コーヒーで描く画

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2011 [2011年12月15日 05時00分]
コーヒーに関する世界記録は、スピード部門だけではなかったようだ。先頃に、また
新たなコーヒー世界記録がギネス認定されたと報じられた…今度の記録は「絵画」。
 
  コーヒー絵空事  コーヒー絵空事 (1)
  「コーヒー豆だけで制作、最大のモザイク画としてギネス認定」
   アルバニアの芸術家サイミール・ストラティさんがコーヒー豆だけで作ったモザ
   イク画が12日、世界最大のコーヒー豆モザイク画としてギネス世界記録に
   認定された。…ギネスの認定員によると、ストラティさんには、公の場で制作
   すること、コーヒー豆だけで作ること、そして大きさを25平方メートル以上に
   することの3つの条件が提示されたという。 (2011年12月13日:ロイター)
 
Saimir Strati(サイミール・ストラティ)氏はこれまでにも、釘の最大モザイク画
(2006年9月4日にクギ約50万本で8㎡大のレオナルド・ダ・ヴィンチの肖像画を
描出)、楊枝の最大モザイク画(2007年9月4日につまようじ約150万本で8㎡の
アントニオ・ガウディに捧げる馬の画を描出)、コルクの最大モザイク画(2008年
9月4日にコルク約23万個で91㎡の地中海の太陽の下でギターを弾く若者の画
を描出)、絵筆の最大モザイク画(2009年11月13日に絵筆約23万本で26㎡の
歌うマイケル・ジャクソンの画を描出)、螺子の最大モザイク画(2010年11月18日
にネジ約23万5千本で11㎡の詩人ホメロス肖像のある紙幣の画を描出)によって
世界記録のギネス認定を受けた(但し、楊枝のモザイク画は2008年10月5日に
愛知県新城市の私立黄柳野高校生徒の学園祭催事によって記録を更新された)。
今回のストラティ氏は、コーヒー豆約100万個140㎏で、ブラジルのダンサー、日本
の太鼓奏者、アメリカのギター奏者、ヨーロッパのアコーディオン奏者、アフリカの
ドラム奏者の5人の画を描き、“One World, One Family, One Coffee”と題した。
 
  コーヒー絵空事 (2) コーヒー絵空事 (3) コーヒー絵空事 (4) コーヒー絵空事 (5)
今般のコーヒーモザイク画の世界記録はコーヒー豆によるものであるが、他にも
2009年7月22日にオーストラリアのシドニー‘The Rocks Aroma Festival’で
樹立された「3604杯のコーヒーカップで描かれた24㎡の『モナ・リザ』モザイク画」
がギネス認定の世界最大記録とされている。こうした液体のコーヒー(とミルク)で
描かれるモザイク画は世界各地で度々作られていて、例えば2010年3月19日に
アース・デイの前催事としてスターバックス社がニューヨークのフラットアイアンビル
前に約2万杯で巨大な木を、また2011年7月18日にネルソン・マンデラ93歳の
誕生日を祝って南アフリカのネルソン・マンデラ・スクエアに約2700杯でマディバの
顔を、いずれも紙コップのコーヒーで描出したようだ。こうした液体による一過性の
コーヒーモザイク画と異なり、ストラティ氏が素材にコーヒー「豆」を使用して作品を
描いたことは、モチーフも相まってメッセージ性の強い斬新な挑戦であるといえよう。
 
  コーヒー絵空事 (6)
さらに、珍奇なコーヒー画として、‘Kraft Foods Europe Coffee Category’が
ステークホルダー向けに配布した「インスタントコーヒーの粉をかけると絵が浮かび
上がる白い隠し画『カレンダー』(2011年版)」などがあげられようか、当に面白い。
 
また、当然にコーヒー液を「絵の具」として使用する画家は世界中で多数にのぼり、
観るに耐えうるところではKaren Eland(カレン・エランド)氏、Sunshine Plata
(サンシャイン・プラタ)氏ら、日本では真壁孝雄氏や渡辺哲也氏などが、いずれも
インスタントコーヒーやエスプレッソの液を使用して細緻なコーヒー画を描いている。
 
このように、画題としてコーヒー「を」描くコーヒー画(例えば珈琲版画で著名な奥山
儀八郎・奥山義人の親子両氏など)以外にも、画材としてコーヒー「で」描くコーヒー
画も多様性に満ちていて、まだまだ新たな素材や技法が見出されそうで興味深い。
 
「ほにゃららキャンペーン」やら「なんとかチャンピオンシップ」などという凝り固まり
飽きを感じざるを得ない日本コーヒー界の企画や催事ばかりであると嘆く昨今に、
コーヒー「で」描いたコーヒー画を一同に集めて「コーヒー画の展覧会」を開催する
気の利いた起案など湧いてきても良さそうなものであるが、私の耳には届かない。
 
  コーヒー絵空事 (7)
もしも仮に、コーヒー「を」描いたコーヒー画も加える展覧会を企画するのであれば、
(私自身は好みの画風では全く無いが)藤田嗣治の大壁画「大地」を主に据えたい。
1933(昭和8)年12月に竣工した教文館・聖書館ビルの1階に「ブラジルコーヒー
宣伝室」が置かれた際に、その壁を1934年10月頃から飾ったのが藤田嗣治の
「大地」である。この壁画は「ブラジルコーヒー宣伝室」の責任者A・A・Asumpcao
(アッスムソン)によって後にブラジルに持ち帰られてその部分を欠失しているが、
現在は再び日本国内に戻り所蔵されている。日本のコーヒー史において「コーヒー
がある時代」を形成した真中に、製作背景と変転を物語る壁画「大地」が存在する。 
 
「大地」の物語を紐解きながら、そこにストラティ氏らのコーヒー「で」描いた多様な
コーヒー画を並べて展観する「コーヒー展覧会」、さらに会期中に‘Japan Coffee
Aroma Festival’でも開いて、そこに新たなコーヒーモザイク画を描出させたならば、
面白味に欠けた既存のコーヒー催事を超えて、スペシャルティイベントになろうか?
絵画の風趣を解すに薄い私ではあるが、コーヒーで絵空事を描いてみたくもある。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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