カメラを止めろ!

ジャンル:映画 / テーマ:映画感想 / カテゴリ:観の記:映面 [2018年08月21日 01時30分]
映画祭で受賞しまくり巷間でも好感されて異例の大ヒットなどと言われているので観てみたら、コレがもう史上最低のクソ映画だった。
 カメラを止めろ! (1)
 
 《これ『カメラを止めるな!』っていうタイトル通りですね、1シーン1カットって
  いうか要するにカットがない、ずーっとひとつながりのホラー映画になって
  いるんですよ。でまぁ、ゾンビ映画なんですね。で、なんか廃工場で主人
  公たち4人ぐらいがゾンビに襲われるというですね形で始まるんですけど
  も、まぁ見始めたら「こりゃダメだな」って思ったんですよ。もうタイミングが
  悪いしね、ゾンビの演技もひどいしね。で、ワンカットでずっと撮っている
  から時々間が空いちゃっているんですよ。こりゃもうダメかなコレ…(略)》
  (町山智浩:談 「アメリカ流れ者」/『たまむすび』TBSラジオ 2018年5
  月8日放送)
 
 カメラを止めろ! (2)
日本における低劣なゾンビ映画としては、「愛の数だけ生まれたゾンビ 愛の数だけ殺したゾンビ」を惹句にした田辺幸一監督作品の『UTOPIA ゾンビ大戦争』(2011)があったが、今般の『カメラを止めるな!』(2017)はさらに酷い。劇中劇であるゾンビ映画の撮影中に本物のゾンビが襲いかかるというメタ構成の映画だが、コレがもう本当にメタメタな不出来。《タイミングが悪い》だけでなくてドキュメンタリー風なんだかコメディ風なんだかわからない仕立てで、《ゾンビの演技もひどい》だけでなくて主演女優もド下手で酷いし、自ら映りこんで「撮影は続ける、カメラは止めない!」と喚く監督をぶっ殺して上映を止めたくなる、ダメ出しのポンデミック(爆発感染)。ダメ押しはエンドロール直前に‘One Cut of the Dead’などと洒落臭いタイトルを掲げる『カメラを止めるな!』、この日暮隆之監督作品は「カメラを止めろ!」と呼ばれるべき駄作中の駄作だ。
 
『カメラを止めるな!』 観賞後記
 
 カメラを止めろ! (3)
記事は続ける、論評は止めない! 上田慎一郎(監督・脚本)の映画『カメラを止めるな!』は、ゾンビ映画を劇中劇として撮っているコメディ映画という点で、沖田修一(監督・脚本)の『キツツキと雨』(2012)と同じである。だが、『カメラを止めるな!』は物語の構成が異なる。ゾンビ映画を劇中劇とするゾンビ映画(正確にはゾンビ物で生中継でワンカットのTV番組)の‘One Cut of the Dead’としてメタメタのまま一旦閉じて、その二重構造を内包する「メイキング映画を本編とする物語」にさらに「(真の)エンドロールで(真の)メイキング動画」が流れるというメタメタな二重構造で閉じられる。つまり二重の恐怖映画を二重の喜劇映画に内包した四重構造であること、そして緻密な脚本による四重構造の全階層が同じ水準の粗雑な演出で貫かれていること、この2つが映画『カメラを止めるな!』の熱熱(あつあつ)ポイントである。巷間では映画愛だの家族愛だのと言われているが、そんな解釈にはお手上げ、ポン! 《中学生の頃から自主映画を撮って》いて、高校生の頃には「琵琶湖イカダ漂流事件」を起こしたのに《凹んだことはあまりない》と言い、今作でも《観客のことはなにも考えてなかった》と言う上田慎一郎(Webサイト『ダ・ヴィンチニュース』 インタビュー 2018年8月8日)。この倫理観に乏しい監督がぐわーんぐわーんと身勝手に作ったからこそ、映画『カメラを止めるな!』は奇妙に面白い。言い換えれば、ゾンビ物という被差別階級にあるジャンルをメイキング物というこれまた被差別階級にあるジャンルで包み込んだ組み合わせが、観客の鬱積をカタルシスで逃がすワークショップとしてウケたのだろう。映画を作った者たちも観た者たちも下卑ているからこその佳作、それが『カメラを止めるな!』である。作った者たちも観た者たちも、そこがわからなければ今後はさっさと「カメラを止めろ!」…よろしくでーす♡
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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