コーヒーに憑かれていない人たち

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2012 [2012年02月04日 05時30分]
仕様が無いとまでは断ぜられないが、止揚が無いとは読みとれる「コーヒー本」が登場。
腰巻の惹句は「一杯のコーヒーに人生を注ぐ十四人のトップランナーたち」…果たして、
何をしてトップランナーであるのか?このコーヒー本に頼って10年後に彼らを訪ねた時、
皆コーヒーに人生を注いでいるだろうか?
  憑かれていない人たち
 
『コーヒーピープル』(川口葉子:著/メディアファクトリー:刊)
 
平均の年齢は約35歳、業歴は約5年の「コーヒーピープル」、若いとか浅いとかのみで
腐す理由にはならないだろうが、どちらかと言えば「コーヒーのみに人生を注ぎきれない
イマドキのカフェピープル14人と仲間たち」が実際のところ。もっとも、語り様も著者=
川口氏の陶酔美という作用が前提であろう。
 
本書にある、《自然に流れができていた》、《消耗戦からは、すみやかにドロップアウト》、
《対立はしない》、《そうすれば世界はもっと幸福な場所になる》…という文言に対しても
私は首肯し難い。そこには廉恥や含羞を含めた内省が無い、傲慢にも感じる。対立や
闘争を忌諱したコーヒーは、結局旨くないのだ。
 
《彼らに共通しているのは、すでに確立されたスタイルのなかに、無理して自分をはめ
こもうとしないことだ。しなやかに、自由な身ぶりで、コーヒーとともに生きる道を切りひ
らく》…そうであろうか?この種の人人に多い「順応できない」という症状を、「はめこも
うとしない」意志にすりかえていないか?
 
コーヒーを取り巻く価値の転回は否定できないが、川口氏の感傷をどれだけ重ねても、
変化は認められても革新や革命に至らない。「コーヒーに憑かれた男(女)たち」こそが
「コーヒーピープル」なのではないだろうか。本書が描く「カフェピープル」の捉え様では、
「コーヒーに憑かれていない人たち」か。
 
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コメント

No title
cocu-coffee URL [2012年02月05日 19時44分]

「コーヒーピープル」僕も買っちゃいました。
以前なら「スゲーな、カッコイイな、あんな風になりたいな」と思って読んでいたと思うのですが、今回は洒落た人がやってるオシャレなコーヒー屋ってたくさんあるんだなぐらいの感想しか出てきませんでした。また、その人の生き方とコーヒーを重ねた切り口の文章がまた鼻について、滑稽にさえ思えてきました。皆さん、本当にそんなに情熱懸けてコーヒーと向き合っているんでしょうかね?
自分はやっぱりフレーバーの中川さんみたいなコーヒー屋に共感を覚えるし、憧れます。(自分はもう少しヴィジュアルには拘りたいと思ってますが・・・ 笑)
話は変わりますが、自分たちは「きそがわ日和」というアートイベントを主催しているのですが、今年シバタサヤカさんが参加してくれることになりそうです。帰山人さんの元部下だそうで、昨日その話をシバタさんから聞いてとても驚きました。8月を予定しているので都合が合えば遊びにいらしてください。

to:cocu-coffeeさん
帰山人 URL [2012年02月05日 21時37分]

まぁ、この本で取り上げられたコーヒーピープルの中には、情熱を懸けてコーヒーと向き合っている方もいるかもしれません。そこを腐すつもりはないし、本人がそう思っていることと、他人からどう見えるかは別物ですから^^;例えば、コーヒーピープル自身の言葉を並べる、或いは真逆で、ピープルに惚れこんだマニアがエッセイを記す、そのいずれでもそうそう鼻にはつかない…著者がピープルを代弁してしまったところ、そこで主体の価値観が著者自身なのかピープルなのか判然としない、ここが気持ち悪いわけですなぁ。
「きそがわ日和」の件はスゴイねぇ、でも驚きより納得感の方が強いです。もちろん行く行く^^/

No title
teaR URL [2012年02月07日 23時49分] [編集]

こんばんは。コーヒーどころか、どの分野にも人生を注ぎきれないフラフラしている僕です…。この本には誰が載っているんだろうなぁ。川口さんらしいおしゃれなラインナップなんでしょうね。たぶん好きなお店も入っているとおもいますが。

そうそう、エルブリとノーマの映像作品は非常に観たいです。僕なんかはやっぱりあこがれちゃいますねー。行ったことないのでわかりませんが、日本のレストランとは格が違うような印象を持っています。

ヘーゼルナッツオイルとコーヒー…、コーヒーオイルを取り出してコーヒーにプラスする(チョコみたい)ってのはどうですか?

to:teaRさん
帰山人 URL [2012年02月08日 00時30分]

えーと、ねじまき雲、STREAMER、豆灯、OMOTESANDO、NOZY、caraway…載っていますナ。
世界に名をあげられるレストラン…やってる方の才能もスゴイんだろうけれど、店の使われ方も違うんでしょうなぁ…そのあたりが「格」って感じのものになって違いを見せつけられるんじゃないでしょうかねぇ…アクセクしている日本の店と客じゃダメでしょう^^;
>コーヒーオイルを取り出して…
さすがですな、Tambeさんも同じような発想をつぶやいていましたヨ^^ コーヒーオイルを充分な量で分離抽出すること自体が課題ではありますが、やってみたいよね~^^

No title
ナカガワ URL [2012年02月09日 22時32分]

このグッチヨーコの好きな「カフェ」に「コーヒー」は不要だと思うのですが、何でそんなにコーヒーにこだわっているように振舞いたいのだろう。それよりもっとちゃんと「カフェ」を掘り下げてください。どこをどんな風にしてプロ仕事しているか、きちっとリサーチしてください。そして窓拭きやトイレ掃除が甘かったら、ちゃんと正直に注意してあげてほしい。グッチヨーコがとり上げることで、その店がホンのちょっとでいい前向きに変化しようと努力する、そんな刺激を与えてほしい。若いカフェ店主たちに自分が癒され、その紹介を読む読者から搾取する、カフェのキューブラーロスじゃないですか。もし売文生活できているなら、サービスの模範を示すカフェを経営してみてほしいです。カフェ・美食の王様とか、カフェ・シベ超くらいは、やって見せてもいいのではありませんか。
もし、グッチヨーコは「批評」しているのだオーナーになったら「批評」できない、とかいうならキサンジン様に天誅をくわえてもらうようお祈りするだ。----キサンジンさまどうか悪代官グッチヨーコに天誅を!!

to:ナカガワさん
帰山人 URL [2012年02月09日 23時52分]

何故コーヒーに拘泥するかに振舞うのか?キューブラーロス曰く、「まず自分を愛することから始めなくてはなりません。自分を愛することができなくて、どうして人を愛することができるでしょう。また自分を信じることができなくては、人を信じることはできません」と、自己愛ですよ。2011年の大震災と原発災害にまで触れていますが、それも、そして取りあげたカフェに関しても、結局は自己愛なんですよ。川口さんほどにも、そしてナカガワさんほどにも、私はカフェを愛する気が無い。だから、「天誅」を下すまでもなく、自己陶酔を優しさや連帯と勘違いしているカフェマニアやカフェ店主が自滅していく状況を、快哉を叫びながら見殺し眺めます。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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