何かが足りない

ジャンル:スポーツ / テーマ:オリンピック / カテゴリ:あ・論廻 [2010年02月15日 05時00分]
「第21回 オリンピック冬季競技大会」が開催されているので、方今見るところにおいて私が感じたことを述べてみようと思う。
 
 
その1 聖火台問題
 
開会式の冒頭で起き上がったトーテムポールや民族衣装での舞踏と同様に、クライマックスで聖火台の点火柱が4本上昇することも、競技会場近くを居住区とし、大会ホスト役として担ぎ出された‘Four Host First Nations’(4先住民族/Lil'wat, Musqueam, Squamish, Tsleil-Waututh)を意識した演出だったのだろう。
lilwatmusqueam.jpgsquamish.jpgtsleil-waututh.jpg
2008年6月12日カナダ政府は約1世紀にわたる先住民に対する同化政策の誤りを認めて公式に謝罪したが、今日でも差別や虐待を発端に都市部に流れ暮らす先住民が、暴力や売春や麻薬が蔓延するスラムを形成していることも事実であり、五輪開催反対の声も多い。
 
聖火台の点火柱のうち1本が上がらなかったのは油圧系統の機械が故障したかららしいが、非科学を承知の上で、恥辱にまみれた先住民による怨恨が生じさせた不具合だと解釈すれば、今大会のスローガン‘With Glowing Hearts’(燃え上がる心と共に)も活きてこよう。大会の道具扱いを嫌う先住民の燃え上がる抗議活動も続いてほしい。華やかな演出で「カナダは一つ」と謳う祭典は、何かが足りないのだ。
 
 
その2 腰パン問題
 
服装の乱れ(?)による国母和宏選手へのバッシングが大きいようで、選手団の「編成方針」(礼儀を尊び規律を遵守し、活力ある日本を代表するに相応しい選手・役員をもって編成する)まで論拠にし、JOC専務理事の「国民の税金を使った代表の服装じゃない」という憤慨評も公表されていたが、どうも一連の非難には違和感を覚える。
 
選手団が国ごとに行進整列する開会式などを見ていると、誤解もされ易いとは思うが、「オリンピック憲章」第1章(規則6)には「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない。」と明言されているのである。
 
仮に国母選手が「国家間の競争ではない」とはいえ「日本を代表するに相応しい選手」では無い、と判断したとしよう…そんな選手を選出した責任団体が真っ先に叩きまくられ懲罰を食らって当然、それを個人のゴシップにして踊り狂うマスコミと大衆には呆れ果てる。ズボンをはく位置が低いことよりも、論拠と責任の対象と時節を適切に選びきれない大衆の品位が低いことは、何かが足りないのだ。
 
 
その3 4位問題
 
7・6・5・4…「なんでこんな一段一段なんだろう」の上村愛子選手は称揚に値するが、4大会連続入賞の快挙に焦点が絞られていないまま、メダル獲得を前提にしていた編集Vや取材攻勢をそのまま垂れ流す報道各社の無思慮で破廉恥な姿勢が鼻についてしまう。
 
信じ難くも里谷多英選手を所属として抱えるフジテレビジョンですら、上村選手に偏重した番組編成ばかりで、ウケと煽りだけを優先している日本のマスコミにはメダルを与えようにも、何かが足りないのだ。
 
 
その4 クロス問題
 
フリースタイルスキーのクロスは、前回大会まで公開競技にすらされていないにも拘らず、いきなり正式種目になった今大会の目玉だ。タイムレースのアルペン競技や評価点を競うモーグルと異なり、スキークロスは「一斉にスタート、早くゴールした者が勝つ」という極めてシンプルな見たまま競技で、スピード感もスノボの比では無い。
 
瀧澤宏臣や福島のり子という日本代表選手はおろか、この新種目が紹介されることもほとんど無いし、競技を見ようにも放送予定すら満足に発表されているとはいえないが、ウェーブ・テーブルトップ・ローラー・バンク・ジャンプ台・キャニオンなどの障害物を越え、選手同士が空中で接触してまで前に出ようとするバトル必死の競技、こんな面白い新正式種目を注目しないとは、何かが足りないのだ。
 
コメント (4) /  トラックバック (0)

コメント

No title
ちんきー URL [2010年02月17日 00時12分]

自分も西欧主導で商業主義にまみれたオリンピックにはあまり興味がありませんね。
(自分的にはカーリングなんていうのが正式種目なんて考えられません)
まあ国母問題に関しては俺流を通したいのならオリンピックに出なかった方がカッコ良かったかなって思います。
(彼を選出し更に指導出来なかった所属団体は責任を問われて当然ですが)

to:ちんきーさん
kisanjin URL [2010年02月17日 00時43分]

そもそもエクストリーム系競技が正式種目にされたこと自体に根本的な課題があると考えています(たぶんそれも商業主義で…)。私自身はXゲームっぽいスポーツを志向しませんが、伝統競技と全く異なる由来の種目選手にまで一律に道徳観をおしきせるJOCやスキー連盟のクソオヤジ共を全員張り倒して、この際五輪出場は拒否ってやればイイのに!とさえ思っています。

まったくもって
マリコ URL [2010年02月18日 19時30分] [編集]

まったくだ!
腰パン姿とふてくされた言動には、私も不快感を確かに持ったけど、あの若造くんはオリンピックを多くある大会の一つとしか思っていないのも事実で。きちんとした服装で出なきゃならないという規定なら、そういう選手を選べばいい!彼を選び出場させたオトナたちこそ反省すべきで、これじゃあモラル意識がまったく異なる外国人を金づるで来日させて日本のモラルを押し付けられたアサソーロー問題と同じじゃないか・・・。とくだらんシモネタしか思い浮かばないこのワタシの脳も、明らかに何かが足りない。

to:マリコさん
kisanjin URL [2010年02月19日 14時43分]

出番も終わり「やってしまったことはともあれよく頑張った」という恩着せがましい経験論で済ませようという方向転換に私の怒りは(予定通り)再燃中です。これで終わりかよっ!次の第22回冬季競技大会代表選手選考会までに「チッ、うっせーな」と言わせ「反省してま~す」と言わせるくらい愚昧なオトナをボロクソに追い込まなければ、アサソーローもカントリーマアムも浮かばれますまい。
それはともあれ、妄想クイーンには何かが足りないんじゃなくて何かが余分なんじゃないでしょうか?(笑)

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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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