邦画視点の洋菓子店

ジャンル:映画 / テーマ:映画感想 / カテゴリ:観の記:映面 [2011年02月20日 23時30分]
「映画を観てスイーツを食べたくなった」…公開約3ヵ月前の先行試写会において、
ほぼ100%の観客がそう回答したという触れ込み作品。じゃあ乗ってみるか…
  街角洋菓子店  街角洋菓子店 (1)
 
『洋菓子店コアンドル』 観賞後記
  
映画を観てもスイーツを食べたくならなかった。精確にいえば、製菓総合監修の
上霜考二氏が創作して作品中に登場した洋菓子そのものには観賞中も食指が動く、
だがそれならば氏がシェフパティシエを務める「ル・コワンヴェール」に行って
眺めればさらにそそられるハズであって、カネを払って銀幕で眺める意味は無い。
 
伝説の天才パティシエ十村(江口洋介)と田舎ケーキ屋の娘なつめ(蒼井優)、2人の
どちらがストーリーテラーか明確で無く、といって第3者が案内役でも無い仕立て
…合わせを間違えたクレームディプロマットかっ!登場人物の激しい情動をシーン
毎にバラバラに映す演出…力まかせに泡立てたムラングかっ!モンタージュ失敗!
 
「物語ではなく、キャラクターの面白さで見せる映画を作りたかった」と深川栄洋
監督が語る記事を観賞後に読んだ。ナルホドね、確かに「物語」になっていないナ。
だから「キャラクターの面白さ」と「きらめく上霜スイーツ」が噛み合わないママに、
滑稽も沈鬱も中途半端で収斂しないオカシナお菓子映画になったワケか…ダメだ。
 
「甘くない人生に、ときどきスイーツ。きっと幸せになれる。」という作品惹句も、
「巧くない演出に、ときどきスイーツ。あ~あ幸せになれん。」というのが実際か。
甘いモノが映しだされる作品は歓迎するが、作劇や演出が甘い作品に宥恕は無理。
典型な邦画視点で洋菓子店はムリ?いやコアンドルだけに角を入れすぎか?(笑)
 
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コメント

No title
珈子 URL [2011年02月21日 17時59分] [編集]

そうですか~!
見に行くのは止めます。記事で決定的です。
お菓子屋さんのお菓子より、「コーヒー屋さんの1台しか作らないケーキの方が美味しい」(余分なモノものっ
かってないし)と思っています。
この前も新しく出来たカフェのチーズケーキが美味しくて驚きました。でもケーキを食べるとコーヒーはたっぷり飲みたくてもう一杯追加します。
この頃、私の値段の基準が「コーヒー生豆1k」
換算になり・・値上がりのニュースは聞くものの、まだまだお安いと思います。「趣味」としてはあまり費用がかかりません。呑気でしょうか?

to:珈子さん
帰山人 URL [2011年02月21日 20時50分]

見に行くの止めるんですか…また営業妨害したかな?(笑)
(蛇足でしょうが)私の映画評は総じて辛口かつ粗探し偏向です。
カネと時間を費やした限り良い方に欲目を持つ誘惑に逆らって、
作り手の善意を汲み取らない映画評を心がけています(悪徳だw)。
おまけにネタバレに留意する偽善的ルールも無視しています。
今回も関係者に知己ある「辻調グループ全面支援」でも容赦無い。
…だから、話半分で受け止めてくださいヨ。どんな佳作でも
ツッこみ、ツッこま無い作品は無い帰山人評は気にしないで(笑)
 
>この頃、私の値段の基準が「コーヒー生豆1k」換算になり・・
うーむ危険だ(笑)。でも仕方がないですよね。どんな商品でも
流通上の川上に手を伸ばせばケタ違いに低い原価が見えますから。
だから値上げニュースにも「呑気」だとは言い切れないけれど、
それより私の過去記事「値上げの異臭」のように捉えはじめると、
業界関係者から疎んじられる可能性が大きいので「沈黙は金」かもw

No title
teaR URL [2011年02月24日 00時53分] [編集]

