蕎麦に居るね 28

ジャンル:グルメ / テーマ:うどん・そば / カテゴリ:食の記 [2017年08月07日 05時30分]
「夏の蕎麦は犬さえ食わぬ」とか「夏の蕎麦は継子(ままこ)にやれ」とか言われるが、夏に蕎麦を食してマズイわけではない。夏土用に旬外れの鰻を食うよりはマシだろう。土用に蕎麦、ええじゃないか。
 
2017年7月25日
 蕎麦に居るね28 (1)
「八兵衛」で、「田毎」(冷)を食す。
一の丑、蕎麦屋「八兵衛」(静岡県藤枝市)を久しぶりに訪ねる。冷たい「田毎」を注文し、そういえば‘たごと’は蕎麦屋の屋号にも種物の名にも使われているが先はどちらだろう、などと考えながら待つ。きたきた。…ん? 麵の透明感がさらに増したよう。チュルチュルとした感触と香り立ちも良い噛み応え。卵の黄身・海老天の衣かす・鰹節・海苔などが渾然と絡み合った麵もまた好し、この「田毎」のような種物の時にも押し挽き独特のキレの良さが発揮されるのか、と食べ進める。やいやい、ばかに上出来だっけ。
 
2017年8月4日
 蕎麦に居るね28 (2)
「そば茶寮 秋や」で、「紅おろしぶっかけそば」を食す。
NEXCO中日本が2015年に開いたテラスゲート土岐の地域連携施設「まちゆい」、恵那川上屋のパフェ屋が退店して、岐阜地区で居酒屋を運営する楽が2017年7月21日に蕎麦屋を開業した。その「そば茶寮 秋や」(岐阜県土岐市)を初訪。紅芯大根(?)の色が効いている「紅おろしぶっかけそば」、麵も大根も不味くはないが面白味が薄い。…ん? 海老玉をぶっかけると味わいが良くなった。この蕎麦屋は使えるが、市費の補助が続く限りの施設全体がイマイチ。さて、1年2年の後はどうなっているか?
 
2017年8月6日
 蕎麦に居るね28 (3)
自宅で、「むきそば」(冷)を食す。
二の丑にして節分。立秋前日に節分蕎麦を食べることは‘一般的’ではない。それでも食べるとすれば特殊な蕎麦にしよう。作るしかないな。
 
 《それならば、しかし、さらにサラサラと快い食品として、「剥き蕎麦」という
  ものを挙げなければなるまい。むかし、黒川能というものを見に、山形
  へ行った。酒田のある禅寺のご住職が知り合いで、幾晩か泊めて貰っ
  た。(略) 粒のままの蕎麦を炊いて、炊きたてをすぐに冷水に晒してさ
  まし、上から冷たく冷やした澄まし汁をたっぷりと張る。もみ海苔とワサ
  ビくらいの簡単な彩りをのせて、それででき上がりである。(略) ウム、
  あれが本当のサラサラだな、と今でも喉が覚えているのである。》
  (林望 「さらさら」/『音の晩餐』 徳間書店:刊 1993年)
 
 《そばごめ【蕎麦米】 玄ソバを水から煮て、殻の口が開くころ塩を入れ、
  それから取り出してムシロ干しする。ソバの稜を崩さないように脱穀す
  るが、塩加減(水の量の一%)と干し具合に秘訣があるという。》
  (新島繁 『蕎麦の事典』/柴田書店:刊 1999年)
 
林望氏は《むきそばは、信州では「そば米」という。要するにそばがらを取ったそばの粒である》(前掲書)と記しているが、これでは玄ソバを丸抜きしただけのものが《むきそば》(そば米)のようで説明不足。本来の蕎麦米(むきそば)は、コメでいう本来の糒(干し飯)と同様に加水加熱処理してから脱殻した保存原料である。…とは言ったものの、今般は宮崎県産の玄ソバ丸抜きしか手元にないので、なんちゃって「むきそば」(あるいはなんちゃって「冷し蕎麦雑炊」?)とする。丸抜き実を炊いて冷水で洗いしめ、冷たい出汁をはり、蒸しほぐした鶏ささみとカイワレ大根をのせる。ウム、本来の蕎麦米より甘皮が多く残って蕎麦の風味が濃くなったが、口当たりはこれも《本当のサラサラだな》、ウマい。夏の土用に蕎麦、その遊歴をさらさらと締める。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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