香りを求めて

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2012 [2012年03月25日 23時00分]
2012年3月24日、コーヒーの香りを求めて2題、静岡県遠州地区へ車を走らせた。
 
 
『珈琲の香り展』 (磐田市香りの博物館:企画展)
 
  コーヒーぞんざい コーヒーぞんざい (1) コーヒーぞんざい (2)
まず、「香り高きコーヒーとの出会い」という惹句を黙って見逃せない企画展、周知せざる愛称‘Parfum Forêt’(パルファン・フォーレ)も虚しい感ある「磐田市香りの博物館」へ。今般に初訪した旧称「豊田町香りの博物館」は、町木キンモクセイと町花フジとが香り高いという名目と、町内に高砂香料工業の工場があるという実質に由来し、1997年11月1日に旧・磐田郡豊田町(2005年磐田市に合併)で開設されて、今秋で開館15周年を迎える。
 
 コーヒーぞんざい (3) コーヒーぞんざい (4) コーヒーぞんざい (5)
入館して早速に 『珈琲の香り展』を観れば、なるほどUCC上島珈琲が協力した企画展、というよりもUCCコーヒー博物館による極少貸出しの展示品ばかり、質量共に拍子抜け。「コーヒーの香り」そのものに踏み込んだ解説や展示物が一切ない粗慢の企画、残念。
 
 コーヒーぞんざい (6) コーヒーぞんざい (7) コーヒーぞんざい (8)
観回った「香り」全般の常設展示に関しても、文化や歴史に関する切り口ばかり、化学や生理学の知見を機能論や生活論で捉える観点が不足している。唯一、体験コーナーでのコンピュータ診断「あなたのマイ・フレグランス」だけは面白かったが…。館内カフェテラスで限定スイーツ「テ・ベール(抹茶ケーキ)のコーヒーぜんざい添え」を食べながら、「市内に高砂珈琲(高砂香料グループ)の工場もある香りの博物館、例えばコーヒーの香気成分を化学的に解説するほどでなくとも、香り自体が切り口にない『珈琲の香り展』はダメだな。これでは‘コーヒーぜんざい’ではなくて‘コーヒーぞんざい’だ」、とつぶやく。
 
 
‘Surf House Ota’(サーフハウス オオタ)
 
 コーヒーと鉛筆2 (1)
途中は眺望すばらしい浜名大橋で浜名湖の南端を横切って磐田市から湖西市へ向かう、ドキュメンタリー映画『珈琲とエンピツ』を観て以来、その傑作の舞台を訪ねてみたかった。今般に初訪した‘Surf House Ota’は、『珈琲とエンピツ』の主人公でありサーファーでありボード職人である太田辰郎氏が営んでいるサーフショップ&ハワイアン雑貨店である。
 
 コーヒーと鉛筆2 (2)
店内に入れば早速に、《来てくれた人に、まず珈琲を入れ、ジェスチャーで勧める》という映画『珈琲とエンピツ』のシーン通り、太田夫妻から笑顔と共にコーヒーをサービスされる。「磐田市香りの博物館」でも映画『珈琲とエンピツ』のダイジェスト版を観てきたばかりだが、そこに映されていた店を直接に自分の目で眺め回し、商品から匂い立つ香りを嗅ぎつつ、手渡されたLion Coffeeのトーステッドココナッツ・フレーバーを味わい啜る、実にイイ感じ。
 
 コーヒーと鉛筆2 コーヒーと鉛筆2 (3)
聾(ろう)者である太田さんとガッチリと握手した後、映画を観た際に疑問に感じたことを筆談で訊ねる。「カウンターに置かれた『いらっしいませ』、どうして『ゃ』が抜けている?」…一瞬うろたえた後に大きな手で顔を覆って恥ずかしがる太田さん、「今までずっと気がつかなかった、気がついたのはアナタが初めて」と。「日本中に出ちゃいましたよ」と追い討ちして皆で大爆笑。続いて「コーヒー研究家です」と自己紹介すれば、「どうしたらもっとおいしくコーヒーを淹れられる?」と訊ねられて「ウーン」と唸る私…「心をこめて淹れていればイイかな?」と太田さん、今度は私が一本取られて畏れ入る、とても面白い時間。
 
 
訪ねた博物館の企画展では学びとるべき「コーヒーの香り」を求めても満たされなかった、訪ねた店では映画に撮られた人ともっと交流したくなる「コーヒーの香り」が溢れていた…。
 
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コメント

No title
じょにぃ URL [2012年03月26日 21時34分] [編集]

帰山人さん。

珈琲とエンピツなんて映画があったんですね。

まだDVDにはなっていないようですね。

そりゃそうで今月の10日から始まったんですね。

出たら買ってみて見ようと思います。

帰山人さんの肩書きはなんだろうと

前から思っていたのですが

”コーヒー研究家”

はっきりしました(^^)

to:じょにぃさん
帰山人 URL [2012年03月26日 23時09分]

>今月の10日から始まったんですね。
あ、そりゃ東京(新宿)の劇場で公開された日ですね。愛知や静岡では昨年から自主上映会や劇場公開がありました。いわゆる商業映画ではないので、DVDになるんだろうか?私にはヘタな商業映画よりもかなり面白かったけれど^^;
“コーヒー研究家”・・・あちゃ~、今さら嘘つきの弁明になりますが、正確には「コーヒー研究家です」とは(筆談なので)書いていません。“コーヒーが半端なく大好きです”という意味合いをこめて実際は「コーヒー好きで研究しています」みたいなことを殴り書きしたと思います^^;;…今までにも(出会った方に)“コーヒー研究家”と言ったことは無くは無いのですが、それは会話上での説明であって「肩書き」としてじゃありません。ナントカ家(例えば政治家)って自称することは、俗っぽいのでなるべく避けたいと思っています・・・だから、じょにぃさん、「はっきり」させないで!(笑)

No title
cocu-coffee URL [2012年03月27日 20時10分]

「心をこめて淹れていればイイかな?」の件は良い話ですね。コーヒー屋として絶対に忘れちゃいけないことかもしれませんね。コーヒー研究家としてはどうお考えですか?(笑)

to:cocu-coffeeさん
帰山人 URL [2012年03月27日 22時47分]

「粉じゃなくて豆から挽いて、もっと良いコーヒーメーカーで淹れれば…いや、改善点はそこでイイのか?」などと思い悩んで言葉に詰まっていた私…見事に「そこじゃないだろう」と太田さんに諭されてしまったようで…
しかし珈琲狂としては、店は「心無くば立たず」でもコーヒーは「技無くば淹たず」であろう、と考えてしまうのです(笑)

No title
じょにぃ URL [2012年03月30日 16時25分] [編集]

そうでした!
帰山人さんには
珈琲狂と言う
立派な肩書がありましたね。
はっきり
すっきりしました。(笑)

・・・あ、

でも肩書とはちょっと意味が違いますかね(^^;)

to2:じょにぃさん
帰山人 URL [2012年03月30日 18時23分]

「珈琲狂」…それも恥じながらの自称でありまして。
これも連呼すると衒奇あふれるバカ者ですが…
で、仮に「珈琲馬鹿」って自称すると、
これまた衒いがあって韜晦を知らないヤツになっちゃう、
ヤレヤレ日本語は高尚にして難解であります。
まぁこの際、他称はどうでもイイです^^;
ハッキリしていることは、珈琲に生きているってことだけ。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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