こんばんは。ほぼ100%の人がお菓子を食べたくなる映画…すごいっすね。いやー、僕は仕事でお菓子作っていますが、この映画のこと知りませんでした。まったく映画には疎い(漫画には強いです)。

コワンヴェール監修なんですね。神楽坂界隈はお菓子屋がたくさんありますよね。僕はコワンヴェールよりカーヴァンソンやボークレールが好きかな。

ストーリーのない映画を映画館に見に行くつもりはありませんが、DVDになったら観てみよう。

コーヒー好きでお菓子も作るのに、この二つのペアリングは全然よくわかっていません。以前単体で飲んでそんなでもなかったのが、特定のお菓子とあわせることで美味しくなった経験もあるので、余計、先がみえなくなりました。まぁ基本あわせずに、コーヒーだけで飲むのですが…(先の珈子さんとは逆で、コーヒー屋ではコーヒーだけを、お菓子屋ではお菓子だけを食べます)。

to:teaRさん
帰山人 URL [2011年02月24日 11時28分]

えっ「仕事でお菓子作って」るんですか…コリャ迂闊なこと言えん^^;(笑)
私も「基本あわせずに、コーヒーだけで飲む」派です。というか、自分で菓子に合わせてコーヒーを作っても(その逆の場合もです)、結局まずは菓子とコーヒーの各々をバラバラ単体で味をとってしまう習性がある…。
 
コーヒーと菓子のペアリング…このアタリも日本人は一旦取り上げるとなると「構え過ぎ」になるキライがある。コラボでもマリアージュでも何と言おうといいんだけれど、「ムシャムシャ食べてガンガン飲んで、あ、合うじゃん!」って感じにならない。ま、駄菓子からアセットデセールまで食い倒した珈琲屋じゃなけりゃペアリングを云々する資格は無い、と思っているのが本音。以前、ペアリング指導(?)を講義課目に入れている珈琲屋某氏に「私バクラヴァは好きだけどロクムには好き嫌いがあるんですよ」って言ったら、「何それ?どっちも知らん」の答え…あーその某氏、先日も「コーヒーにもマリアージュが…」とか雑誌に書いてましたがね(笑)

No title
teaR URL [2011年02月25日 00時20分] [編集]

いえいえ、仕事で作っていると言っても、パティシエです!って自信満々にいえるレベルではなくて、レストランのデセールを主に作っているだけです。そこそこ規模が大きなお店なので、凝ったものは作れないです(技術もないです)。レストランで働いているので、アンソニーボーディンの本とか読むと面白いんですよね。

バクラヴァ…パートフィロを重ねたお菓子でしたっけ?それはコーヒー屋さんは知らないだろうなぁ。例えば、フランスだけに絞ったとしたって、ピティビエとか、パンコンプレ、ファーブルトンみたいな伝統菓子はみんな知らないですよね、きっと…。

コーヒーとお菓子のマリアージュ、美味しいなぁって思うことは今までにももちろんありましたが、ワインと料理みたいな両方を格段に高めるような組み合わせには、今のところ出会ったことがありません。

まぁコーヒー単体の味をとることすら、まだ危ういですから、ペアリングとか、アレンジコーヒーとかを考えることがあるとしても数年先ですね。

to2:teaRさん
帰山人 URL [2011年02月25日 01時11分]

なるほど…「トニーの本読みつつレストランで働く」ってのは魅かれるなぁ。「トニーと一緒にレストランで働く」ってのはチョット怖いけれど…(笑)
 
>コーヒーとお菓子…両方を格段に高めるような組み合わせ…
私の最高ランクは、「コーヒーの苑」のハイブレンドとビスケットの組合せかなぁ。珈琲のお供に3枚10円で付けられる北陸製菓のハードビスケットです(笑)。時々枚数が増えたりタダになっちゃったり連れてった子供に袋ごと渡されたりしちゃうけど…。嗜好飲料と菓子の両方に目を向けてどっちも頑張るサロン・ド・テが何軒かはあって欲しいものですね。

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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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