あれから40年。

ジャンル:ライフ / テーマ:ひとりごと / カテゴリ:あ・論廻 [2018年05月11日 01時30分]
先般にNHK(BSプレミアム)で「歴史秘話 ガンダムヒストリア」(2018年4月2日放送)と「発表!全ガンダム大投票」(2018年5月5日放送)を観た。いずれも、最初のTV放送から40年目を迎えたガンダムにシリーズの歴史を振り返ろう、ということらしい。だが、私がガンダムに惹かれたのは、放送開始よりも少し早かった。戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ。
 あれから40年 (1) あれから40年 (2)
 
 《モビルスーツ、ガンダムが立ち上がった! ここは戦場、ただ生か死か二
  つの世界でアムロは戦う! 巨大なスペースアニメーションの幕が今切っ
  て落とされる! 新番組『機動戦士ガンダム』、君は青春の涙を見るか?》
  (TV番組『機動戦士ガンダム』予告CM 永井一郎:声 1979年3月)
 
「スゴイの出てきたな…」というのが、高等学校の入学をひかえた私が『機動戦士ガンダム』(1979-1980)の予告CMを当時に見て抱いた感想。当然に初回放送でガンダムを観続けた。ジェラルド・K・オニールが提唱するスペースコロニーとパワードスーツを巨大化したようなモビルスーツという設定に酔った。セイラ・マスとマチルダ・アジャンとクラウレ・ハモンに惚れた。宇宙進出によるヒトの革新(ジオニズム)とニュータイプに憧れた。だが、物語は全43話で打ち切られた。当たらなければどうということはない。
 
 《ガンダムがやろうとしていることの、本当の意味はなんなのか? 制作し
  た当事者たちは、僕を含めてよく分かっていないのだ。ただ、アニメを十
  数年やってきただけの、マイナー志向に凝り固まったスタッフである。フ
  ァンがなぜガンダムを支援してくれているのか、正確には分からなかっ
  た。 僕のホンネを探ってゆくとひとつだけあった。ガンダムは違うのだ、
  ということ。何が? 多少、本当のドラマ作りを考えてみた。フィクション世
  界のオリジナルに挑戦してみた。だから、チビを相手にしなかった。多
  少、ドラマを知るべきヤングにターゲットをあてていた。 それがすべてで
  あった。 なぜそんなことをやったのか? 過去にもいろいろなスタッフが
  そういう目的を設定してメカ物、ロボット物を創りながらも、世間は認め
  ようとしなかった。だから認めさせたいのだ。》 (富野喜幸 『だから僕は…
  「ガンダム」への道』 徳間書店:刊 1981)
 
TV版を改作した劇場版3部作(『機動戦士ガンダム』 1981/『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』 1981/『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』 1982)、私がガンダムに酔って惚れて憧れたのはそこまでだった。いや、1981年2月22日に新宿アルタ前で「アニメ新世紀宣言大会」が開催された頃に、私は《ガンダムは違うのだ》と認め‘終え始めて’いた。劇場版III(めぐりあい宇宙編)を観終わって映画館の前で青空を見上げながら思ったこと、私はそれをハッキリと憶えている。「アニメを認めようとしなかった世間は今後も認めないカスである。私はガンダムを認め終え、その気持ちは死ぬまで変わらないだろう、‘ニュータイプ’なのだから」と。認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを。
 
 あれから40年 (3)
先般に「全ガンダム大投票 40th」の投票結果を見て、私は納得した。世間の「ガンプラ」ブームに関心なく過ごして「Zガンダム」以後のガンダムシリーズへも目を向けることはなかった私は、作品であれメカであれキャラクターであれ歌であれ、そのランキングを評する言葉がみつからない。納得したのは、50代(50~59歳)が投票全体の5%だったこと。そう、40年ほど前の当時に新番組『機動戦士ガンダム』で《青春の涙を見る》者など、ほとんどいなかったのである。観ていたとしても、40年近くを経ても《世間は今後も認めないカスである》と思い続けていて、その歴史に票を投ずる気はないだろう、と私には察せられる。私には、ガンダムに「シリーズの歴史」など存在しない。こういう時、慌てたほうが負けなのよね。
 
 あれから40年 (4)
《ガンダムがやろうとしていることの、本当の意味はなんなのか?》…あれから40年。言ったことは忘れ、言おうとしたことまで忘れ、忘れたことも忘れるようになった。人がそんなに便利になれるわけ、ない。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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