日本コモディティコーヒー協会

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:日本珈琲狂会 [2010年10月01日 00時01分]
2010年10月1日、「日本コモディティコーヒー協会」創設の宣言。

 本会を「日本コモディティコーヒー協会」
 または‘Commodity Coffee Association of Japan’と称し、
 略称を‘CCAJ’とする。

 
[目的]
 
コーヒーは嗜好品であり、ゆえに「おいしさ」「楽しさ」の追求は当然であるが、
その手法と展開にはさらなる多様性が期待される。コーヒーをめぐる課題の
一つに、特異性(uniqueness)や独自性(originality)を追求する過程や推移において、
その概念や実態が画一性(uniformity)に侵蝕されていく自己矛盾があげられよう。
この矛盾の打開を狙いとし、様々なコーヒーの価値を判別しつつ、多角的な
視座でコーヒーをめぐる課題を捉え直すことが、本会CCAJの目的である。
 
  
[背景]
 
従来「グルメ(Gourmet)」「プレミアム(Premium)」などを前接し掲げ少量限定にして
高付加価値を標榜するコーヒーマーケットは、さらに以前より大量普及する
「コマーシャル(Commercial)」「メインストリーム(Mainstream)」などのコーヒーを
下層の概念に置いて立ったものである。近年では「スペシャルティ(Specialty)」
という概念を冠るコーヒーも登場し、その定義や規定が判然としないままに、
特異性や独自性という理念から、少量限定や高品質を理由とした高価格産品
に付加価値の軸を移しつつある。こうした潮流の中で、コマーシャルやメイン
ストリームなどとほぼ同様の意を持つ「コモディティ(Commodity)」コーヒーは、
レトロニム(retronym)として「スペシャルティ」の下層概念に悪しざまに置かれた。
 
「スペシャルティはコモディティの別称である」(日本珈琲狂会員ナカガワ氏言)
という正当にして意義ある概念で、俗化変容するスペシャルティコーヒーを
批判的にも捉え直し、コモディティコーヒーの中にこそ「おいしくて楽しい」
コーヒー世界があることを追究する必要性を感じて、本会CCAJを創設した。 
 

  
[名称]
 
日本コモディティコーヒー協会(CCAJ)のいう「コモディティ(commodity)」とは、
「手段や方法」の意‘modus’に接頭辞「共に」‘com-’と接尾辞「状態」‘-ity’が付して、
ラテン語源‘commodits’に由来して、汎用的な「利便や有用」を意味するものである。
コーヒーマーケットにおける普及産品や大量販売品を指すものと解されても
異は唱えないが、それさえ元来は品質「低劣」ではなく状況「有益」の意である。
 
尚、共に相立つ存在として「日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)」を意識
した名称であることも承知しているが、いたずらにSCAJを貶す意図は無い。
 
 
[構成]
 
本会CCAJは、創設時においては「日本珈琲狂会(CLCJ)」を母体として、
主宰者である鳥目散帰山人が私的に立ち上げたもので、その所在は主宰者の
BLOG『帰山人の珈琲漫考』における「日本珈琲狂会」内に設置するものである。
但、今後に多くの賛同者や協力者を募り、自立した任意団体として活動する
計画であり、その際は改めて団体の構成や規約などを決する予定である。
 
 
※日本国内のコーヒー業界がコマーシャリズムでのみ設定した、
 毎年10月1日が「コーヒーの日」であることを祝賀と侮蔑を交えて、
 2010年10月1日をCCAJ創設日にしたことを付言しておく。
 
コメント (12) /  トラックバック (1)

コメント

No title
nakagawa URL [2010年10月01日 21時54分]

よくスペシャルティって何ですか?と聞かれますので、こんな回答を。
一度飲んだら「忘れられない」ような味香りのコーヒーとか---「アイデンティティ」のある、つまり安定した同一性があるコーヒーとか---別なときに飲んだときにも同じものだと認識できるコーヒーような---。
飲むことで生産国を「旅したような」イメージを伝えられるコーヒーかしら---。
「でもそれって普通のコーヒーでもそうなんじゃ?」
うーん、それをお客様と共有する必要があるコーヒーなんです。味香りや文化背景なんかの価値観の共有のために、共通の物差し、共通言語が必要なんです。
「普通のコーヒーではそうしてなかったの?」
うーん、単に良質な優れたコーヒーが、確実に味香りを認識することで、そのコーヒーが飲みたいがために何かのついでに、または遠回りしてでも、そのコーヒーを飲もうとし、ついには、わざわざそのコーヒーを飲むことを目的に外出の計画をたてるようになります。
「それってミシュランじゃない。総合的なお店の評価なんだったら、コーヒーは格別特別でなくても出かけますよ。」

to:ナカガワさん
帰山人 URL [2010年10月01日 22時22分]

