ファイナルアンサー?

ジャンル:映画 / テーマ:映画 / カテゴリ:観の記:映面 [2009年04月28日 03時00分]
『スラムドッグ$ミリオネア』
久しぶりに、そして噂通り(?)に、佳作の
エンターテイメント・ムービーだった。

「一途な純愛の物語」に感動したわけでも、
「リアルなスラムの描写」に感服したのでもない。
巷ではそんな評もあるようだが、
主人公に後段「一時たりとも忘れたことは無い」と言わせる程、
「思い焦がれる描写」が際立つ話運びではないし、
背景となる社会像も「娯楽を通して課題を突きつける」程、
そこに力点を置いた話運びとも思えなかったからである。
それは「兄弟の愛憎」とか「悲惨ゆえの笑い」なども同様で、
切り口を固定すればする程、感心しない私がいる。
どちらかと言えば、
ポンポンと話が運んで惹きこまれる映画にはありがちの、
深く考えると「総花的でそれゆえ荒い」印象の映画である。

だが、荒かろうが雑だろうが、
グイグイと惹きこまれて素直に楽しめる作品であり、
ラストおきまりのカーテンコール様の演出も
まことにアジア的というかインド的というか、
ゴマンとあるボリウッド(ムンバイ=ボンベイ版ハリウッド)作品
から偶発的に佳作ができてよかったね、
でも何で映画賞総なめなのだ???
・・・と観ながらここまで思って、ハッとした。

(観始めた時点では理解していたのだが)
これは純ボリウッドではなくUK映画だった。
エンドロールで“Celador”を観るまで忘れていた。
ちなみにUKの制作会社セラドールは、現実世界の各国全ての
“Who Wants to Be a Millionaire?”
(クイズ$ミリオネア)をライセンス所有している。
つまりこの映画は、現実にライセンスされた自社所有の舞台で
作られているUK映画なわけだ。
それを、私の場合にはケチも好感も「ボリウッド」と思わせた
監督ダニー・ボイル始め製作陣、マイッタネ、座布団3枚!

しかし、こう想うとアカデミー8冠は釣り合わない。
監督賞・歌曲賞・作曲賞・編集賞・脚色賞はともあれ、
作品賞・録音賞・撮影賞がこの作品とは、
「良いものは良い」より「俺らはもうダメ」と
ハリウッドの業界人が降参したように見えるのだが・・・
私は、USAの西海岸に「ファイナルアンサー?」と尋ねたい。
『スラムドッグ$ミリオネア』は、オスカーなんて不要の佳作だ。
コメント (0) /  トラックバック (0)

コメント

この記事にコメントする

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://kisanjin.blog73.fc2.com/tb.php/123-f90d4610
編集

kisanjin

Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
Powered by / © Copyright 帰山人の珈琲漫考 all rights reserved. / Template by IkemenHaizin