二人のウーゴ

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2009 [2009年08月06日 01時00分]
ベネズエラのコーヒーは、日本には(通関統計に載らないほど)
僅僅しか輸入されておらず、なじみ薄いが、
ベネズエラの“Hugo”で2題。

Hugo Blanco(ウーゴ・ブランコ)は、ベネズエラのarpista(アルパ奏者)。
叔父Jose Manzo Perroni(ホセ・マンソ・ペローニ)が1958年に作詞曲した
‘Moliendo Cafe’(モリエンド・カフェ:コーヒーを挽きながら)
を演奏し、大ヒット、Hugoの名を世界に知らしめた。

日本では、中沢清二の日本語作詞で西田佐知子が歌い(1961年)大ヒット。
この「コーヒー・ルンバ」詞が「昔アラブの偉いお坊さんが・・・モカマタリ・・・」
と原詞をまるで無視したため、まるで「アラビアンコーヒー」のイメージ。
原詞は、ベネズエラのコーヒー農園に日が暮れて静けさと闇が訪れ、
コーヒーを挽きながら愛の悲しみ人生の苦しみを歌った、
正真正銘「ベネズエラコーヒー」哀愁のフォルクローレである。

ぜひとも「モリエンド・カフェ」をBGMにベネズエラ産の自家焙煎コーヒーを
味わいたいのだが、途端に「この曲にはモカ・マタリだろう」などと言われそうで、
この想像できる状況自体が悲哀に満ちてしまう・・・あぁ、Hugoよ、哀愁じゃ。

Hugo Chavez(ウーゴ・チャベス)は、ベネズエラの現大統領である。
正式国名をベネズエラ・ボリバル共和国にしてしまう程、シモン・ホセ・
アントニオ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダー・ボリーバル・イ・パラシオスを敬愛し、
徹底的な反米(アンチUSA)主義を掲げる世界で最も左翼な元首の一人。

チャベス政権は、石油・ガス・電気などのエネルギー産業を始め、
鉄鋼・セメント・通信なども国有化政策を進めてきたが、
2009年8月3日、同国内のコーヒー大手2企業(カフェ・マドリードと
ファマ・デ・アメリカ)を暫定的に国有接収したと発表した。

チャベス政権の国有化政策には、従前より非難の声も多く、
「今度はコーヒーまで・・・」という声も聞こえてきそうだが、
私は(現時点では)一概に国有化反対、と言わない。
コーヒーの国際相場は相変わらず乱高下しているが、
大きな視点で見れば、2004年、ICO(国際コーヒー機関)にUSAが
復帰して以来、コーヒー相場は高騰傾向にある。
チャベスがこの状態に反感をもって、アメリカ帝国独り儲けを阻止せんと、
挑んでいるならば、私はその姿勢には拍手喝采である。
政治手法が正しいとは思わないが反米賛同・・・あぁ、Hugoよ、戦いじゃ。

左翼独裁の為政者を持ち上げて、反米ばかりを唱えると、
コーヒー界や知人からも私に「黙ってはどうかね?」
(2007年にウーゴ・チャベスがスペイン国王から浴びた叱責)
と言われそうだが・・・それでも、二人のウーゴ同様に歌い続け吼え続ける!
コメント (2) /  トラックバック (0)

コメント

No title
ナカガワ URL [2009年08月14日 15時40分]

そうだったんだ!!ベネズエラは地産地消みたい。オリノコというブランドの焙煎豆をいただいたことがあります。真っ黒でしたが。反米スペシャルティコーヒー協会でも作らないかな。キューバ、ブラジル、ボリビアとチレあたりも仲間に入れて。

何という
kisanjin URL [2009年08月17日 13時42分]

不穏な提案(笑)でしょう! でもイイですねぇ。
個人的には「スペシャルティ」蔓延傾向は嫌いなので、ここは原点に戻って「反米コーヒーギルド」でも作ってほしいなぁ。中米・南米・カリブのコーヒーは、音楽と葉巻とアルコールにまみれた、非スタバ的・非ユダヤ的・非長老派的な嗜好品であるべきですよ。それこそが「正統な」コーヒーの世界なハズ…

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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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