そう、お店が「スペシャルティ」であるところには、わざわざコーヒーを飲みにいきますネ、私も。でも何度もわざわざ飲みにいく店は、地元の生活圏にいる方々には「コモディティ」なんですよネ、コレが当然で本当のカフェ。
「生豆がスペシャルティならば焙煎もスペシャルティでなくては…」という店のコーヒーと、「スペシャルティコーヒーあります」っていうノボリをはためかせて商社の宣伝文句をコピペしただけで高価格にする店のコーヒー…同じ生豆を使っていても前者は「スペシャルティ」かもしれないけれど後者は「コモディティ」ですらないよ、と私は回答することにしています。

スペシャルの酸味について
珈子 URL [2010年10月03日 10時00分]

またまた教えてください。

ビッグサイトで試飲をたくさんしました。
一言でいうとスペシャルというのは、「軽く焙煎し、良質の酸味を感じさせる豆」なのでしょうか?
パナマドンパチのオーナーには「1ハゼ1分半」と教えていただきました。
一方スペシャルを酸味が遠のく2ハゼまで持って行った場合、酸味は消えるても豆に何らかの影響が残るのでしょうか?
素人考えですが・・・スペシャルの酸味は深くいった場合どうなるの?と逆にスペシャルは深く煎らないほうが良いの?

好きにすればいい・・と仰らないでくださいね。

to:珈子さん
帰山人 URL [2010年10月04日 14時33分]

>好きにすればいい・・と仰らないでくださいね。
最強の先制攻撃ですね(笑)コレは^^; んじゃ、私見を遠慮なく…
 
世間の趨勢、特にSCAA的なコーヒーの捉え方は、
「どんな生豆も深煎りは苦味ばかりで香味の特徴が失われる」⇒
「個性は酸味が主体。それを感じる為には深煎りは不向き」⇒
「よりスペシャルティらしさを感じさせるには、より浅煎り」
という概念が根底にあると考えられます。で、結果としては、
「スペシャルティだから個性的で『良質』な酸味を感じる」よりも
「スペシャルティだから酸味が強い浅煎りが当然の前提」になる?
 
それに対して敢えて対照的に「強調して」私見を言えば、
「どんな生豆も浅煎りは酸味ばかりで香味の特徴が失われる」⇒
「深煎りでも消えない消せない特徴が本当の個性である」⇒
「スペシャルティなら尚、深煎りでも『良質』な酸味がある」
という概念が根底にあります。で、結果としては、
「浅煎りの方が特徴を感じるのでテイスティングでは認めるが、
他方で浅煎り全般傾向は、ライト感覚な舌バカの感覚論だ」。

つまり「軽く焙煎しなけりゃスペシャルティを感じさせない」程度の
コーヒーは真のスペシャルティとは言えないハズなのですが、
焼いて売る方も買って飲む方も舌バカが多いので、わかりやすい
特性を感じられるように「個性のために浅煎り」とヤタラいうワケ。
 
>スペシャルの酸味は深くいった場合どうなるの?
深く煎ったなりの酸味が特徴として感じられるハズです。
 
>逆にスペシャルは深く煎らないほうが良いの?
世間の趨勢に感化されて自分の官能に自信が無い方にはイエスかも。
スペシャルティを深く煎るのは「ダメ」とか「もったいない」概念は、
焙煎が下手クソで感受能力に自信が無い方のイイワケの切り札です。
各々の生豆によって焼き手と飲み手がウマいなあと思える焙煎度は、
スペシャルティだろうがコモディティだろうが関係ない、のです。
 
自分がウマイと思った深さで焼く…やはり「好きにすればいい」(笑)
スイマセン、どうしてもこうなっちゃうんですよ(笑)

No title
teaR URL [2010年10月04日 20時17分] [編集]

こんばんは。
また面白いネタですね。コモディティは有益ってことなんですね。有益なコーヒー、いいなぁ。

なんかスペシャルティって言葉だけで良さそうですよね。コモディティより、グルメよりプレミアムより美味しそう。
絶対スペシャルティコーヒー専門店って謳うだけで、コーヒー屋の評価がプラス何十点かされている気がします。全然美味しくないのに評判いいところたくさんありますよね。だからビジネスだったらとりえあず謳っとけって…(笑)

書いてあるように、お店がスペシャルティなところがいいですねー。

to:teaRさん
帰山人 URL [2010年10月04日 22時58分]

