予感と珈琲と、時々、駑鈍

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2012 [2012年05月25日 04時30分]
「日蝕と珈琲」…2012年5月21日の日蝕を記念し、日蝕という名のコーヒーリキュール
エクリッセ」‘Eclisse’を、改めて実際に喫して楽しんでみよう。その味わいやいかに?
  Eclisse.jpg  Eclisse (1)
 
まず、「エクリッセ・エスプレッソ」をそのままで…コーヒーリキュールの類では透明度が
低い、やや濁りのある液体。「カルーア」や「ティアマリア」と比べて、赤味が弱く黒っぽい
色を呈する。香りは、コーヒー系の匂いも強いが、それよりも先に目に染みるような独特
の刺激臭を感じる。味に関しても、コーヒー味とは離れたところにニュートラルスピリッツ
様の生生しい刺激。私には面白いとも感じられるが、万人に飲みやすい味と言えない。
コーヒー味の部分では、香り以上に苦味が強く、中南米系のコーヒーリキュールに共通
して感じる酸味をほとんど感じさせない。この点も、コーヒーの酒らしく野太いと捉えるか、
味の幅が狭く単調と捉えるか、の好き嫌いで「エクリッセ・エスプレッソ」の評は分かれる。
 
次に、「ブラン・エ・ノワール」仕立てで…加糖して急冷した濃いコーヒー(エルサルバドル
中深煎り)抽出液に「エクリッセ・エスプレッソ」を加え、その上に生クリームを浮かべる。
アルコール分の入った「ブラン・エ・ノワール」としては、かなり強い味になった。それを
予感して上部にエバミルクなどを用いずにあえて生クリームだけにしたが、「エクリッセ」
の存在感はそれを撥ねかえす強さがある。コーヒー液への対比を減らしても、隠し味に
ならない、むしろ「エクリッセ」を主体にした「ブラン・エ・ノワール」様カクテル(?)に向く。
 
さらに、「アフォガート」仕立てで…バニラ香の強いアイスクリームは合わないと予感して、
「シャトレーゼ 北海道スーパープレミアムアイスクリーム ミルクトラディショナル」を使用、
器に移したアイスクリームに「エクリッセ」をかけ注ぐ。もっとも合いそうな予感を裏切り、
ここでも「エクリッセ」のコーヒー香味とアルコールの刺激がバラバラに感じられ、アイス
クリームのミルク感に馴染まない、「コーヒーリキュール・アフォガート」としては大失敗。
おそらく、「ブラン・エ・ノワール」の下層液のように、加糖コーヒー液と混ぜ合わせてから
使用すれば、渾然一体となる新しい味わいが生ずる可能性はある。今後に調整を残す。
 
「エクリッセ」独特の風味は、原料に使用されたコーヒー豆の種類(コロンビア・ブラジル・
コスタリカの3種ブレンド)がどうのというよりも、製法そのものが大きく影響しているか?
他のコーヒーリキュールは焙煎したコーヒー豆をベーススピリッツに浸漬する製法が主
であるが、「エクリッセ」は(エスプレッソ法で)抽出したコーヒー液をスピリッツに混ぜて
作るらしい。後付け混合とでもいうべき製法では、コーヒー液とスピリッツとが馴染みき
らないのであろう、太陽と月の軌道が直接には交わらないように…それが「エクリッセ」。
 
 
  Eclisse (2)  Eclisse (3)
2012年5月21日朝、日蝕を観る。蝕は金環及び部分で、「夜来たる」にはならなかった。
翌22日、「東京スカイツリー」(2008年7月14日着工、2012年2月29日竣工)が開業。
  《「東京スカイツリー」という名称を始めて目にした時、私は「ジャックと豆の木」の
   童話を連想しました。何処までも空に伸びる木。それは夢と希望の象徴です。
   メルヘンとロマン、そして親しみやすさに加え、他にはない独創性を兼ね備えた
   このネーミングは、新しい時代のタワーに相応しいと思います。…》
   (阿木燿子「新タワー名称について」/2008年6月10日)
「東京スカイツリー」という名称は、当初の一般公募案では極少数であったが「新タワー
名称検討委員会」の阿木燿子氏が一貫して推し続けて選定された、軌道が外れている。
たかだか634mの鉄塔ごときに「豆の木」=‘beanstalk’(ビーンストーク)と言うか…
「ビーンストーク」とは、チャールズ・シェフィールドのSF『星ぼしに架ける橋』“The Web
Between the Worlds”(1979年)に登場する軌道(宇宙)エレベータの名称である。
「東京スカイツリー」の足元では、駑鈍な外来及び日本のコーヒー店やカフェが多数の
開店、所詮は重力に縛られたフラットランダーが喜ぶだけ、こちらも軌道が外れている。
 
 
「エクリッセ」はヨカン(予感)を超えたコーヒーリキュールだったが、「東京タワー」(日本
電波塔)の後継鉄塔は日蝕に続いて上の空の騒動、ヨカン通りにドドン(駑鈍)である。
目下のところでは「東京スカイツリー ヨカンとコーヒーと、時々、ドドン」とでもいうべきか?
コーヒーの未来に、「夢と希望の象徴」となる「ビーンズストーク」は現れるのであろうか?
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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