Kisheri ke きしめん

ジャンル:映画 / テーマ:映画感想 / カテゴリ:観の記:映面 [2010年12月16日 06時00分]
「地域映像クリエーター等人材育成事業」は、日本国経済産業省の2010(平成22)年度
「産業技術人材育成支援事業」内でのコンテンツ人材育成事業の一つであり、その目的を
「産学共同のコンソーシアム(地域団体)の下で、地域資源等に関する映像制作と完成映像
を活用した地域活性化のOJTを実施し、その中で得られたノウハウを基に人材育成
カリキュラムを開発し、その普及活動を図ることで、安定的な人材育成を行うための
基盤を形成すること」とする、地域自治の促進に反する意味不明の血税環流事業である。
 
本事業を経産省は2010年3月3日~23日公募し有識者非公開審査を経て同年同月
30日選定発表してクリーク・アンド・リバー社(井川幸広社長)に丸投げ委託し、
C&R社は受託した事業の委託先を同年5月31日~6月28日公募し有識者非公開審査
を経て同年7月14日に6団体を選定発表した。愛知県では株式会社JTB中部が受託、
これにシネマスコーレ・名古屋手打研究会・名古屋観光コンベンションビューロー・
愛知きしめん普及委員会・名古屋学院大学・名古屋学芸大学・名古屋文理大学を加えた
「ナゴヤメン・コンソーシアム」が「きしめん」を題材にした短編映画を製作・公開した。
 
 ナゴヤメン映画まつり
「ナゴヤメン映画まつり」 観賞後記
 
封切館は(自身もプロデュースに加わっているのであるから)当然にシネマスコーレだ。
各20分のご当地短編映画2本併映、いずれも東京のプロダクションが制作だ(失笑)。
 
 

2杯目『名古屋MEN'S物語 ~KNIGHT&NOODLE~』
 
「きしめん映画だゾォ~」という濃い味付け感のシーンやセリフがいかにも名古屋
ダサイ(?)導入部に、「こんなんで作品として20分もつのか?」と不安を覚えるが、
おっと、21歳とはいえ力のあるホン屋(脚本家)は侮れないな、話の展開がウマイ。
今じゃ本当にかあさんになっちまった元モー娘の市井紗耶香、きしめん屋の看板娘
というには違和感があるもののケッコウ好演している。全体としても実質3日で
撮りあげた作品としては、まずまず美しい映像にまとめているではないか、良作。
 
 
1杯目『キシメンちゃん』
 
「きしめん映画だゾォ~」という濃い味付け感のシーンやセリフがいかにも名古屋
ダサイ(?)全20分に、かいて(脚本)・やらせて(監督)・まとめて(編集)いる
城定秀夫のワザとらしさに対する割り切った懐の広さ、冷めた悪ノリを感じるナ。
郷土出身グラビアアイドルとして不細工なキシメンちゃんを無修正に生で演ずる
田代さやか、これは衣錦還郷の一種のギャグなのではあるまいか、のターシャだ。
ヤラセる方もヤル方もここまで潔いと、作品自体にはツッコミようが無い、良作。
 
 
2杯目から1杯目の順に評したのは、私の反転では無く上映の仕儀に従ったまで。
2杯目の「さやか」が脇のMEN'Sヘタウマ演技に支えられていたのに比べると、
1杯目の「さやか」は脇のMEN'Sに完全に食われていた、特に天田将行は怪演!
 
作品関連の報道によれば「コシのある名古屋人気質を世界にアピールしたい」とかで
‘Internationale Kurzfilmtage Oberhausen’(オーバーハウゼン国際短編映画祭)に
出品するらしいが、これには2つの錯誤がある。1つは、(1杯目作品内でも誤って
通俗ギャグとして使用していたが)麺に必要な硬度としての歯応えは「ホネ」であって
「コシ」では無い(同時に、麺の弾性はまた別の要素であってこれも「コシ」では無い)。
2つは、出品するべき先はIKOではなく「さぬき映画祭」であるべきこと、たとえ
映画祭主催者に参加を拒否されても場外でゲリラ上映して讃岐うどんをコケにしろ、
そこで初めて「完成映像を活用した地域活性化のOJTを実施し」たと言える事業だ。
 
