子ども珈琲電話相談 3

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2018 [2018年08月01日 01時00分]
夏休み子ども珈琲電話相談」は、小中学生のみなさんの珈琲に対する疑問や興味にこたえる番組です。りっぱな(?)質問でなくてもかまいません。ふと、頭に浮かんだ謎、素朴な質問でも大丈夫です。ぜひ、夏休み中のお子さんとご一緒にお楽しみください。
 子ども珈琲電話相談
 
【難敵】
「お名前と学年を教えてください」 「切多(きれた)呉馬(くれま)です。小学3年生です」 「呉馬くんの質問はどういうことかな」 「えっと、カフェインレスのコーヒーはなぜ美味しくないのに値段が高いのですか?」 「はい。呉馬くんはカフェインレスをインスタントコーヒーで飲んだのかな」 「えっと、インスタントは飲みません。僕はスペシャルティグレードの生豆で脱カフェイン処理をしたものを自分で焙煎して、その豆の状態や特徴に合わせて淹れ方を変えて飲んでみました」 「すごいですね。では、中森先生に訊きますね」 「中森です。どんな方法で処理したコーヒーを飲んだのかな」 「水で処理したものと二酸化炭素で処理したものです。でも、どれも不味かった」 「う~ん。これはね、難しい問題ですね。まず値段が高くなる理由を説明しましょう」 「余分な手間がかかるからですか」 「あ、もうわかっていますね。その通りです。あと、普通のコーヒーほどには売れないから割高になっちゃうんですね」 「だって不味いもん」 「呉馬くん、どうしてカフェインレスは不味いんだろう」 「脱カフェインの処理をする前に豆を蒸したり、処理する溶剤の温度を上げたり、処理をした後の乾燥温度が高かったりして、その熱でコーヒーがダメになるからだと思います」 「よく勉強されていますね。でも昔より美味しいと先生は思うけどな」 「脱カフェイン処理した方が美味しくなるコーヒーがあるんですか」 「え? いや、そうじゃないけれど…呉馬くんは不味いコーヒーを飲みたくないんだね」 「はい」 「でも、世の中には大した根拠もなくカフェインは取らない方がいいという人がいっぱいいるんだよ。そうすると、コーヒー売れないよね」 「最後は金目(かねめ)でしょ」 「そう、大人の事情だね。わかりますか」 「えっと、はい…」 「じゃ、さよなら~」 「さよなら…」
 
【瞬殺】
「お名前と学年を教えてください」 「降井(ふるい)小奈(こな)です。小学1年生です」 「訊きたいことはどういうことかな」 「えっと、サードウェイブの次のフォースウェイブコーヒーって何ですか?」 「はい。小奈さんはフォースウェイブと言われているコーヒーを飲んだのかな」 「飲みません」 「えっ?」 「えっと、コーヒーは日本型の喫茶店でもコンビニでも飲まないし、コールドブリューもカフェインレスも飲みません。私が選んだ生豆を父が焙煎してバリスタの兄に淹れてもらって家飲みはしているけれど…」 「は、はい。では、居藤先生に訊きますね」 「居藤です。小奈さんはコーヒーの歴史に第一、第二、第三、第四と呼ぶべき‘波’があると思いますか」 「わかりません」 「ウソ、許せないウソです。わかりましたか」 「えっと、はい…」 「じゃ、さよなら~」 「さよなら…」
 
【拒絶】
「お名前と学年を教えてください」 「陶田(すえた)亜呂真(あろま)です。小学6年生です」 「質問はどういうことですか」 「えっと、日本初の缶コーヒーは誰がつくったのですか?」 「はい。亜呂真くんはどうしてこの疑問を思いついたのですか」 「缶コーヒーのことを調べていたら、最初に缶コーヒーをつくったのはポッカレモンとか上島珈琲とか外山食品とか明治製菓とか色んな説があって、よくわからなくなってしまいました」 「なかなか難しそうな問題ですね。では、神野先生に訊きますね」 「えっ? 中森先生か居藤先生で…」 「亜呂真くんの質問は、自称コーヒーの地域文化研究者である神野先生がお答えします」 「我が輩がコーヒー郷土史家の神野じゃ。世界初の缶コーヒーは三浦義…」 「さよなら…」 「あっ、亜呂真くん、亜呂真く~ん」 (ツーッ、ツーッ…) 「え~と、切れましたね。さぁ、今日もたくさんの質問ありがとうございました」
 
お楽しみいただけましたか? 《生み出してくれる人がなかったら、それを味わったり、楽しんだりして消費することは出来やしない。生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。これは、何も、食物とか衣服とかという品物ばがりのことではない。学問の世界だって、芸術の世界だって、生み出してゆく人は、それを受取る人々より、はるかに肝心な人なんだ》(『君たちはどう生きるか』 岩波文庫)と吉野源三郎氏は不粋に下劣な垂訓をしました。でも、珈琲を味わったり楽しんだり、珈琲にどう生きるかを考える、そこに子どもか大人かは関係ありませんし、生産者か消費者かも関係ありません。夏休みも珈琲に生きるだけです。
 
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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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