君よ憤怒の皮を被れ

ジャンル:映画 / テーマ:映画感想 / カテゴリ:観の記:映面 [2018年02月10日 01時30分]
夜に新宿で駅の東口側から角筈ガードを潜ると刑事に追われているんじゃないか、西口側へ抜けると旧青梅街道を馬が集団で駆けてくるんじゃないか、そういう気分になったことは何度もある。だが、追っていた下川辰平(1928-2004)も追われていた高倉健(1931-2014)も死んでもういない。そして、原田芳雄(1940-2011)も大滝秀治(1925-2012)も死んでもういない。駆けてきた馬に乗った気分でスキャットを口ずさみながら新宿西口を南下したくても、沢田靖司(1939-2017)も昨年4月18日に死んでもういない……《男にはね、死に向かって飛ぶことが必要な時もあるんだ》(『君よ憤怒の河を渉れ』)。
 君よ憤怒の皮を被れ (1) 君よ憤怒の皮を被れ (2)
 
  ダーヤラーダヤララダヤララー ダーヤラーダヤラダダヤララー
  ダヤラーヤラダーヤラダーヤラー ダヤラーヤラダーダヤラーァー ♪
 
『マンハント』(追捕) 観賞後記
 
 君よ憤怒の皮を被れ (3)
このリメイク映画は、始まってスグに主役のドゥ・チウ(チャン・ハンユー:演)が「孤独の逃亡」(杜丘之歌/『君よ憤怒の河を渉れ』主題歌/青山八郎:作曲)を口ずさみ、敵役のレイン(ハ・ジウォン:演)とドーン(アンジェルス・ウー:演)とも『君よ憤怒の河を渉れ』の台詞を話題にする。直後にレインとドーンが服をはためかせて背中合わせに拳銃をぶっ放してヤクザを皆殺しにする待ってましたの‘ジョン・ウー・アクション’、そのBGMは「孤独の逃亡」。ジョン・ウー監督、よくやった! 泣けてくるぜ! …ん? チョット待て? 『マンハント』の杜丘(ドゥ・チウ)は「濡れ衣を着せられて逃げる杜丘(もりおか/高倉健:演)と追う矢村(原田芳雄:演)と助ける真由美(中野良子:演)」という映画を熟知している上で、同名の矢村(福山雅治:演)や真由美(チー・ウェイ:演)と一緒に逃亡劇を再現していくのか? オカシイだろ、ジョン・ウー! 《なぜだ、なぜなんだ》……《あなたが好きだから》(『君よ憤怒の河を渉れ』)。
 
 君よ憤怒の皮を被れ (4)
大映を倒産させた永田ラッパ雅一が製作(新・大映と永田プロ)で佐藤純彌と高倉健が東映を外れて初に監督と主演で配給は松竹という映画『君よ憤怒(ふんど)の河を渉れ』(1976)は、整合の欠片も無い無茶苦茶な痛快娯楽作品だった。そのリメイク映画(実際は西村寿行の原作小説『君よ憤怒(ふんぬ)の河を渉れ』の映画化権再取得)である中国映画『マンハント』(追捕/2017)は、ある意味で旧作の続編のようだ。意味もなく武闘に強すぎる中国人弁護士、湯川学比古清十郎にしかみえない捜査一課係長、中国(大陸本国も香港も台湾も含めて)へも日本へもウケを狙った八方美人の演出、整合の欠片も無い無茶苦茶な痛快娯楽作品に仕上がっていた……《見たまえ、あの青い空を。歩いていくんだ。君はあの青い空に溶け込むことができる》(『君よ憤怒の河を渉れ』)。
 
 君よ憤怒の皮を被れ (5)
映画『マンハント』は、オール日本ロケの中国映画でもスケール感は弱いし、アクションはともあれ情感で追い込みまくって爆発させる‘ジョン・ウー節’も中途半端だが、何故だか‘憤怒’しきれない愛嬌のある作品だ。ちなみに、女優陣は全員どヘタクソだが愛嬌がある。ここを「マンハント」じゃなくて「ウィミンハント」して、「追捕」じゃなくて旧作の「追補」版と捉えて、「君よ憤怒の皮を被れ」と勝手に改題しておこう。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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