ナゴヤメンでなくとも蕎麦をはじめとして麺類全般は私の好みであるが、「きしめん」
の歴史や由来に関しては、俗説や憶測ばかりで掘り下げた研究が少なく、在住ご当地
の麺食形態として確たる論が未だ吐けず、歯痒い思いをしているのが実状である。
 
「ナゴヤメン・コンソーシアム」のメンメンに恨みは無いが、本来は無料のハズの血税
環流作品、きしめん(乾麺)土産付きでも200円といわれて安いとは感じられない。
それはそれとして、一足早い我が身へのクリスマス・プレゼントになった映画観賞、
観て損は無かったと思いながらロケに使用された香流庵本店できしめん定食を食した。
 nagoyamen (1)  nagoyamen.jpg
‘Kisheri ke Kisimen’は(カメルーンのLamnsoラムンソ語で)‘Merry Christmas’だ。
 
 
【2010年12月17日 追記】
 
香流庵本店は『名古屋MEN'S物語 ~KNIGHT&NOODLE~』の
ロケ店舗になったワケだが、じゃもう1本のロケ店舗も食べにいかねば…
 NAGOYAMEN-KADOSEN (1)  NAGOYAMEN-KADOSEN.jpg
『キシメンちゃん』のロケ店舗になった角千本店大曽根店でカツ丼を食した。
麺は問答無用で付いてくるので、(蕎麦・うどんは選ばず映画観賞記念に)
今般はきしめんにしてみた。フツーにウマイ…それで好いのである。
 
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コメント

No title
しんろく URL [2010年12月17日 08時05分] [編集]

シネマスコーレ
学生の頃何度か足を運んだシアターです。
前後に生活倉庫をウロウロして
懐かしいです

to:しんろくさん
帰山人 URL [2010年12月17日 14時57分]

シネマスコーレで私が最初に観た映画は何だったかなぁ。
http://kisanjin.blog73.fc2.com/blog-entry-91.html
↑記事追記の1987年春よりは前だったと思うけど…
同年の約2カ月には傑作『紅い眼鏡』(押井守監督作品)も
観ていますね(確かキャスト「兵頭まこ」の挨拶があった)。
Wikiを見たら「唯一キネカ大森でのみ公開」とある…チェッ、
これだからインターネット情報は信用できません:笑。
いずれにしても、当時は静岡から(時には原チャリで!)
シネマスコーレに足を運んでいたワケで…本当に懐かしい。
そしてイマドキのシネコンなんぞよりもミニシアターはイイ!

No title
ちんきー URL [2010年12月18日 10時36分]

本編とは関係有りませんが「赤い眼鏡」で釣られてみました(笑)
確か押井氏初の実写映画だったと思います。
自分はビデオ(レンタル)で見ました。
押井氏のお気に入り役者(声優)の千葉繁氏が主役で内容もシュールで面白かったです。
(「未来世紀ブラジル」と「オチ」は同じでしたね)
最近は押井氏の勢いがなくなってきて残念です。
(「ゴースト・イン・ザ・シェル」とか「人狼」なんかが好きですね、もちろん「うる星」作品も)
「スカイクロラ」は前評判高かったですが上映後は・・・

to:ちんきーさん
帰山人 URL [2010年12月18日 15時15分]

あぁ「紅い眼鏡」、そこ行っちゃいますかぁ(笑)
記事本編と関係…ありますよ、麺で。立喰師「月見の銀二」ですよ。
やっぱり蕎麦ですね立喰いは…少なくともきしめんじゃない(笑)
 
>最近は押井氏の勢いがなくなってきて残念です。
いや、その後に佳作が全く無いとはいえませんが、1984年の
『うる星2 ビューティフル・ドリーマー』がピークだったんです
(同年公開の『風の谷のナウシカ』宮崎氏もココがピークだった)。
その後の押井氏へ、そして今後の押井氏に届けるべき言葉は…
いつになったら本物のプロテクトギアがでてくるんだっ!?

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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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