蕎麦に居るね 11

ジャンル:グルメ / テーマ:うどん・そば / カテゴリ:食の記 [2012年05月22日 23時00分]
富士山の周囲を南側から西側を通って北側へ走るトレラン大会参加、前後で蕎麦二演。
 
 
2012年5月18日
「八兵衛」で蕎麦を食す。
 
  蕎麦に居るね11
静岡県藤枝市にある蕎麦屋「八兵衛」を久しぶりに訪ねる。親方の町塚さんとは、店で会うよりも、130m先の「コーヒーの苑」のカウンターで遇う方が多かったのも、今は昔。店長は代替わりしたが、相変わらず活況繁盛の店。「せいろ」のおかわりを「田舎」で。
 
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「せいろ」(そば)
香りにも歯応えにも味にもキレがある、厭味のないクリーンな蕎麦粉の味わい、ウマイ! 石臼機械挽きとはいえ、その独特の押し挽きと篩掛けの妙から得られた粉の味わいは、ヘタな手挽き以上に清涼かつ強い感じ。コレコレ、他にも有りそうで無い「八兵衛」の味。
 
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「田舎そば」
太目の麺は「せいろ」と異なる味わいは無論だが、しっかりと弾力のある歯応えが好い。殻で臭みが出るほどでもなく、甘皮で粘りつきが出るほどでもない、程好い味の濃さだ。途中、多めに擂っておいた山葵をたっぷりつけて口に入れれば、また別の佳味が湧く。
 
歩留りと体裁ばかりを追う大規模経営と異なり、偏狭で勝手気ままな職人風情でも無く、原料と加工を素直な目で眺め直し、広く知見を求め、カンでは無く客観と論理で解き説く、決して独り抱えにしないで後進次代の育成を怠らない、最も常識ある挑戦は業界の薄い伝統に照らして非常識とされ、清潔で合理的で飽きない店の構え、覇気と節度のある接客声掛けのオペレーション、笑いと活気のある店に人が集い、そこに文化が生ずる、正しく凡庸な店、安定して進化する店…「八兵衛」は珈琲屋「バッハ」の蕎麦屋版である。改めてその評に確信を抱きながら蕎麦湯を飲み干し、心からの「ごちそうさま」を発した。
 
 
2012年5月20日
「天真」(てんまさ)で蕎麦を食す。
 
  蕎麦に居るね11 (3)
河口湖畔のトレラン大会会場近くにある店へ、気まぐれ初訪で昼食。この店は、蕎麦を手打ちしているとはいえ本業でなく、業態は天ぷら屋。弧を描くカウンターのみの店だ。
 
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「天ざる」(そば大盛り)
カウンター向こうの眼前で揚げた天ぷらを男性店主が店奥に走って運び、直後に女性奥方(?)が茹でた蕎麦を横に盛って運ばれ戻ってきた。忙(せわ)しないが、旨そうだ。揚げたての天ぷらを横目に蕎麦から箸を付ければ、麺は変哲もないが、まずまず旨い。汁や薬味はさらに凡下で、相性悪くはないが面白味無い。卓上の塩で食べる油の香味薄いサッパリ系の天ぷらに箸を移せば、揚げ加減は野菜・海老共に手練の味わい好し。
 
天ぷらは(焙煎胡麻油で揚げる東京・浅草「大黒家」のようではなくて、親戚筋でも全く調理が違う)東京・柳橋「大黒家」のように、綿実と太白胡麻で揚げているようで、コレ蕎麦の味を殺さない、上品な食事構成として大変ケッコウ。但し、店主と相方の双方が不機嫌丸出しで剣のある物言いが飛び交う、東京都板橋区大山町の定食屋に入った井之頭五郎(『孤独のグルメ』第12話)の気分になり、最後は殺意まで抱く。が昼食で殺人はツマラナイ、アームロックもしないで堪え出る。手技悪くないが運営手腕は最悪。
 
 
[余聞ごと]
 
「石臼挽二八打 まるきそば」
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「讃岐釜揚げうどん 丸亀製麺」を怒涛の如く増殖させている「トリドール」が、セルフ業態を蕎麦に移したのが「石臼挽二八打 まるきそば」。アンテナショップらしく、東京・西新宿(野村ビル地下)の店は訪ねる間も無く早々に閉店したが、岐阜県岐阜市の郊外にある「まるきそば」には既に5回ほど訪ねている。正真の讃岐うどん店であるか否かは別に「丸亀製麺」がセルフ業態でそこそこの水準にあるのと同様、「まるきそば」は蕎麦店の中で同じく位置づけられる。白っぽく打たれて細切りされた蕎麦麺は、決して香り高くはないが、汁と共に味は悪くない。天ぷらなどの惣菜やタネ物メニューに関しては、良くも悪くも「丸亀製麺」相当である。ある意味で、うまく「作られた」蕎麦屋として使いやすい。
 
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以前に取り上げた青い看板の「そば処 吉野家」と同様に、店舗数が増えることを秘かに望んでいるが、この「まるきそば」に軽侮されそうな蕎麦屋ばかりの業界には脅威か? もっとも「丸亀製麺」ほどに蔓延(はびこ)ることは望まない、増え過ぎは不味くなるから。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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