倫理的な調達

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2017 [2017年08月03日 05時00分]
スターバックス(Starbucks)は、2007年より11年連続で「世界で最も倫理的な企業」(World's Most Ethical Companies)であると、エシスフィア・インスティテュート(Ethisphere Institute)によって選出されている。倫理の普及を嘯く非道な団体の発表は信ずるに値しないが、「倫理的な調達」(Ethical Sourcing)を掲げる企業は正真に‘倫理的’なのだろうか? エシカルコーヒークイズのスタバ傘下ブランド特別編で解いてみよう。 
 倫理的な調達 (1)
 
[問1] 2012年にスタバはパスカル・リゴのパン屋を1億ドルで買収して傘下に収めました。2015年にはブルーボトルコーヒーが別のパン屋を買収して僅か8ヵ月弱で契約を解消しましたが、その同じ2015年にスタバが閉鎖したパン屋の名前は?
イ:タカキベーカリー
ロ:ラ・ブーランジェ(La Boulange)
ハ:タルティーン(Tartine)
 倫理的な調達 (2)
 米スターバックスがベーカリー「ラ・ブーランジェ」を全店閉鎖
 《アメリカのコーヒーショップ大手「スターバックス」は、サンフランシスコ
  周辺で展開するベーカリーカフェ「ラ・ブーランジェ」の全23店舗を9
  月末までに閉鎖すると発表しました。 フード部門の強化を目的とし
  て「ラ・ブーランジェ」を買収し、それを契機としてスターバックスの店
  舗におけるフードの充実やラ・ブーランジェの商品展開など多くのメ
  リットをもたらしたものの、長期的な成長を目的とするグループ戦略
  を鑑み、ラ・ブーランジェ単独での店舗展開は困難と判断し今回の
  決定に至ったようです。》 (Web『不景気.com』 2015年6月22日)
 
[問2] コーヒーの木からコーヒーチェリーが収穫できるようになるには3~5年くらいかかりますが、スタバが買収したパン屋やジュース屋や茶屋を見放して潰すまではどれくらいかかるでしょう?
イ:コーヒーの花の寿命と同じ1~3日くらい
ロ:コーヒーチェリー収穫までと同じ3~5年くらい
ハ:コーヒーの木の経済寿命と同じ20~30年くらい
 倫理的な調達 (3)
 スタバのジュース専門店「エボリューション・フレッシュ」、全店閉鎖へ
 《スターバックスがまた一つ、中核事業であるコーヒー以外のビジネス
  に終止符を打つことになった。同社が5年前に買収したジュース
  バー、「エボリューション・フレッシュ」だ。 ケビン・ジョンソン社長兼
  最高執行責任者(COO)に近くその座を譲るハワード・シュルツ最
  高経営責任者(CEO)は2011年、スターバックスのブランドロゴ
  から社名を外した。これについてシュルツは当時、「将来に手掛け
  る事業が、必ずしもコーヒーに関連したものである必要がなくなる」
  と説明していた。》 (Web『Forbes Japan』 2017年3月1日)
 
[問3] 次々にブランドを買収しては潰しているスタバは2017年だけでも2つのブランドを全店閉鎖と発表しましたが、さらにこの先でスタバが見放したり手放したりして潰してしまうブランドは?
イ:茶のTazo(タゾ)
ロ:コーヒーのSeattle's Best(シアトルズベスト)
ハ:水のEthos(エトス)
 倫理的な調達 (4)
 スタバのお茶専門店「ティバーナ」、米で全店閉鎖へ
 《米国の小売・外食産業に大きな影響を及ぼしている現在の困難な状
  況は、コーヒーチェーン大手スターバックスにもわずかながら痛みを
  もたらしているようだ。 時価総額およそ860億ドル(約9兆5500億
  円)の同社は7月27日に行った今年第3四半期(4~6月)の決算
  発表に合わせ、傘下のティバーナ(Teavana)が運営するお茶専
  門チェーンを閉鎖する方針を発表した。戦略的な見直しを行った結
  果、業績不振が続いていた同チェーンの現状は、今後も「続く可能
  性が高い」と判断したという。 同社の発表文によれば、米国内にあ
  るティバーナの379店舗は全て閉鎖することになる。主にショッピン
  グモール内に出店しているこれら店舗の大半は、2018年春までに
  営業を終了する。》 (Web『Forbes Japan』 2017年7月28日)
 
問1と問2の正答は共に‘ロ’だが、問3の解答は‘イ’も‘ロ’も‘ハ’も全てだと予想される。コーヒーのさび病に対する耐性品種を開発しても、買収したブランドの耐性を開発しないスタバ。コーヒーでC.A.F.E.(Coffee And Farmer Equity)プラクティスを標榜しても、買収したブランドの公平性に目を向けないスタバ。コーヒー豆かすリサイクルループを推進しても、買収したブランドの尊厳と持続性を再生しないスタバ。スターバックスには傘下に他のブランドを「倫理的な調達」する能がなく、それ自体がコーヒー業界や飲食業界の‘病害’であり‘かす’である。地球上から消え去ることが、スターバックスにとってもっとも倫理的であろう。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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