ワクワクドキドキ

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2010 [2010年09月25日 04時00分]
「日本最大のスペシャルティコーヒーイベント」を自称する日本スペシャルティコーヒー協会の催事、東京ビッグサイトまで、走大会で傷んだ体を奮い立たせ(?)弾丸往復で訪場する。
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2010年9月23日
『SCAJ World Specialty Coffee Conference and Exhibition 2010』
 
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会場両端のステージでは「バリスタ」と「サイフォニスト」の日本国内チャンピオンシップが賑やかしく繰り広げられていたが、年々衆目を増やすの逆しまに私の関心は薄く一瞥のみ。
  
「コーヒー栽培の基本・アラビカ編」(川島良彰氏監修DVD)を購入すべくバッハコーヒーのブースを覘くと、田口夫妻・中川氏が揃って久方振りの顔合わせ、歓談に時を過ごす。
 
こうなればバッハのブースに荷を置いて、ここを根城に展示会場を回遊する勝手し放題。そこここで試飲用のコーヒーを差し出されるが、名乗りはスペシャルティコーヒーでも焙煎や抽出に難があるもの多数、マシな液体を選択しないと舌と胃がおかしくなりそうだ。
 
Imedia Café-Café Granja Esperanzaのブースで試飲したコロンビア産のゲイシャはRigoberto Herrera(リゴベルト・エレラ)氏によりパナマCarleida(カルレイダ)農園から移したものらしいが、下手なパナマ産ゲイシャよりも特徴的なアロマが強烈でワクワク。マウイ島から移したコロンビア産のモカ(栽培品種)も試飲、こちらはピンとこなかった。
 
日本シイベルヘグナーのブースでHielscher社製の超音波抽出装置に目を留め若干質疑。ホモジナイザー転用でコーヒー低温抽出を実験試行中、私の「抽出工程全てを狙うよりも既存抽出法の前駆的な使い方がイイかも?」発言に具体構想を乞われてしまってドキドキ。
 
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場内で軽い昼食後、試飲カプチーノは無論シネッソを選び、事前予定外のセミナー会場へ。「コーヒーテイスティングパーティ インド&エスプレッソ」…オブザーバー出席を田口氏から促されて快諾の緊急参加、インドのスペシャルティに着目した催しに期待ワクワク。田口氏の当意を衝いたインドコーヒーの捉え方前説(?)に続き、インドコーヒーボードの関係者から3名が講義、いずれも簡潔にして具体的な説明で大いに学ぶところがあった。
(※インド・コーヒーに関する資料は未だ日本に少ない。マトモな論考はコレくらいだ)
 
テイスティングに供されたインド・コーヒーは5種類、全てバッハの焙煎でプレス式抽出。
 
・Monsooned Malabar AA Aspinwall (モンスーンマラバール アスピンウォール社) 
・MistyBlues Natural Yelnoorkhan Estate (ミスティーブルース乾式イエルノーカン農園) 
・APAA Washed Brooklyn Farm (APAA水洗式ブルックリン農園) 
・Robusta Kaapi Royale (ロブスタ カピロイアル) 
・Robusta Harley Estate (ロブスタ ハーレー農園)
 
独特の曝気発酵プロセスで生豆が驚くほど白いのでお馴染みのモンスーン、Karnataka州のMysore・Coorg・Hassan・Chikmagalurのプランテーション栽培でS795(S288とKentの交配種)である特徴以上に、単に酸味が少ないだけでない毎度の麦焦がし様のフレーバーを感じる。余談、巷の精製法の分類でこのモンスーン・プロセスに触れたものが(同様に独特の)スマトラ式精製よりも少ないのは、ブランドバリューによる不当差別かと考える。
 
同じくKarnataka州Chikmagalur近くBaba Budan(giri) Hill産というイエルノーカンは、S9(Hybrido de TimorとTafarikelaの交配種)のナチュラル、ドライアプリコット様の甘酸っぱい強いフレーバーの後に(ナチュラル独特の?)少しざらつき感があるが力強い味。
 
変わってさらに南に位置するTamilNadu州Shevaroy Hill産のブルックリン、完熟味か精製酵酸味かは判別できないがブラックカラント様のフレーバーに少しくどい酸味が後を引く。
 
ロブスタを単品で試飲するのは久しぶりと身構えたが、Mysore・Coorg・ Wayanad・Pulneys・Baba Budan・Shevaroys各地の最高品を選別したカピ・ロイアルは、アロマにロブ独特の下品な臭みをほとんど感じさせず、クローブ様のスパイシーなテイストも舌切れ好い佳品だった。このロブスタは自分でも焼いてみたくなったので入手を探る。
 
Karnataka州Manjarabad Fort近く標高1000mで栽培するハーレーは、少し濁りのあるロブスタ独特の香味があり飲み下した後も喉に残る感じで私には単品常飲はキツイ。だが、インドネシアやベトナムの普及品ロブスタと比べれば遥かにクリアで、エスプレッソ用の配合にはかなりの比率で使えそうだ。カピロイアルといい今日のインド・ロブには脱帽だ。
 
もっとも5種類共に、インドコーヒーボード主催の‘Flavor of India’を何時かで受賞した農園や生産者であり、能書きでスペシャルティを語るなら充分過ぎる品ばかりである。最後は5種類のインドコーヒーミックスをCAFE Elliott AvenueのVivace Spiritバリスタ波多氏が淹れたエスプレッソで味わうという豪華かつやや強引な試飲、味はまあまあだ。
 
それにしても能書き先行のスペシャルティブームの最中に、日本ではマイナーなインドを取り上げ実力あるスペシャルティをコーヒーボードごと持ってきた田口氏見事でドキドキ。
 
 
SCAJ2010のテーマ「ワクワク、ドキドキするスペシャルティコーヒー」に当初は失笑、「惑惑、怒気怒気するスペシャルティ?」と軽侮していたが、「沸く沸く」で「退き退き」した。
 
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コメント

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ナカガワ URL [2010年09月28日 11時25分]

ご参加ありがとうございました。のちほど残った生豆を送付いたします。周囲にはあの方は超激辛(苦?)批評家だといっております---ごめんなさい。でも20世紀前半のような畏怖すべき批評家がいる業界って素晴らしいような気がしますので。今は「ひび割れた骨董の壷」みたいにいう人がいないというか。Y先生がフランス料理が発展した時代は、批評活動も盛んだった、とおっしゃってました。コーヒーもスペシャルティと名乗るなら、畏怖すべき批評家と真正面から渡り合う覚悟が要求されます---よね。

to:ナカガワさん
帰山人 URL [2010年09月28日 18時26分]

こちらこそお世話になりまして、ご厚情に深謝いたします。
「超激苦批評家」・・・まぁ日頃の私の言動からみて否定できません(笑)
マジメにキツイことを発言しても(本人はスジも影響も読んでるのに)、
キツく出ることがパフォーマンスかのように捉えて中身を拾われない
経験を最近は重ねています。
ホンネ言えば、喧嘩してでも拾ってくれればマシです。
コーヒーに関しては単に「批評家」じゃ終わりたくはありませんネ(笑)。
理論家であっても実践者でもあるドコゾのマスターよろしく、
口も閉ざさないがコーヒーも焼いて淹れて飲んでの実践者でありたい
・・・ってことで生豆お待ちしています(笑)。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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