冬の夜の集い

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2017 [2017年12月08日 00時48分]
犬山市にあるカフェ「FOYER:」(ホワイエ)を3年8ヵ月ぶりに訪れた。‘foyer’(ホワイエ)とは休憩室の意であるが、語源は‘focus’(フォーカス)と同様に火炉にある。だから、カフェ「ホワイエ」にこそ、憩いながらも焦点を定めて燃え語る催事が相応しい。外は冷えこむ冬の夜、10人の客を迎えて、「コクウ珈琲」の篠田康雄氏と私(鳥目散帰山人)が熱く演じた。
 冬の夜の集い (1) 冬の夜の集い (2)
 
2017年12月6日
「冬の夜のコーヒーの集い」 会場:FOYER:(ホワイエ)
 
 冬の夜の集い (3) 冬の夜の集い (4)
まずは、解説しながら抽出の実演。篠田さんはクリスマスブレンドを松屋式で淹れ、私はオリジナルブレンドをネルドリップで淹れる。「Pâtisserie La Mieux」(パティスリー・ラ・ミゥ)のタルトケーキも供される。
 
 冬の夜の集い (5)
次に、「カフェってなんだろう?」をテーマに篠田さんと私で語り合う。私は自作した「日本のカフェの歴史」年表を用いて、カフェに関する多様な始原と変遷を示した。コーヒー業界がバカの一つ覚えで喧伝する事項を軽くあしらい、巷間とは異なる視点で説く。それから、質疑応答を交えて、約2時間の催事を終えた。
 
 《カフェから時代は創られる? カフェはただ友人とお茶をしに行く場所では
  ないのだろうか? 二〇〇〇年頃に始まったカフェブームのお陰もあっ
  て、日本の「カフェ」像はすっかり変わり、現代のカフェの多くは男性の
  集う喫茶店から若い女の子がまったりとケーキを食べに行く場所になっ
  てしまった。(略) そうしてこれまで機会を見ては常々語ってきたのは
  「カフェはただお茶を飲みに来るだけの場所ではない」ということである。
  (略) 実は、カフェという場は、そこに集う人達と場とが絶妙に相互作用
  をした時に、新しい時代や価値を創造しうる場なのである。》
  (飯田美樹 『caféから時代は創られる』/いなほ書房:刊 2008)
 
「カフェってなんだろう?」という問いに対して簡明に答えることは容易でない。するとどうなるか? 《カフェはただお茶を飲みに来るだけの場所ではない》などと言いたくなる。カフェが果たす役割をあれこれと持ち出したくなる。カフェは芸術や文化を生み出す場であり、闘争や革命など時代の転換点にカフェがあった、などと嘯きたくなる。それらを完全に否定することはできない。しかし、カフェで《集う人達と場とが絶妙に相互作用》をすることが常態ではないし、《新しい時代や価値》を生み出す場となることも実際には稀だろう。新しい時代や価値を創造‘しうる’という確度を欠いた可能性をもって、カフェの必然の要諦を指し示すことはできない。まずもって《カフェはただお茶を飲みに来るだけの場所》である、そう解して何が悪いのか? 飲んだり食べたり読んだり書いたり見たり聴いたり喋ったりする、そうした目的で人が気軽に集う場がカフェである。だから、今般に「ホワイエ」で催された冬の夜の集いから《時代は創られる》などとはいえないが、それでもやはり「ホワイエ」はカフェなのだ。
 
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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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