凍った足に小便

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2010 [2010年09月05日 05時00分]
フェアトレードコーヒーに関連する小気味の好い語り口の新聞論説を発見。

 【噴水台】コーヒーとコメ

  良い意図が必ず良い結果を保障するものではない。
  …貧しいコーヒー農家を助けようと登場した「フェアトレード・コーヒー」
  (公正貿易コーヒー=Fair Trade Coffee)運動も、ともすれば誤った信号に
  なり得る。この運動が力をもち始めたのはコーヒー価格が1ポンドが3ドル
  から50セント以下に急落した2000年代の初め。公正貿易擁護論者たちは
  生産者たちに高い値段を支払って価格下落を止めようと主張した。しかし
  “凍った足に小便をする”にすぎないだけだ。
  そのころ全世界コーヒー豆の需要は年間1億500万袋(1袋=60キロ)。
  それより供給が1000万袋も過剰なのが根本的な原因だったからだ。生産を
  大幅に減らさなければならないときに値段を高くつけるのは逆インセンティブ
  だ。こうした間違いを認識した救護団体オックスファム(Oxfam)が率直な
  提案をした。「先進国でお金(約1億ドル)を出してコーヒー500万袋を買って
  廃棄してしまおう!」
  今秋、コメの大暴落を阻むために韓国政府が過剰供給された新米114万トン
  を買い受けるという話だ。急な火は消せるかもしれないが、これからがもっと
  心配だ。…結局、コメ問題も需要が増えるか、生産が減れば解けることだ。
  しかし育てておくだけで無条件政府が買ってくれる現構造では生産の減る隙が
  ない。こんなにずっとでたらめな信号を送って、いつか“オックスファム式
  解法”でも使わなければならない日が来ないかと恐ろしくなる。
  (中央日報 シン・イェリ論説委員:2010年9月3日)

韓国の慣用句でフェアトレードコーヒー運動を嘲笑う言「凍った足に小便をする」、
「焼け石に水」や「泣き面に蜂」よりも遥かに的確で正鵠を失わぬ素晴しい表現である。
本来は「交易流通構造の変革」であった出発点を「貧しいコーヒー農家を助けよう」と
誤認するなど、フェアトレード運動の捉え方に課題が残る部分も多い論説であるが、
これほど単純明快にフェアトレードをバッサリ切り捨てた論旨は見事という他ない。

おいしいコーヒーのけいざい論」「フェアトレードをつぶやく」「JCS2010参加記
などでフェアトレードコーヒーに釈然としない思惑を唱えた私も届かない金口だ。
対してフェアトレードと聞けば礼賛に偏り自省無き日本のコーヒー業界やマスコミ、
論説に登場する暗くも過激なオックスファムでなくとも、倣って私も吐きたくなる、
「先進国でお金を出して偽善のフェアトレード運動を買って廃棄してしまおう!」。

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コメント

No title
ナカガワ URL [2010年09月08日 18時43分]

こんなことに協力してみました。年間60-70トンの農園です。こういうのはサスともいえないし、フェアでもないし----とは思ったのですが----。わたしたちにとっては精一杯のションベンです。

http://www.donpachi-estate.com/

to:ナカガワさん
帰山人 URL [2010年09月08日 20時39分]

やだなぁナカガワさん、この記事でこうこられたら私が後ろめたい感じになるじゃあないですかっ(笑)。
ドンパチ入れるのはションベンじゃないでしょ!サスだろうとフェアだろうとそうでなかろうと、気心通じたウマいコーヒーをごっそり提供できりゃあ文句はあるめぇ!(笑)
このドンパチのスバラシイWebページ、新HOTで紹介してリンクして下さい!

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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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