである。コーヒーを
  愛好し続ける中では、正しい記号化の確からしさのみではなく、時に我執に満ちた
  熱い心象に魅せられる仄暗い不確かさも要する。この点で、正しい記号化を表層で
  唱えながらも実際には内向きにしか機能していない近時のスペシャルティコーヒー
  などとは違い、我執を潔く飾って語る森光氏は達者。その意義を踏み込んで評すれ
  ば、そこに滲出している著者の情感は、コーヒー関連の商業的益性とは無縁であり、
  一種の閉ざされた世界のコーヒーアートであろう。日本コモディティコーヒー協会は、
  詩性に富んだ創話『モカに始まり』と、それを著した森光宗男氏の熱い情念を、コー
  ヒー愛好の世界に遺されるべき‘Coffee Heritage’(コーヒーヘリテージ)と認める。
 
 
上記2つのアウォードは、日本珈琲狂会(Coffee Lunatic Club of Japan:CLCJ)と
日本コモディティコーヒー協会(Commodity Coffee Association of Japan:CCAJ)
により、2012年(選考対象期間:2011年12月1日~2012年11月30日)のコーヒー
に関連する事象を選出して、その可能性や成果を認めたものを選り分けて授賞とした。
この2つのアウォードに関しては、2010年以来の授賞と同様にして、CLCJ主宰並びに
CCAJ創設者である鳥目散帰山人の独断にて発表したものである。したがい、選考から
授賞まで、授賞理由及び選評を含めて鳥目散帰山人の責である。ここに、「ヴェルジ賞」
の受賞者には哀哭の罵声を、「CCAJ賞」の受賞者には賞賛の拍手を贈らせていただく。
 
コメント (8) /  トラックバック (0)

コメント

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y_tambe URL [2012年12月26日 18時44分] [編集]

ヴェルジ賞の「エスプレッソーダ」、CCAJ賞の「モカに始まり」、どちらも納得の受賞、さすがです。

to:y_tambeさん
帰山人 URL [2012年12月26日 21時59分]

「エスプレッソーダ」はともあれ、「モカに始まり」はやや隠し玉っぽい選球でしたから、ちょっとドキドキしましたが、Tambeさんに納得いただけたので、やっと安堵(笑)

No title
珈子 URL [2012年12月27日 09時01分] [編集]

今年はお目にかかれてうれしかったで~す!
私にとって帰山人のブログは難しい時もあるのですがと~っても勉強になります。
古い時代のイギリスのお屋敷の執事・・・なが~くお屋敷で仕事をしていて何もかも知っている執事。とても静かなんだけどここという時はズバッとものを言う。お屋敷をコーヒー業界だとしたら少し離れたところでしっかり見つめている・・・そんなイメージの帰山人さんですから・・・私は帰山人さんのことを「コーヒー界の執事(一番信頼しているのも含めて)」と読んでいます。
来年はもっとお目にかかりたいです。

to:珈子さん
帰山人 URL [2012年12月27日 20時58分]

そう、お会いはできましたが話足りていませんね。
「コーヒー界の執事」…身に余りますが、バトラー(?)だとしたら、「古い時代」といっても百年位前にしておきたいなぁ。ヴィクトリア朝以前のバトラーは本当に(ワインの)ボトル係、ヴァレットより下の使役人でしたから…まぁワインと同様に不純に添加されたコーヒーをクリアにするうちに地位が向上して、しまいにゃ屋敷(コーヒー界)のどこでもノック無用になったジェントルマンならば恰好良いのですが…どうも最近はお屋敷自体がボロくなってきたような…^^;

No title
じょにぃ URL [2012年12月28日 11時48分] [編集]

帰山人さん。
年末のご挨拶の流れに便乗しまして。
今年もありがとうございました。
私のしょーもないブログもリンクして頂き
大変恐縮です。
私は帰山人さんは
珈琲界の黄門様だと思っています。
勿論隠居はしていませんが(^^;)
珈琲界を正しい方向へ導く
珈琲界になくてはならない方だと思っております。
来年もよろしくお願い致します。

以前。SCAJの企画についてありましたが。

”帰山人と行くSCAJツアー”

なんてどうでしょうか?

ほていやを根城に
朝はバッハで朝食。
チャーターしたバスで会場へ向かい
三日間帰山人さんと一緒に巡る。

これだったら会社休んで行きます!!

如何でしょうか?

な~んて。(笑)

帰山人さんも本日が仕事納めでしょうか?

それではよいお年を。



No title
t.matsuura URL [2012年12月28日 14時38分]

飲料系なら、昨年の「ネスカフェ 生豆ブレンド」に
「ヴェルジ賞」を獲得して欲しかった…
発売時期が悔まれます。
来年以降、生豆ドリンクがさらに発売されて
一連のシリーズで受賞、みたいな可能性に期待したいです。

「モカに始まり」読んでみます。
「日本コモディティコーヒー協会『CCAJ賞』受賞!!!」
なんて帯についたりすれば面白いですね。

to:じょにぃさん
帰山人 URL [2012年12月28日 21時55分]

うぅ、褒めていただいているのでしょうが黄門様は嫌です。だって官職の正名は‘黄門侍郎’…私、痔持ちですから‘肛門痔瘻’は痛い(笑)まぁ、水戸黄門なんて掃いて捨てるほど(?)7人もいたので、もう充分でしょう。
私は珈琲界を怪しい方向へ導きたいんですよ。だから‘帰山人と行く珈琲冥界ツアー’なら考えてもイイ。ってコトで来年もヨロシク~^^/

to:t.matsuuraさん
帰山人 URL [2012年12月28日 22時00分]

ネスレはヴェルジ候補としては常連なんだけどねぇ…村上春樹のノーベル賞みたいなもんでしょうか?(笑)
『モカに始まり』に腰巻はつけにくいよぉ…実際に本の仕立てを見りゃわかるハズです^^/

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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