山で死んではならない

ジャンル:スポーツ / テーマ:ジョギング・ランニング / カテゴリ:走の記:日常編 [2010年08月09日 04時00分]
昨2009年7月の北海道トムラウシ山遭難事故から1年を経て、
今2010年7月には埼玉県秩父山中で3重遭難事故が発生した。
 労山沢教室  あらかわ1
 
 東京都勤労者山岳連盟主催の沢教室(計9人)参加者が滝壺転落、1人死亡。
 現地救助活動中の防災ヘリコプター「あらかわ1」(計7人)墜落、5人死亡。
 現地取材活動中の日本テレビの記者とカメラマンが山中で遭難、2人死亡。
 
しかし多発遭難事件はこれだけでは終わっていなかったのである。

 「あきる野市の男性、秩父山中で遭難死」 (毎日新聞:2010年7月28日付)
 
複数の報道をまとめる。小池雅彦氏(東京都あきるの市)は2010年7月24日未明、
家族に「写真を撮りに行く」と伝え外出、山梨県甲州市の山中に車を置いて行方不明。
25日14時30分頃、防災ヘリ墜落の救助で現場に向かう途中の埼玉県警救助隊員が、
ヘリ墜落現場から約100mの谷で頭を負傷しうずくまった小池氏を発見。尾根沿いに
歩いていた小池氏は沢に滑落したとみられ、「50mくらい上から落ちました」と言って
意識を失い、県警ヘリで秩父市内の病院へ搬送され死亡が確認された。
 
小池雅彦氏に知音無き私だが、氏のブログ「甲武相山の旅」は何度か覘いた経験がある。
トムラウシ山遭難事故に関する考察と並んで、トレイルランニングの考察記事もある。
「トレイルランニングへのレクイエム」「手懐(てなず)けられた市民トレイルランナー」
「さらば、トレイルランニング^^v」…かなり独特の視点で辛口の論評が綴られている。
こうした辛口の論に反感を覚え耳を塞ぎ目を逸らすトレイルランナーも多いようだが、
小池氏(Web上のハンドル名「subeight」「峰」)のブログ上の姿勢を私は否定できない。
明らかに自意識を一定に向けた指摘には、内容への賛否を超えて独特の迫力があった。
  
この夏の秩父山中での多発遭難事件、経緯も因果関係も未だ謎が多くて3重ではなく
4重遭難であるとは私には断定できないが、死者が8人ではなく9人であったことに
間違いは無い。「甲武相山の旅」には「山で死んではならない・・。」という記事が残る。
  
 「トレイルランナーたる者、山で死んではならない…山で、遭難する、
  それも無雪期の一般道で、倒れるなどということは、あってはならない…」
 
「山で死んではならない」この小池氏の言葉と最期をどう整合させればよいのだろうか?
「山で死んではならない」どこまで覚悟してどこまで主張することが許されるのだろうか?
全ての登山者とトレイルランナーにとって秩父山中の遭難という今夏の課題は重い。
  
コメント (4) /  トラックバック (0)

コメント

No title
しらちゃん URL [2010年08月11日 23時23分] [編集]

峰さんとは一緒に遊んだことはないものの、レース会場や練習のさいに声をかけていただいたり、blogにコメントをもらったりしていたので、秩父の滑落死者がだれかわかった時は本当にびっくりでした。

一部の人たちには目障りなblogだったとは思いますが、「甲武相山の旅」のトレイルランに関する考察は非常に有益なものでした。残された私は山遊びやトレイルランにどう向き合っていくべきか考えているところです。

to:しらちゃんさん
帰山人 URL [2010年08月12日 13時31分]

しらちゃん日記での記事も拝見してました。峰さん最期のコメントが私のコメントと並んで残ったことには哀しい近しさを覚えています。その峰さんコメントが木曽御嶽の王滝開山を秩父御岳の大滝出身者と知らせ、ご自身が直後に大滝で滑落死した…ゾッとする以上の因果を感じます。これが遊びの出逢いなどで繋がる話ならば面白がっていられますが、死にまつわる連繋となるとなぁ、と考え込まざるを得ません。私も「どう向き合っていくべきか考えているところです」。

No title
ちんきー URL [2010年08月15日 12時43分]

記事読むまでこの事故について知りませんでした。
実は自分も「甲武相山の旅」はよく見に行ってました。
いろいろ考えさせられるブログで本格的再開を楽しみにしてましたが残念です・・・

氏のご冥福をお祈りします。

to:ちんきーさん
帰山人 URL [2010年08月15日 19時05分]

昨年7月はヒデさん(http://07780868.at.webry.info/)が、
今年7月は峰さんが、切り口も立場も違えども山を愛する方々が、
亡くなっていく…無常の風は時を嫌わず、ということでしょうが、
寂しい以上の重みを感じたことを忘れないようにしたいものです。

この記事にコメントする

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://kisanjin.blog73.fc2.com/tb.php/258-e85510e2
編集

kisanjin

Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
Powered by / © Copyright 帰山人の珈琲漫考 all rights reserved. / Template by IkemenHaizin