今回は面白くても「ネタ」じゃないですよぉ~(笑)。
玉石混淆のコモディティコーヒーから特異や独自で「横」方向に飛び出したのがスペシャルティだと思っていたら、高品質を旗印に「上」方向にのし上がる謳いに変わっているし、最近のスペシャルティコーヒーにはその内実が怪しいものも多いような…全面否定はしませんが、まとめて丸呑みできるほどの納得を感じていません。
コモディティ生豆を使っていてもスペシャルティ生豆使用店よりウマいコーヒー店があるのは確かですしネ。CCAJは「とりえあず謳っとけ」に宣戦します!(笑:でもマジ)

No title
- URL [2010年10月06日 05時39分]

なぜ浅煎りか中煎り程度なのか?輸入のための買付の方が味見する煎り方を踏襲するもので、「これは」という個性に出会った確実な煎り方を再現する----方が効率的です。結局出会った個性を「どう料理してやろう」と楽しむ部分が欠けてしまいがちです。高価なコーヒー、希少なコーヒーは、正直何度も繰り返しテストしては捨てるなんてできません。実際に初お目見え品などについて、浅煎りから深煎りまで煎り分け味見し、それを数回テストすると方向性が見えてくる例もままあります。当方がおバカで味がよくわかっていないので無駄なテストを繰り返すことになります。でもそうして無駄をして、ない知恵絞って工夫を加え、お客様に問う----残念ながらそのゆとりがありません。その意味で、産地偏向、お墨付き偏重は、より効率的なのですね。知恵と工夫という「人の手」によって手渡しされた「フロム・シード・トウ・カップ」はまだ遠く、という感じです。

帰山人 URL [2010年10月06日 15時01分]

ある生豆Aを黙って渡して煎ってもらう。同じ生豆A´を「稀少品種でCOE1位でカッピングスコア95のスペシャルティです」と言ってから渡して煎ってもらう。AよりA´の方がより焙煎が浅い…それは舌バカ以上に本当のバカかもしれません。バカって言葉は汚いけれども、そういう輩が少なくないし、その風潮が蔓延しつつある、と私は思っています。この根本的に誤った観念を正すことが日本コモディティコーヒー協会の使命じゃないかと…

No title
珈子 URL [2010年10月08日 09時55分] [編集]

ありがとうございました。
納得しました。

初心者の私は分からないため、すぐ能書きを信じてしまいがちです。
今回のお話もよく理解できましたので、私の中でバランスを取ることが出来ました。
身近にコーヒーの話を出来る人が居ませんので、いつも
疑問や迷いや、記事を読んでは???で、私にとって帰山人さんは「大先生」です。
今回もありがとうございました。

日本コモディティ協会会員になっても良いでしょうか?



to2:珈子さん
帰山人 URL [2010年10月08日 17時19分]

「日本コモディティコーヒー協会」会員の珈子さん、こんにちは^^
珈子さんが感興おもむくコーヒー世界、その理解への一助になれば
幸いでした・・・が、「大先生」はやめてください(笑)、重すぎます。
先の返答の調子で強く言えば、「能書き」を信じるのと同様に、
「肩書き」を信じたり作ったりするのはやめましょうよ(笑)。
話したいことは話す、尋ねたいことは尋ねる、応えられることは
応える、言いたくないことは言いたくないと言う、原則それで
イイ…というコーヒー愛好家「仲間」、それで充分ですよネ^^/

No title
浅野嘉之 URL [2010年10月26日 11時30分]

おはようございます
日本コモディティコーヒー協会を
立ち上げられたのですね
これは随分楽しみができました
“豆散人”さんから丁寧なお葉書いただきました
行っていただいたのですね
ありがとうございました
貴重なお話がうかがえたと
喜んでらっしゃいました

to:浅野嘉之さん
帰山人 URL [2010年10月26日 15時37分]

おはようございます、浅野さん。
豆散人さんのご紹介ありがとうございました。楽しい時間でした。
浅野さん評通り、お店もコーヒーもお人柄を体現されたような、
簡明にして柔らかな空間と香味でした。柔和なカフェに野獣乱入?(笑)
(偶然とはいえ)同じ「●●サンジン」の名のりでも、私とは真反対?(笑)
 
日本コモディティコーヒー協会、具体的にどこに行くのか未知未定では
ありますが、共感や賛同ばかりでなく検証しあったり論を交えたりして、
ムーブメントを起こしていきたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。

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[real_sowacafe]台風直撃
sowacafe 真岡の自家焙煎珈琲専門店 Diary [2011年09月30日 00時50分]

■いやはや、直撃でした。あんな強風初めて体験しました。風で家が揺れるのが分かりました。番犬のチャッピーも家の中に逃げ込んで、椅子の下で震えてました。 □今朝、道を走ってみると、落ち葉などなどで道が覆われてはいましたが、近隣の家屋には重大な損傷は見られない

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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