蕎麦に居るね 30

ジャンル:グルメ / テーマ:蕎麦 / カテゴリ:食の記 [2018年05月17日 01時30分]
蕎麦屋には、ドトールコーヒーショップのような蕎麦屋もあれば、バッハグループの珈琲屋のような蕎麦屋もあるし、クリソが売りの純喫茶のような蕎麦屋もある。そこには謎があり、また、だからこそ面白い。
 
2018年4月5日
 蕎麦居る30 (2) 蕎麦居る30 (1)
「そば処 吉野家」掛川パーキングエリア上り店で、「かき揚げエビ天重(小)と冷しかけそばセット」を食す。
「青い吉野家」でおなじみ(?)のチェーン店「そば処 吉野家」、当初はBSE問題の対策で多角化の実験展開だった(2007年~)が、それから10年余が経つ。新東名高速道路が一部供用されたと同時に掛川PAでも開店していた(2012年4月)が、このPA店舗には初訪。「そば処 吉野家」は《お店で「打ちたて」「茹でたて」》を謳うが、製麺機で「押出したて」(?)された十割そばは相変わらず雑っぽくも蕎麦臭い安定の味わい。腹塞げの蕎麦を昼飯‘一食’へ増量するかき揚げと海老天の天重、そこに可否はない。可否なく食餌として使うに適当。
 
2018年4月6日
 蕎麦居る30 (4) 蕎麦居る30 (3)
「そばの花」で、「すずしろ天」(ぶっかけ、小海老天5本)を食す。
静岡県島田市にある「そばの花」、我が故郷に「新たな蕎麦屋が出来たな」と思ってから29年が経つ。約15年ぶりの訪店。2017年に商標登録(第5935706号)された「すずしろ天」、その名の通りに大根のケンと小海老天を二八の蕎麦へ盛ったぶっかけ。喉ごしよく強くも清涼にソバが薫る麺、程よくキレのある汁、混ぜ食べて味も口当たりもピッタリな具、思わず「こんなに美味かったっけ?」と見事な調和に笑う。正しく凡庸だが安定して進化する店…以前に「八兵衛」を「カフェ バッハ」と喩えたが、「そばの花」は蕎麦屋版「カフェ デ コラソン」(?)。美味い店の再発見は嬉しい。
 
2018年5月12日
 蕎麦居る30 (6) 蕎麦居る30 (5)
「やっこ」で、「ミニ丼(衣笠丼)とキーシマ」を食す。
京都で「嗜好品文化フォーラム」に参加中の昼飯に、会場近くの蕎麦屋「やっこ」」(中京区冷泉町)を初訪。だが、食べたのは蕎麦ならぬ黄(きぃ)そば「キーシマ」、甘汁(うどん汁)に中華麺が入っている。汁の味は薄めだが予想ほどに甘みはなく、麺もかん水控えめで強い味がなく柔らかな口当たり…京都だなぁ。葱、七味唐辛子、粉山椒の順に薬味を入れて味わう…ふむ、山椒が合う(衣笠丼には七味が合う)。あ、これじゃ「蕎麦に居るね」ではなくて「蕎麦屋で蕎麦の側(そば)に居るね」(?)だ…まぁいいや。
 
〔余考〕 符丁「シマ」の正体。蕎麦? 米?
 蕎麦居る30 (7)
京都の蕎麦屋「やっこ」では、「シマ」を蕎麦の隠語として使用している。「やっこ」の川畑家では《シマはかけそばを指す》と説明することも多いようだが、ハイカラキーシマやカレーキーシマという用法では種物にも使われているのだから、結果として「シマ」は蕎麦を指す符丁といえよう。では、蕎麦を「シマ」と呼ぶのは何故か? 大阪で発した「島」(シマ)が「やっこ」にも伝わったのだろうか?
 《きたづめ【北詰】 そばのこと。かつて大阪堂島橋の北詰で相場が立ったの
  で、相場を「そば」にもじったもの。シマ(島)とも。(大阪)》 (新島繁 『蕎麦
  の事典』 柴田書店:刊 1999)
 蕎麦居る30 (8)
大阪の蕎麦屋「北浜 更科」や「吉祥庵」(中之島)では、「シマ」をごはん(米飯)の隠語として使用している。カモシマといえば鴨なんばとごはんが出てくる「北浜 更科」の池田家は、《戦前の船場の商売人の符丁で、元は堂島の「島」から由来》と説明しているようだ。
 《シマ 米のことをいう隠語。米穀取引所のあった堂島の略である。》 (牧村
  史陽:編 『大阪ことば事典』 講談社:刊 1979)
 蕎麦居る30 (9)
つまり、「シマ=蕎麦」の場合も「シマ=米(ごはん)」の場合も、どちらも堂島の「島」(シマ)に由来するらしい。大坂の堂島米会所は江戸時代中期の1730(享保15)年に開設され、明治維新で一旦廃止されるも1871(明治4)年に復活、その後は1893(明治26)年に「大阪堂島米穀取引所」となって1939(昭和14)年に廃止されるまで続いた。京都の「やっこ」は1930(昭和5)年創業、大阪の「更科」は1928(昭和3)年創業、いずれの当時も堂島に取引所があり、その「島」(シマ)で相場が立ったので「シマ=蕎麦」でも、「島」(シマ)が米の取引をしたので「シマ=米(ごはん)」でも、理屈は通る。だが、蕎麦屋という同じ業態で「シマ」という符丁が異なる品へ与えられて二分したのは何故か? それは謎である。符丁「シマ」の正体は、まだハッキリとは見えない。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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