土の音 PiM

ジャンル:学問・文化・芸術 / テーマ:art・芸術・美術 / カテゴリ:観の記:美面 [2017年08月11日 01時30分]
岐阜県美術館は2015年度より日比野克彦氏が館長になって、翌2016年度から「ナンヤローネ プロジェクト」を始めたんやって、なんやろーね。その一環として「アーティスト・イン・ミュージアム」(AiM)の第一弾(鈴木一太郎氏)が昨夏に開かれたんやけど、わっちは見ーへんかったんやて。でも、今夏は「AiM」の第二弾を、見知っている渡辺泰幸氏がやっとるところやよ。公開演奏もあるんやて。なんやろーね、行かなかんわ。
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「アーティスト・イン・ミュージアム AiM 2017」 (岐阜県美術館:実習棟)
 
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1996年2月11日に「鯉江良二展」を観て以来の7847日ぶり、2017年8月6日に岐阜県美術館へ。おぉ、30日前に「みのかも文化の森」でも聴いた音がする。その木々の緑に白い陶鈴が鳴る〈風の音〉を私が纏い遊ぶと…ん? 作家(渡辺泰幸氏)が登場。渡辺さんと公開制作やコーヒー話を少談してから、実習棟の床に並べられた〈土の音〉を眺めて触って打って遊ぶ。ここには鑑賞者(ヴューアー)はいない、誰もが関与者(パーティシパント)だ。やがて、窓際に置かれた椅子に座って、公開演奏の聴衆(オーディエンス)になる。
 
 《まず、土の音が並んだ庭の中を、時々音をポコ、ポコ、と鳴らしながら散
  歩。天井から吊り下げられた鈴の作品を鳴らしながら、次の筒状の茶
  色い作品群のところへ移動。この筒状を木の球で鳴らすと高くてかわ
  いい音が鳴ります。次に壁際の船形の作品に移動。ここでは音の密度
  が高い演奏をする。音程の組み合わせも現代音楽的な不協和音まで、
  ヒビの入った作品で出るノイズ音も敢えて使う。最後に白い器を擦る音
  で、5人の音の重なりを出し、その後、白い器の美しくのびやかな音の
  ソロで、場を沈め終わり。》 (永田砂知子 Facebook 2017年8月7日)
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トンペティは波紋(はもん)使いだが、トム・ペティは1950年生まれのミュージシャンであり、永田砂知子は1950年生まれの波紋音(はもん)使いである、なんやろーね。永田砂知子氏が登場して、〈土の音〉で即興演奏。おぉ、予想より素直に響く〈土の音〉が心地好い。永田さんがシャラシャラと頭上の〈実の音〉を鳴らした時、何故か富樫雅彦氏の「SPIRTUAL NATURE」(1974)のイントロを想い出して、しばらく私の頭の中では富樫さんと永田さんの2人のパーカッショニストの奏でる音が混じって響いていた。富樫さんは「紀元二千六百年記念日本万国博覧会」が催されるはずだった1940年に生まれ、「日本万国博覧会」(大阪万博)が催された1970年に妻に刺されて下半身不随になり、2007年に死んだ。‘コーヒーの鬼’「もか」の標交紀氏も1940年に生まれて2007年に死んだ。永田さんは「日本万国博覧会」の鉄鋼館に遺されたバシェ兄弟(ベルナール・バシェ:1917-2015/フランソワ・バシェ:1920-2014)の音響彫刻を蘇生する活動をはじめて、バシェ協会の会長を務めている。永田さんの奏でる〈土の音〉を聴きながら、なんやろーね、想いを巡らす。
 
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聴衆(オーディエンス)の後は、来場者の多くが〈土の音〉を触って叩いて打ち鳴らす関与者(パーティシパント)になった。おぉ、関与する意義や正解は求めない、美術と音楽の混交に遊ぶ時間は小さくても短くても「芸術祭」だ。つまり、「パーティシパント・イン・ミュージアム」(PiM)だな…その好ましい味わいを笑いながら会場を去った。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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